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2011年3月11日金曜日に発生した東北地方太平洋沖地震におきまして被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。
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「ベスト・ジェーン・バーガー」投票結果を踏まえての検証と反省――3回も続いております。投票結果は以下の通り。
「ベスト・ジェーン・バーガー」総合トップ10
「ベスト・ジェーン・バーガー」首都圏トップ10
「ベスト・ジェーン・バーガー」近畿トップ5
今度は近畿に目を向けます。
●近畿圏の10店
前にも書きましたような理由から、10店が非常に広範に及んでしまいました。本当は梅田や茶屋町の辺りに1店、手ごろなお店があれば舞台観劇前後にちょうどよかったのですが、現実にはそうもゆきませず、大阪市内は心斎橋のCRITTERS BURGER(クリッターズバーガー)さん1店を数えるのみという結果に。
→ 参加全30店◆「カラミティ・ジェーン・バーガー」
「カラミティ・ジェーン・バーガー」とは?
音楽劇 『カラミティ・ジェーン』 公式Twitter
音楽劇 『カラミティ・ジェーン』 | 梅田芸術劇場
大阪府内を見てゆくと、豊中のNICK&RENEE(ニックアンドレネイ)さんは、どっぷりと住宅地に入り込んた地域密着型立地。高槻T's★Diner(ティーズスターダイナー)さんも駅前徒歩2分という好立地ですが、「ベッドタウン」という意味では同じく「ご近所の」お店です。
兵庫の2店も住宅地の中の店。京都・醍醐のFrench Dog(フレンチドッグ)さんも地域密着、ご近所さん的ノリの店でしょうか。長岡京のHOT CHOP(ホットチョップ)さんはむしろ幹線道沿いの店という感じがします。
なお、宝塚周辺にも店を探したのですが、見つけることが出来ませんでした。どこか近くにそういった「潜在的な宝塚のファン層」を受け持っていただけるお店は無いかと探した結果、お願いをしたのが苦楽園口のHAMBURGER&GRILL Flowers(フラワーズ)さんです。
●西のハンバーガーがとるべき戦略
「回りづらかった」というご意見、全くもってその通りです。最寄駅が無人駅……ハイ、確かにそんな店もありました。路線バスが1時間に1本……そんな店もあります。ですが、それでも是非とも足を向けていただきたい店であったからこそ、10店に選んだ次第です。
回りづらいこと・行きにくいことは百も承知しておりました。それでも近畿で10店を選ぶとき、どうしても外すことが出来なかった、いえむしろ、その店を抜きにしては近畿のハンバーガーを語ることが出来ない――そんな店であったからこそ、アクセスの悪さを承知で10店に選びました。
逆に言うと、そうした重要な店の多くが郊外に引っ込んでしまっているというのが近畿の現状です。そのうちの1店でも繁華街に、人が多く集まる主要なスポットに店を出していたなら、近畿のハンバーガーシーンはもっと違うものになっていたかも知れません。今は唯一心斎橋のCRITTERSさんが最前線で孤軍奮闘している状態。
さらに引っくり返して言うならば、近畿のハンバーガー各店は、繁華街や中心地から引き下がった立地条件はそのままに、どうやったら固定のハンバーガーファン層を拡大できるか、手を考えるべきだと思います。当たり前のことを言っているようですが、案外と難しいと思います。ご近所の人に知ってもらうことの難しさと、遠方から人を呼び込むことの難しさ――そうした二面の難しさを併せ持つ難題です。
●ケータイ・スマホでスタンプラリー
話題を変えまして、日本国内においてまだほとんど例が無いことでしょう――紙にハンコを押さず、ケータイやスマートフォンを使ってめぐる、「web」の中だけで完結するスタンプラリー。
「ripora(リポラ)」様(maqs株式会社)のご協力を得て実現したものです。特別な費用はかけずに、「ripora」が有する既存のリポーターランキングサイトの仕組みを応用するかたちで臨みました。なので半ば「試験的」なシステムであったと言ってよいと思います。
まず100%の参加者が生まれてこの方、「スタンプラリー」と言えば「台紙にスタンプを押す」イベントとして認識しているであろう中、果たしてどれだけの人に利用していただけるか、まるで手探りだったワケですが、結果として「7名」の方が「ripora」を使ってプレゼントに応募して下さっています――ありがとうございました。
"紙"の台紙には、紙面の都合上最低限の情報しか載せられませんでした。参加各店の所在地・電話番号・定休日までは判りますが、営業時間や、そもそも一体どんなCJバーガーなのか……といった情報は最近流行りの「詳しくはwebで」という、やや手荒い飛ばし方をした次第です。
ですのでスタンプ収集に使用せずとも「riporaの閲覧はした」という人は相当数いらっしゃるのではないかと思います(現在手元にアクセス数の集計資料など無し)。
地図も見られ、電話もかけられ、スタンプ10個を集めるとそのまま応募フォームに進める――便利という点では絶対便利だと思います。反面、「かたち」のあるものではありませんので、達成しても手元に記念のものが何も残らない点は、改善の必要があると思います。実体の無い・実感の湧かないスタンプラリーでは、名実ともに残るものがありません。ずっと持っていられる「参加の証」は何かしら必要でしょう。
●販促物の不足
もうひとつ心残りだったのが、イベントのために用意した販促物・POP(ピーオーピー)の類の不充実です。
本当は←ぐらい、店内をにぎやかに飾り付けられるぐらいの物が用意出来たらよかったのですが、さすがにギネスやキリンのような一大企業の力は無し。辛うじて用意した卓置きのテントも可愛らしいもので、アピールという点でどうだったか……(その代わり卓上の邪魔にはなりませんでしたが)。
スタンプラリーをやっているのか・いないのか、パッと見た限りでは判断がつかない店もあったと聞いています。参加する身になって考えれば、当然、ソレと判る目印があって欲しいもの。そしてお目当てのバーガーが気軽に注文できる雰囲気であって欲しいものです。客の側から訊かない限り出て来ないような状況は、さぞ不安であったろうと思います。ご心配をおかけしました。
単に宣伝やPRといった意味合いだけでなく、「イベントをやっているんだ」ということの証としての、ひとつの安心感であったり、充足感であったり――そうした面の充実を、次回は何としても補いたく思っております。それなりに費用も手間もかかることなんですけれども。
●偏りの無い投票は可能か
また「ベスト」投票の話に戻ります。
プレゼント応募時に10店達成者に対して「今回食べた中であなたのベストバーガーは?」という訊き方をして回答(投票)いただいていますので、「ベスト」に挙げた理由・ポイントは、人それぞれ微妙に少しずつ違うであろうことが想像されます。
「どのCJバーガーがおいしかったか?」と突き詰めた質問をしたワケではありません。ですので店内の雰囲気であったり、接客対応の印象であったり、個人的な好み・相性であったり、選んだ理由は一様では無い筈です。まぁですのでこの投票は「おいしかった」店の順位付けと言うより、大きな意味での総合的な評価、「ファン投票」と考えてよいと思います。
性別・年齢構成が変われば、結果もまた変わるものと私は思っています。「真のハンバーガーファンの意見を反映していないのではないか」との意見があるやも知れません。そうだとして、しかしどんな投票やグランプリをやったところで、偏りというのはどうしたって出て来るものです。
全年代・世代を隈なくカバーし、等しく反映させるというのは、イベントや行事ではなく最早「調査」でしょう。厳密にやろうとするほど、イベントとしての面白味は薄れることになると思います。
ですから、「今回はたまたまこういう年齢・性別の人が集まりました。その結果、こんな感想が聞かれ、こんな傾向が明らかになりました」――ということでよいのではないかと思います。また次回、別なイベントを企画すれば、別な声が聞かれ、別な意見が集まることでしょう。それ以上の絶対的な意味も無ければ、さりとてそれ以下の無意味もありません。
●得票「ゼロ」の店はゼロ
結果的に1位以下順位こそ付きはしたものの、見方を変えれば、票の入り方にさほど極端な開きは無かったとも言えます。つまりこの投票結果から「どの店も満足できる店ばかりだった」と結論付けられるのでないかと、私は思っています。
実際、30店すべての店に票が入っています。誰も投票しなかった・支持しなかった店というのはありません。
その結果を私自身驚きもし、感心もしました。「蓼食う虫も好き好き」と言いますが、65人という母数の中でも既にこれだけ意見が分かれ、「おいしい」と感じる店がそれぞれ違うワケです。母数のすべてを「総取り」する必要は無い。そして誰かは必ず「おいしい」「気に入った」「いいね!」と言ってくれる――そこに飲食店のやり様があるようにも感じます。
まんべんなく票が入った=票が割れたことについて、意地悪く「コレと言う店が無かったからだ」なんて解釈も立つのかも知れませんが、投票した方からは「どの店舗のバーガーもそれぞれ創意工夫されており、美味しかったです。ベスト3に絞るのは正直辛かったです」(東京都/60歳女性)、「どのお店も工夫を凝らしてらしてベストを選ぶのは非常に難しかったです」(埼玉県/57歳女性)とご意見いただいています。消極的な理由から、「消去法」であとの7店を消していったのではなく、あくまで積極的な理由から3店を選んで下さっているようですので、少なくとも来店された10店に関しては、どこもご満足いただけたことは確かだと思います。
●「トップ3」を的中させた人は?
達成者の持ち票は1人「3票」です。「ベスト」と思う店を3店選び――正確にはそれでは「ベスト」とは言わないのですが(笑)――投票することが出来ます。1人3店。
さ、そんな中、総合順位の「トップ3」を全店みごと的中させた人は……いません(笑)。いませんでした。今回の投票の傾向をそっくり具現化したような、全65名の嗜好をみごと平均化させたような人物は、実在しませんでした。
3店中2店を挙げた人なら8人。首都圏のトップ5中3店を挙げた人ならば3人。
近畿はトップ3をピタリ当てた方が「2人」いらっしゃいます。大阪の41歳の女性と、同じく大阪の30歳男性です。だからと言って特に差し上げるモノはありません(笑)。この場を借りて「おめでとう!」だけお伝えしておきましょう(笑)。
一方でお店の方です。みごと「ベスト・ジェーン・バーガー」に輝いた中目黒Sun2Diner(サンツーダイナー)さんに何かしなくてよいのか……。先日梅芸の担当者と話し合いまして、ちょっと間が空いてしまうかも知れませんが、「何かしよう」ということで話がまとまっています。来月4月になるかも知れません。あらためてご報告いたします。
後はプレゼント――これは発送作業終了後にご紹介することにいたしましょう。
●今後の予定
今後ですが、スタンプラリー参加店のうち、当サイト(ブログ)でまだ正式にご紹介したことが無い店が実は「13店」もあります。これらについては時間をかけてじっくりとご紹介して参ります。たぶん2ヶ月以上かかるのではないかと思います。引き続きどうぞお付き合いを――。
【当サイトで今後記事をアップ予定の13店】
The Pantry 丸の内店 [有楽町]
GIGGLE [祖師ヶ谷大蔵]
Locofee [大森町]
FATZ'S [高円寺]
BUTCHER'S TABLE [大泉学園]
BUKOWSKI [埼玉・武蔵藤沢]
CRITTERS BURGER [大阪・心斎橋]
NICK&RENEE [大阪・桃山台]
T's★Diner [大阪・高槻市]
GRAND BURGER [京都・出町柳]
French Dog [京都・醍醐]
SAKURA BURGER [奈良・近鉄奈良]
HAMBURGER&GRILL Flowers [兵庫・苦楽園口]
●総評:「カラミティ・ジェーン・バーガー」の持つ意味
そんなところでしょうか。もう十分過ぎるくらい言葉を尽くして語って参りました。
もし今回のスタンプラリーが「どのメニューを食べてもOK」なルールだったなら、あるいはもっと参加者数が増えていたかも知れません。しかし「カラミティ・ジェーン・バーガー」というオリジナルメニューを30店が同時に考え、それをスタンプの対象としたという点にこそ、今回の企画の「プレミアムバーガー」的な面白さ・醍醐味があるのだと私は考えています。
こうした試みはもちろん1店のみで出来ることではありません。いくつか店が集まらないと実現しない。「ウチの店にもっと興味を持ってもらうには」「もっと多くのお客さんに知ってもらうには」「来てもらうには」と考える中で「限定販売のハンバーガーを売り出そう」というアイデアがひとつ生まれてくるワケですが、それをハンバーガーの業界全体に広げて考えたのが今回の試みであると思います。「プレミアムなハンバーガーにもっと興味を持ってもらうには」「もっと多くのお客さんに知ってもらうには」「来てもらうには」――。
それもただ足を運んでもらうというだけの目的でなく、ハンバーガー専門店の「腕」や在り方をこういう形で表現し発揮する、「アピールする」というところに大きな意味があったと思います。
「スタンプラリーやってます」だけなら所在地のアピール、そこに存在していることのアピールです。「今回のスタンプラリーではこんなハンバーガーを考えました」「こんな工夫をして作りました」なら、さらに踏み込んだ店そのものの色や特徴、コンセプトのアピール。そして「思い」や「熱意」のアピールにもなり得ます。
そこまで強い「思い」の発信であった、そしてそんな1店1店の「思い」が30店分積み重なった発信であった――今回のスタンプラリーを私はそう結論付けようと思います。その「思い」を真正面から受け止めて下さった皆さま、真摯に耳を傾け、舌で味わい、感じて下さった皆さまに、もう既に何度もしていますけれども、それでもなおもう一度、最後に厚く、熱ぅ〜く御礼申し上げたく思います。
舞台・演劇と同様、こうしたプレミアムなハンバーガーも、その世界に触れる手前に高く分厚い「壁」を持っている点でよく似ています。入り口に高い壁が立ちはだかっている。でも、一度その味を知り、良さを知りさえすれば、また観てみよう・食べてみようと思う――そんな世界であり、食べ物です。舞台同様、今後ともぜひ長〜いお付き合いになりますことを心よりお願い申し上げます。……胃腸はいたわって下さいね(笑)。本当にありがとうございました。
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■公演概要
作品名: 音楽劇 『カラミティ・ジェーン』
主催: 東京公演主催 梅田芸術劇場/ぴあ 協力 株式会社パルコ
大阪公演主催 梅田芸術劇場/ぴあ
日程: 2012年2月 4日(土)〜11日(土) ル・テアトル銀座
2012年2月17日(金)〜19日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
■スタンプラリー概要
開催期間: 2011年12月26(月)〜2012年2月19日(日)
参加店: 東京(首都圏) 20店
大阪(近畿圏) 10店
主催: ハンバーガーストリート
協力: 梅田芸術劇場・tokyo omo style・ripora
■「ベスト・ジェーン・バーガー」投票データ
投票者(10店達成者): 65名
平均年齢: 43.5歳(首都圏44.3歳・近畿41.6歳)
内訳: 男性 20名(30.8%)、平均年齢 39.7歳
女性 45名(69.2%)、平均年齢 45.2歳
世代別: 00〜19歳 1名
20〜29歳 5名
30〜39歳 20名
40〜49歳 20名
50〜59歳 10名
60歳〜 9名
→ 参加全30店◆「カラミティ・ジェーン・バーガー」
「カラミティ・ジェーン・バーガー」とは?
音楽劇 『カラミティ・ジェーン』 公式Twitter
音楽劇 『カラミティ・ジェーン』 | 梅田芸術劇場