2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震におきまして被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。
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昨日はベッカーズの「チキンサンド」でしたが、ならば他店のチキンはどうなんだ……という疑問から、ハンバーガーからちょっと外れてチキンを見てみましょうか。ちょっとだけ……。
昨夏発刊の晋遊舎『MONOQLO (モノクロ) 2011年8月号』で組まれた迷企画「ハンバーガーランキング100」――。「ハンバーガー」ランキングと謳っていながら、ケンタッキーフライドチキンの「ローストチキンサンド」が「第2位」に入るというまぁ支離滅裂な結果でもありましたが、日本人の認識なんてこんなモンってことなんでしょう。外国人から見て「そば」と「うどん」と「きしめん」の区別が付かないのと一緒です。
そんな次第で本日は「チキンの店のチキンサンド」――ご存知ケンタッキーフライドチキンのチキンフィレサンド単品¥380について、ちょっとだけ。第12位にランクされました。
そもそもケンタッキーフライドチキン(KFC)について詳しく掘り下げる必要があるのですが、今は簡単に。
日本1号店は1970年11月21日、名西(めいせい)店(愛知県名古屋市)。こちらのサイトにその顛末が載っています。それに先駆けて大阪万博に出店し、こちらは成功。すかいらーく1970年、マクドナルドは翌71年、ミスタードーナツも71年――日本の外食産業の起こりは1970年代であり、KFCもその一群のうちの一店であるということになります。
メニューのページにはロクな説明が無かったので、こちらのページから引いて来ました。
「チキンフィレ一枚肉を『オリジナルチキン』同様の調理法で同じ味に仕上げ、シャキシャキの新鮮レタス、特製マヨソースと一緒に、豊かな香りが特徴の全粒粉バンズではさんだ、KFCならではの本格チキンサンドです」というチキンフィレサンド。
「オリジナルチキン」というのは国内産のハーブ鶏のことです。「ハーブ鶏」というのは「餌に天然の4種類のハーブ(オレガノ、ジンジャー、ガーリック、シナモン)とビタミンEを加えて育て」られ、「鶏特有のくさみが抑えられ、鮮度を保持する効果」がある鶏とのこと。このハーブ鶏を「約280ヶ所のKFC登録飼育農場で大切に飼育していただいている」そうです――わかりました?
ただその「チキンフィレ一枚肉」というのが曖昧と言うか、よくわかりませんよね。胸肉(キール、keel)だとも言われてますが、でもKFCは言い切ってはいないワケで。ご参考に。
積み順はレタスが上。肉が下。甘い特製マヨソース主体。でも最後はビシッと肉の味で締める。正直ベッカーズなどよりはるかに肉厚かつ立体的。「生後約40日前後のやわらかい若鶏」を使用。「ぷりっ」とか「ジューシー」とか言う言葉は当てはまらないが(以上総合すると「胸」でしょうね)、パサ付く感じも含め「鶏」を楽しむことが出来る。
マヨ味に慣れた後半は「11種類のハーブ&スパイス」を混ぜたシーズニングの味が主体。衣はふんにゃり。ベッカーズのようなクリスプさは無し。サイドのポテトもそうだが、全体にモッサリ重めな食べ口。ある種ゴツゴツとした田舎くささがあるようにも感じる。
マヨソースと馴染む甘味を持つ全粒粉バンズは、何よりその見た目がサンドイッチにふさわしい。味の上で特別何かと言うことも無いが、変に「ふわふわ」「もちもち」させていない点はプラスにとらえて良いと思う。主役はチキン――その一点は最後まで揺らぐことがない。なるほど「チキンの店のチキンサンド」である。
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実は私、外ではあまり鶏は食べないように習慣づけられおりまして。いえ、信仰上の理由などではありません。育った環境というところでしょうかね。焼き鳥も好んでは食べないし、唐揚げなどは自らの意思で頼むことはまずありません。嫌いでは無いんですが。ですのでKFCも「食べたい!」と強く思うことは、私の場合、まず無いのであります。そういう点ではチキンを語るにはもう少しお勉強が必要かも知れません……(笑)。
晋遊舎 『MONOQLO (モノクロ) 2011年8月号』
出版社: 晋遊舎
価格: 680円(税込)
発売日: 2011年6月18日
2012.3.1 Y.M