2012年04月30日

【二ッ目!】 French Dog [京都・醍醐] の醍醐バーガー




 2011年3月11日金曜日に発生した東北地方太平洋沖地震におきまして被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。

§ §

 お約束のつづき。京都は醍醐(だいご)、French Dog(フレンチドッグ)の極上バーガー醍醐バーガー¥800。

 大乗仏教に「五味相生の譬(ごみそうしょうのたとえ)」なるものがあり、醍醐とは、その五つある味のうちで最もおいしいもののこと。正体は「牛や羊の乳から精製した」つまり乳製品のことなのだが、作り方は現代に伝わっていないという。

 最上の食べ物、極上の食べ物という着想から、その名に恥じない食材を選び抜いて創作したフレンチドッグの最高峰、それが醍醐バーガーである。


 概要は茄子(なす)と白胡麻ソースのバーガー。


 茄子は収穫期の間は地元山科の山科(やましな)なすを使用。山科なすは「電球形で、手のひらに納まるくらいの大きさ」「昭和初期までは京都でナスといえばこの品種を指したという、かつての主流品種」だったが、その後出荷量は減少。近年はブランド野菜として見直されている(こちらも参照)。収穫は6月から9月ないし10月中旬。橘さんの話では昨年は6〜7月が山科なす、8〜10月は京都産、その後は他地域のなすを使ったとのことである。皮が薄くて水分が多いため通常は漬物に使われるというこの伝統野菜を、果たしてどう料理するのか――。

 なすとパティを鉄板で焼いた後にフライパンに移し、ゴマ味噌ソースを絡めて2回火を通す。"原価を考えず"に出来上がったゴマ味噌ソースは、京都の西京白味噌、大阪大村屋のねりごま、丹後の醤油、伏見の清酒などを使用。仕上げに淡路産のたまねぎ、青森産のにんにく、高知産の生姜"四万十川の香り"を贅沢に使い、「ムチャクチャおいしいゴマ味噌ソースが出来ました!」。あとはレタス、スクランブルエッグ、グリルドオニオン。ベーコンは2枚。考え得る限りのフレンチドッグ最高・最強の布陣で臨んだ。

 和牛とオージー・2種類あるパティのうち、醍醐バーガーにはオージービーフのパティを使用。サイズは120g。和牛パティと比べザラザラとした舌触りだが、中はふっくら。ゴマ味がパティに馴染んでゆるやかなコクを発揮している。玉子の熱がバーガー全体に伝わって、いつまでも温かだ。


 一方でパティに入るナツメグが多く、特有の舌が渇くような感じあり。この香辛料の好くないのは「どの味にも馴染まない」点である。それゆえに「臭味消し」として機能しているのだが、裏返した言い方をすれば、どんなに調理をしても、味付けをしても、ナツメグはナツメグ味なワケである。ひとつそれだけがどの味にも属さない。

 思うにナツメグが必要とされていたのは、今より食糧事情が悪かった時代のことだろう。ナツメグを使わなくては食べられぬような悪い肉をコノ店が使っているとは全く思えない。ナツメグが弱まれば、他の材料の味の細やかな部分がもっと表に出てくるだろうし、ゴマ味噌ももっと豊かに香る筈だ。

 もう一つリクエストするなら、それは積み方。見せ方だ。折角なすを使っているのに一番上がオニオン、次がベーコンではその存在が視覚的によく判らない。是が非でもなすを一番上にすべき。

 皮の紫も見せたい。○○は××産で……と説明せずとも見ればソレとわかる明瞭さ。明快さ。そうした工夫が「明確な違い」を生み出すのだ。今の醍醐バーガーは見せ(魅せ)下手だと思う。

§ §

 お祭り的なにぎやかさを持ったバーガー。前回も書いたようにコレがすなわち「終点」ではなく、むしろココから始まる、すなわち「出発点」という位置付けに考えていると店長橘さん。

 洒落でなく醍醐とは「第五の味が最高」という意味なので、さらに上を目指すなら「第六バーガー」であり「第七バーガー」となる(笑)。数が進むにつれ100円ずつ値段が上がって豪華になっていっても面白い。第五の道も一歩から――ぜひ続けて行って欲しい。




【スタンプラリー#25】 French Dog [京都・醍醐] のカラミティ・ジェーン・バーガー
# 284 French Dog [京都・醍醐]


― shop data ―
所在地: 京都府京都市伏見区醍醐大構町14-1
     市営地下鉄東西線 醍醐駅歩3分 地図
TEL: 075-573-0990
URL: http://ameblo.jp/hamburger-frenchdog/
オープン: 2009年2月28日
* 営業時間 *
月〜土: 11:00〜21:00
日・祝: 11:00〜19:00
定休日: 火曜日(要確認)

2012.4.30 Y.M
posted by ハンバーガーストリート at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 【二ッ目!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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