2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震におきまして被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。
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「ビッグチキン」「トマトビッグチキン」と来れば、自然気になるのがケンタッキーフライドチキン。餅は餅屋と言うならば、鶏はやっぱり鶏屋でしょう! ということで、5月31日より販売開始の季節限定レッドホットチキンサンド¥380。
リリースこちら――「ジューシーに仕上げた鶏のモモ一枚肉を使い、辛さをさらにアップさせて、シャキシャキのレタス、KFC特製マヨソースと共に全粒粉バンズにはさんだ辛口のサンドメニューです」。
ちょっと判らなかったのが、同時発売のレッドホットチキンを間に挟んだものなのか、そうで無いのかというところ。もしそうならアノ辛さは"ハバネロと白胡椒"ということになるし、そうで無いなら辛さについては「さらにアップさせて」という手がかりしかないことになる。「さらにアップさせて」の「さらに」とは何との比較なのかもよく判らない。
まぁそれで――。
さすがマック! 味なことやるなぁ……などと思っていたら、いやいや、やっぱりKFCである。レッドホットの名の通り、「バチッ!」と決まる唐辛子味。容赦無く、そして思い切りのよい、鮮やかな味の決め方である。この辛味一辺倒をお得意の甘いマヨソースが足元から引っ繰り返して甘くして、そうかと思えばすかさずチキンが鋭く切り込んで、もう辛いやら甘いやら、場面が目まぐるしく入れ替わる何ともサディスティックな一品。
衣のクリスピーもマック以上。ガリガリした食感がレタスの歯応えとシンクロ、一体化して、衣ともレタスともつかぬ渾然一体の軽快な食べ心地。チキンの脂の量も適量である。自然々々。
あとは忘れてはいけない、全粒粉バンズの好サポート。居るでも無く居ないでも無くこれまた自然な存在感で、邪魔するでも無い空気のような存在でありながら、ホットなチキンを懐深くきっちりと収めて悪くない印象を後に残す。
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マクドナルドをスナック菓子のおいしさに例えるなら、こちらは「食事」になるサンドである。「クセになる」という点ではどちらも共通するが、後口がどうにも重たいビッグチキンと比べ、ケンタッキーのチキンサンドには無理なく自然に、続けてまた食べたくなるおいしさがある。
何より鶏肉のおいしさ、その質感、立体感、さらに言えば鶏肉「らしさ」――そういう部分においては、やはりケンタッキーにより確かなものを感じざるを得ない。そもそも良い鶏肉はそんなに"あぶらあぶら"しないものだろうし。
値段はビッグチキン¥350より30円高く、トマトビッグチキン¥390より10円安。それぞれにおいしさはあると思うが、鶏は鶏屋としてやはり一目は置くべきだろう。また食べたくなるおいしさ。
2012.6.27 Y.M