2011年09月01日

# 265 MARTINIBURGER [神楽坂]




 3月11日金曜日に発生した東北地方太平洋沖地震、ならびにその後も起き続ける余震におきまして被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。

§ §

 生涯ほとんどマンハッタン島から出たことがないというくらいの、生粋のニューヨーカーが東京で始めたハンバーガーショップ……それがMARTINIBURGER(マティーニバーガー)!

●ハンバーガーにマティーニ

 オーナー、エリオット・バーグマンさんはデザイナーである。自身の名を付したEliot Bergman社を設立し、アメリカと日本でグラフィックデザイン、イラストレーションの仕事を多数手がけてきた。

 「仕事がはかどったときにもっとも満足感がある」というバーグマンさん、ひと仕事終えた後はよく友人とバーへ行き、カウンターでハンバーガーを食べた。そんなバーグマンさんが覚えたおいしいハンバーガーの食べ方……それが「ハンバーガーにマティーニ」である。



 マティーニはジンベースのショートカクテル。現在アメリカで一番人気の酒だというウォッカで作れば、ウォッカマティーニ。007、ジェームズ・ボンドが愛飲することで知られる。

 コノ店でマティーニを頼むと、定番のオリーブでなく、レモンの皮を浮かべて出してくる――エクストラドライダブルマティーニ、レモンツイスト添え。カウンター奥の壁に涼しげに並ぶABSOLUT VODKAを使用。こんな涼しげなカクテルを傾けながらハンバーガーを楽しむとは、何と粋な食べ方だろう!江戸っ子同様、ニューヨーカーにも「粋」が存在する。


●コーナービストロ

 バーグマンさんが好きなハンバーガーショップは、NYはグリニッジ・ビレッジに1930年代から在る、かの有名な「CORNER BISTRO」(コーナービストロ)。小さな店である。キッチンも小さく、スタッフも少数。ハンバーガーは紙皿に乗って出て来るが、それでもNYで常にベスト10に入る人気店である。そんな店がNY中に無数にあるという。


 ニューヨーカーはグルメである。新店のオープン、あるいは閉店の情報、気になる店の評判など、GRUB STREETを使って常にチェックしている。

 ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコは移民の多い街なので、食べ物がおいしい。中華料理は中国人が作り、イタリアンはイタリア人が作る。最近はベトナム系移民が多く、ベトナム料理が流行っている。70年代には四川料理が流行した。

 日本の中華はおいしいが「和風」の中華である……というバーグマンさんのその言い方でゆくと、日本のハンバーガーも「和風」のハンバーガーということになる。バーグマンさん曰く、東京のハンバーガーはすごくおいしいが、中には「ハンバーガー味のサンドイッチ」もある。アメリカはもっとシンプル。ちなみに下北沢friscoは「おいしかった」。


●渡邊坂

 そんな生粋のニューヨーカー、バーグマンさんが日本に住むようになったのは2004年から。それまで20年近くにわたり日米を往復していたが、7年前、日本人の奥様に着いて一緒に東京へ。


 そして2年前にデザイナー業を引退、東京は神楽坂に"real New York-style"のバー/レストランをオープンさせた。

 この「バーレストラン」というコンセプトは、日本には無いとバーグマンさん。ダイニングバーとも違うという。

 自分の店を造るに辺り、自分のために自分で店舗デザインをした。場所は神楽坂を登り切って江戸川橋へと下る、「渡邊坂」の途中。「場所はとてもよくない」「変な場所にある」というバーグマンさんだが、「FIRE HOUSE」や「BROZERS'」といった、駅から離れていながら不動の人気を誇る店々を見るうちに、場所そのものが問題ではないと思うに至った。


 お酒が楽しめる、居心地の好いラウンジのような快適な空間、大人な雰囲気の店を目標としている。店内の椅子机はすべて特注。どれも外国人サイズの、ゆったり大きめな作りになっている。

 バーグマンさんの作品にも通ずるシンプルな内外装。カウンター下のクールな青い照明。壁に架かる水彩画はバーグマンさんのお父上の作品である。BGMは20年代から現在に至る、バーグマンさんの大好きなブルース、R&B。

 当初ハンバーガーは1品のみだった。現在は合わせて8品。その最初の1品こそがTHE MARTINIBURGER¥1,000。5種類のソースとサイドディッシュ(¥300)から1つずつ選び、さらに好みのトッピングができるメニューだが、どうも日本人には「好きに選べる」システムはウケが悪く、そこでトッピングの内容を最初から決めたNEW YORK BURGER COLLECTION¥1,200という6品を後からメニューに追加した。


●イングリッシュマフィン

 名代(world famous)のマティーニバーガー。200gパティのビッグサイズ。肉は豪州産。グリラーはガスの直火。日本でいうハンバー「」のように、そしてアチラのレシピ本などでよく見る写真のように、ふっくらコロンと厚味を持たせ、その分直径は抑え目。一見すると小ぶりに映る。


 焼き方はミディアムレア。中に肉汁を豊かに含んでいるが、あくまで赤身主体で、「そぼろ」のようにパラパラとほぐれる感じがあり、食べ進むうち何とも言えない赤身のイイ〜味に行き当たる――日本では味わえない肉感である。われわれ日本人の口には野菜を挟んだ方が食べやすいだろう。

 分厚いパティを挟み込むのはバンズでなく、イングリッシュマフィン。これもバーグマンさん行き着けのNYのバーからの影響であるという。

 指先で叩くとカチカチと鳴りそうなくらい硬く、ほとんどビスケットに近い感じだが、少しドライな赤身肉の食感とよく合っている。NEW YORK BURGER COLLECTIONの方は通常のバンズを使用。


 ソースはベアルネーズがダントツのイチ押し。バターとハーブ、ワインなどを煮詰めたソースだが、油分のみを効かせたバターの威力は絶大!味はさせずに機能のみ持たせるという、やはりアチラらしい考え方に基づいている。

 食後、さらにもうひとつ食べたくさせるバーガー。作り過ぎない、自然な味わいがそうさせている。今春吉祥寺にオープンした「gem's burger」同様、日本人の「和風」な理解と感覚では表現し得ない、「異国」のハンバーガーと出会える店である。


●Real New York-style

 なお、サイドディッシュに"マッシュ"や"ロースト"ポテトはあっても「フライド」は無し。この辺りが「グルメバーガー」としての束縛ない、自由な発想だろう。

 ドラフトはご存知、日本の木内酒造がライセンス生産するブルックリンラガー¥800――NYですので。但しバーグマンさん自身はビールは「やらない」とのこと。食後にはNYスタイルのチーズケーキ¥550が流儀だろうか。

§ §

 「私にとってはこれがいい」というものを思うとおりに提供している――とバーグマンさん。コックJason氏はバーグマンさんと同じく、奥さんが日本人のニューヨーカーである。

 10月で1周年を迎える。「最初の1年は特に経営に集中したい」と臨んだ結果、大きな問題もなく順調に送ることが出来た。「次の店つくりたい」「デリバリーしたい」とやりたいことは先々山積みだが、さすがはグルメなニューヨーカー、その前にまず「行くことが楽しみな店にしたい」と、食事を楽しむ姿勢を、そしてそのひとときを、何より大事にしている――そんな大人な店、大人なバーガー。



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― shop data ―
所在地: 東京都新宿区中里町31
      東京メトロ東西線 神楽坂駅歩3分 地図
TEL: 03-6280-8920
URL: http://www.martini-burger.com/
オープン: 2010年10月15日
* 営業時間 *
火〜土曜: 11:30〜14:00(LO), 18:00〜21:30(LO)
日曜日: 11:30〜14:00(LO)
定休日: 月曜日(要確認)

2011.9.1 Y.M
posted by ハンバーガーストリート at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 帝都編◆都西 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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