3月11日金曜日に発生した東北地方太平洋沖地震、ならびにその後も起き続ける余震におきまして被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。
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2011年、今年の4月16日、小田急線の東北沢駅前に、本場アメリカの味を知る、期待のハンバーガー店がオープン!
●東北沢
2004年9月に着工した小田急線東北沢〜世田谷代田間の複々線化・連続立体交差化工事は2013年度の完成予定。まだまだ工事の真っ最中。さらに数十年前からあったという道路拡張計画に伴い、駅の南口は穴空きの虫食い状態。町の体を成していない。
その道路拡張用地の向こうにぽつんとコノ店、TOM'S CAFE HAMBURGER ON THE BEACH(トムズカフェ・ハンバーガー・オン・ザ・ビーチ)――長い店名(笑)。
"ON THE BEACH"と聞くと、私はこの人のことを思い出すが、まさにこの人の歌のおかげで、"ON THE BEACH"はイイ感じにほろ苦い、オトナな響きに感じられて好印象――お安いリゾート感は皆無。
立ち退きの結果残った3分の1の土地を利用して建てた。オーナー稲葉さん(この人がTOMさんに非ず)は波乗り。米国カリフォルニア州、ロサンゼルス近郊のビーチ沿いの店をイメージした。ハンティントンビーチよりも、ハーモサビーチやベニスビーチ辺りの雰囲気という。
外壁の鎧張り。白い窓枠。上階への吹き抜け。白を基調としたスッキリ淡い色づかい。店と言うよりも、どこか海の近くの、誰かのお家にお邪魔したような感覚。飾り過ぎないところがむしろカフェらしくもある。階段途中の写真がステキ。
●米国留学
稲葉さんが単身アメリカへ渡ったのは19歳。1978年から3年間。日本人が海外へ活発に繰り出すようになったのは80年代中ごろなので、世の動きより一歩先んじての海外留学ということになる。
ユタ州ソルトレイクシティーに1年半、ロサンゼルスに半年、サンフランシスコに1年。
ソルトレイクシティーでは、有名な鉄板焼きチェーン"BENIHANA"でアルバイト、週6日。包丁握ってひたすら牛肉をおろす毎日。今にして思えばTOM'Sの基礎は、このBENIHANAで築かれたと言える。
日本でサーフィンを覚えた稲葉さんだが、本場LAの様子を目の当たりにして、ますます虜に。そしてサンフランシスコ――私も昨秋、峰屋さんとともに3日ばかり滞在して、大好きになった街である。
70年代、当時のサンフランシスコはベトナム戦争の傷跡をいまだ追い続け、「ヒッピー」と呼ばれる若者が路上にいまだ多く屯(たむろ)していた。このアメリカ留学の最終滞在地を稲葉さんはよほど気に入ったらしく、サンフランシスコという街そのものにのめり込み、そして某"偉大なる"ロックバンドの熱狂的なファンとなって帰国する。
その"某バンド"については書きだすとホントにキリがないので、また追々小出しに……ということにさせていただきたい。店内ちょっと見渡せば、そこら中ヒントだらけだが。
●デッドベアー
ところが帰国後の日本がどうにも窮屈で馴染めない――なにしろ「夢の世界」からのご帰還ですから(笑)。
それでも旅行業、スキューバダイビングのメーカーSASなど、海外へ行く機会の多い仕事に就いて、常に"感覚"を絶やさず過ごした。
そしてサンフランシスコ滞在時の経験を大いに活かして、雑貨などの輸入業を開始。中でも「デッドベアー」という縫いぐるみが大ヒット!このデッドベアーこそが"某バンド"、グレイトフル・デッド(以下「デッド」)のキャラクターグッズである。
中に豆の入った「ビーンベアー」の小型版。タグにはデッドがおこなったライヴの公演日と公演会場が書かれているメモリアルベアー。日本にも熱狂的コレクターが存在する。実は私は波乗りの話より、このデッドの話の方が数百倍興味がある(笑)。
●バンズは2種類
自由の国アメリカの味を知る稲葉さん。同じくサンフランシスコを熟知する下北沢「frisco」にはよく通った。friscoオーナー森崎さん同様、日本の「ハンバーガー」には違和感を持つ。「アメリカで食べたハンバーガーは、もっとシンプルでさっぱりしていた」と、よりアチラの味に近いハンバーガーの再現をめざしている。
帰国後、マクドナルドに2年、フレッシュネスで1年半バイトしていたことがある。他にイタリアンレストランなども経由。
ハンバーガーのレギュラーメニューはたったの3品。ハンバーガー¥850、チーズバーガー¥900、アボカドバーガー¥950。そして夏期限定ワカモレバーガー¥1,000。バンズはご存知峰屋。ハンバーガーとアボカドバーガーには「天然酵母バンズ」、チーズバーガーには「ライ麦バンズ」と、2種類の使い分けがなされている。
本日シンプルにハンバーガー¥850。バンズは青山一丁目「Doggy's Diner」のようなハード系。フランスパンのような生地の弾きがありつつ、表皮はハリサクと軽快な歯応え。
パティはオージー産150g。小さいながらもガスの直火のグリルで焼いている。当初は上下「開いて」出していたが、現在は最初から重ねて串で留めている。パティ表面に付いたグリルの焼き跡が隠れてしまうのが難点。「ゴリゴリ」「グリグリ」した粗挽きではないが、ハンバーガーを食べている間、終始「ザラッ」とした感触が舌に当たって存在感は十分。もう少し塩コショウを利かせれば、さらに肉そのものの味が立つだろう。
塩に力を入れている。ハーブなどを加えたオリジナルブレンド。フレンチフライにもタイムやオレガノなどが振られているが、稲葉さん曰く「カリフォルニアっぽい」と。
クラウン(上バンズ)の裏にシーザードレッシング、ヒール(下バンズ)の上にハニーマスタード。現在、これらの味が若干勝(まさ)って、甘めな味にまとまっているが、先ほども書いたように肉の味をさらに立てることは可能だと思うので、ぜひとも本場に近いそんな方向で。レッドオニオンの辛味もポイントになる。
●バーガーを極めたい
ケチャップ&マスタードは基本的には出さない、出したくない派である。
アメリカにおいて、ホットドッグにケチャップ&マスタードは決まり事であるが、ハンバーガーに使うか否かは食べる人の自由である。その辺、日本では「ホットドックとハンバーガーが一緒くた」になっているのではないか――という御説。もっと言えば日本では「『ハンバーグステーキ』と『サンドイッチ』と『ハンバーガー』が一緒くたになっている」と稲葉さんは指摘する――私も同意。
ハンバーガー以外のフードメニューは無し。ドッグもサンドもピザも無し。「ウチはハンバーガー屋なんだと」だから「バーガーを極めたい」と夢の国からの帰還者、稲葉氏。将来的には夜も営業の予定。
店内には看板犬が3匹。全席犬連れOKのドッグカフェでもある。と言うか犬連れ大歓迎!お待ちしておりますっ!な意気込み。
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そう、それで店名になっている「TOM」さんだが、オーナー稲葉さんの"おばあさん"のお名前である。漢字で「十六」と書いて、読みは「とむ」。なのでオープン日16日――。
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― shop data ―
所在地: 東京都渋谷区上原3-31-17
小田急電鉄 東北沢駅歩1分 地図
TEL: 03-3460-7789
オープン: 2011年4月16日
* 営業時間 *
平日: 10:0011:00〜17:00(LO16:30)
※8月31日までサマータイム営業、11:00〜
土日祝: 11:00〜17:00
定休日: 月曜日(要確認)