2011年09月27日

# 270 Burgers Cafe I-FIVE [埼玉・与野本町]




 3月11日金曜日に発生した東北地方太平洋沖地震、ならびにその後も起き続ける余震におきまして被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。

§ §

 埼玉編、次なるお店は与野(よの)の店。

 埼京線与野本町駅から歩いて5、6分の場所に昨年6月12日にオープンした新店、Burgers Cafe I-FIVE(バーガーズカフェ アイファイブ)。前回の大宮Beach Storyに続き、「バーガーズカフェ」が頭に付く。しかも両店、奇しくも1ヶ月と隔てずの相次ぐオープン。


●与野市

 さて与野は現在は合併してさいたま市であるが、昔は与野市だった。大宮と浦和の間に挟まれたと言うか、地図を見るとほとんど飲み込まれたかのような小勢力で、そりゃ大宮浦和に「合併します」と言われて「ウチは加わりません」とは言えんわなぁ(笑)。それこそバチカンかモナコのようになってしまう。


JR与野本町駅



 面積8.29平方kmは全国的に見ても小さい方から数えて十傑にランクインする狭さ。なお与野を加えた場合、埼玉県がランクに4市入ることに注目。しかしそんな小市であっても、鉄道が通り、駅が設置されていた。ちなみにショーケンこと萩原健一は与野の出身である。


●長距離ドライバー

 与野本町の駅を降りると、降りるなりすぐに広がる住宅街――この辺が埼京線特有。少し歩いたところにコノ店。


 オーナー岡田さんは旧大宮市郊外の寿司屋のせがれ。寿司職人を5年きっちりこなしていたが、もうひとつ性には合っていなかったらしく、"握り"を寿司からハンドルに持ち替え、トラック運転手に転向。こちらは天職だったようで、ドライバー歴は15年。全国をブンブン走り回った。

 しかし方針一転、なるべく家を離れず、空けず、いつも家族と一緒に居られるようにしたいと、家庭優先の仕事にハンドルをさらに切り換え、「家に居てもできる仕事を」と住居付きの店舗を探した。そして去年の5月、ついに見つけたのがコノ場所。以前は家庭料理屋だったという。


●オレゴン

 5月に発見。すぐ着工。6月12日にはオープン。奥様が「スクラップブッキング」の講師をしておられ(生徒は実に100名以上!)、店ができるまでの様子を↓このような楽しい一冊にまとめている。以下その素敵なアルバムと並行しつつ……。

 「家に居ながら」でも出来ると言うと、要は軽飲食・喫茶のような店であるが、しかし昨今、ただ喫茶店というだけでは立ち行かない。そこで岡田さんが思い至ったのが「ハンバーガー」である。


 「Beach Story」でもよく似た話を聴いたが、それはつまり、「ハンバーガー」という食べ物が飲食業におけるキラーコンテンツとして、今や有望視されるまでになったということの、何よりわかりやすい証拠である――徐々にではあるが、世の中確かに変わってきているのだ。

 岡田さんにとってのハンバーガーとは、どんなものであるのか――。

 岡田さんの奥様はアメリカへの留学経験をお持ち。しかも留学先で仲良くなった友人と今も連絡を取り合い、それこそ25年、四半世紀にわたる付き合いを続けている。

 毎年のようにアメリカを訪ね、ご主人・岡田さんが同行しただけでも十数回。結婚式も向こうで――あちらの友人の一人が所有する湖畔の別荘にて挙げた。場所はオレゴン州……というワケでこちらの店もオレゴン好き。都内にもこんなお店がありましたが。

 アメリカへ行くたび現地の店を案内されたり、庭のバーベキューに誘われたり、ハンバーガーを食べる機会が多くあり、自然と本場アメリカのハンバーガーというものを知ることになった――という経緯があって、岡田さんが始めたコノ店は、ただのカフェではなくて「ハンバーガーカフェ」になった。

 住居付き店舗、つまり「半住居」ということで、間取りが変則的。店内みごとにコカコーラのロゴだらけ。真っ白な床天井に「赤」が鮮烈。先に触れたオレゴン州の地図やらライセンスプレートやら、「ヒント」がわかりやすく飾られている。


●定休日なし

 営業時間が半端なく長いが、それこそ同じ場所に住んでいるからこそ出来ること。奥に居るので御用のある方は呼んでね……といったおおらかな空気が好い。こういう店は特に郊外や住宅地に多い。佐世保の一部の店もこんな感じだ。例えるなら学校帰りに寄った駄菓子屋さんとか、そんな趣きがある。

 バーガー11品、サンド4品。フィッシュとチキンはバーガーでなく「サンド」に分類されている。さすが渡米経験の豊富な店だけあって、きちんと呼び分けがなされている。ドッグは8品。

 一番プレーンなハンバーガーが420円スタートだが、パティはビーフ100%の113g。すなわちクォーターパウンド。しかも豪州産肉をブロック肉から自家挽きしている。それで420円は相当頑張ってるとしか言い様が無い。すばらしい!

 この日の注文は名代(なだい)のI-FIVEバーガー¥720。まぁ全部乗せ的なバーガーである。


 パティは自家挽き113g。バンズはなんと! 都内では有名(広尾の「Homework's」などが愛用)、神奈川県に本社を置くADAMA(アダマ)さん。わざわざ送ってもらっている。

 鴻巣の「cafe easyland」も世田谷のパン屋に配送してもらっているが、埼玉県のハンバーガー事情は、店舗の数がまだ少ないことが主因だが、情報の面からもこうした業者の面からも、まだその環境が整っていないように見受けられる。店をやるのも今はまだ大変な状況だ。


●自家挽きパティ

 中身はチーズに、グリルドオニオン。エッグはターンオーバー、両面焼き。トマトとレタスの間にマヨネーズ。パティの上にケチャップ&マスタード。見た目にも至極家庭的、まさにホームメイドなやさしさや、あたたかさを感じる一品。


 ただ、折角ブロック肉から切り出して自家挽きしている苦心のパティなのに、無神経にもナツメグを強く利かせてしまっている点と、その「肉」の味わいを殺すかのように各種調味料がザンザン使われている点が、もったいないの一語である。

 いいですか、自家製パティなんてものすごい「武器」なんです。やってる店は少ないんですから。それを全面に活かさずしてどうしますか。だってその場で挽いてるワケでしょ? しかも冷凍でなくチルドですよ。おいしくないワケないじゃないですか! 肉の味さえ良ければ、クサミ消しが目的であるナツメグなど混ぜる理由も無し。その辺、家庭で作る「ハンバー」との混同が顕著に見られる。

 バンズは100g。「ぶよっ」とブーミーでやや量が多い。全体には佐世保的な、ごっちゃりと豪勢な感じが表現されているが、本場アメリカの味を知る人ならば、もっとシンプルでストレートな路線で勝負できる筈。既存の和製ハンバーガーや、家庭料理「ハンバー」に惑わされることなく、アメリカで見たもの・食べた味を信じて、その再現をぜひ試みて欲しい。むしろソレはコノ店の"強味"なのだから――。


●テーマは「道」

 持ち帰り前提の6席ほどの店内ながら、ボトルビール15種類の品揃え。お薦めのソフトドリンクはストロベリーレモネード¥400。

 店名「I-5」とはInterstate Highway 5、訳せば州間高速道路5号線。カナダ国境からメキシコ国境まで、北はワシントン州から南下して、オレゴン州、カリフォルニア州まで、米国西海岸沿いを縦断する高速道路の略称。去年、私もサンフランシスコからロサンゼルスまで走りました――天下の峰屋さんに運転させて(笑)。

 元トラック運転手だけに、道の名を聞くだけでどこか心うずくものがあるのだろう。国道17号線の一本西を併走する道沿い、ロードサイドに建つ、遠くアメリカの道の名が付いたハンバーガースタンド。

 ちなみに「つくば」にあるのは「Hi-5(ハイファイブ)」。日本語でも英語でも1字違い。




― shop data ―
所在地: 埼玉県さいたま市中央区下落合7-5-6
    JR埼京線 与野本町駅歩6分 地図
TEL: 080-3422-2133
URL: http://ifive.weebly.com/
オープン: 2010年6月12日
* 営業時間 *
平日: 11:00〜23:00(水曜〜15:00)
土曜: 10:00〜23:00
日曜: 10:00〜21:00
定休日: なし(要確認)

2011.9.27 Y.M
posted by ハンバーガーストリート at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 東国編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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