2011年07月20日

【二ッ目!】 マクドナルドのハンバーガー(再々食)――2011年7月20日、本日マクドナルド日本上陸40周年



マクドナルド日本1号店跡

 3月11日金曜日に発生した東北地方太平洋沖地震におきまして被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。

§ §

 1971年7月20日、ちょうど40年前――ここ東京銀座の三越1階にマクドナルドの日本第1号店がオープンしました。

 日本のハンバーガーの歴史にとって大きな大きな出来事です。なにせそれまで、ハンバーガーが佐世保に伝わろうが、横須賀に伝わろうが、当時の「ステイタス」とも呼べるハンバーガーショップが六本木に存在しようが、結局のところ、北は北海道から南は沖縄まで、日本国中の人々がハンバーガーを食べるようになったのは、マクドナルドが出来て以降のことなのですから。

 私が考えるに、この1971年こそ日本のハンバーガー"元年"です。終戦後から続く、それ以前の動向については、黎明期と言うより「前史」と呼ぶ方がふさわしいように思います。

 今年で40年――しかし当のマクドナルドはご覧の通りびっくりするくらい、何ごとも無かったかのような素知らぬ顔です。どうなってんだか……。そもそも7月20日を「ハンバーガーの日」と決めたのマクドナルドじゃ無かったんですか? (1996年制定)



 ひょっとするとこの歴史的記念日を祝っているのは、日本国中で私一人かも知れませんが、もう別に構いません――。


 今この日本国において、これだけハンバーガーが普及し、広まり、発展して、自販機やサービスエリアのハンバーガーから、さまざまに手を掛け趣向を凝らした1個千円もするようなプレミアムなバーガーまで、あらゆるハンバーガーがあらゆる状況において食べられるようになったのも、良くも悪くもこのマクドナルドが上陸し、しかも途中で挫折したり撤退したりなどすることなく、しっかりと根を張り、拡大していったことに大きく因るものと私は信じます。上陸から40年後の今日、その功績を心から讃えたく思います――。


 ただ「上陸しました」というだけでなく、その後一度として撤退することなく、しっかりと着実にその経営規模を拡げていった――というところが何より重要です。

 それについては『創刊準備号』において広島「ゴッドバーガー」の神川社長が、そして『すべては一杯のコーヒーから』の中において、タリーズコーヒージャパンの創業者・松田公太氏(現参議院議員)が述べている通り、海外から店を持ってきて、それを定着させることが如何に難しいか――という話に尽きます。現に「バーガーキング」だって、そしてあんなにおいしい「ウェンディーズ」だって、少なくとも一度は撤退しているワケですから。"Carl's Jr."なんて米国の有名チェーンだって日本に在った時期がありました。しかしそれも今は昔――。


 銀座で歩行者天国が初めて実施されたのは1970年の8月2日。美濃部亮吉都知事の頃です(こちらをご参照)。なのでまぁ、多分に「70年代」の産物なのですね。ホコ天も。ハンバーガーも。

 参照のページに実施当時の写真が載ってますが、あれから41年――2011年7月の銀座ホコ天は、空いていて実に快適でした。当時のあの熱狂も今は昔――。


 今度はこちらをご覧下さい。最近の報道でマック40周年を取り扱ったのは、この日経新聞の記事ぐらいでした。ココに当時の1号店の写真が載っています。

 よく見て下さい。写真右手に地下鉄の出口が写っています。この位置は今も変わりません。ただし鉄道事業者の名称は帝都高速度交通営団から東京地下鉄株式会社(東京メトロ)に変わりましたけれど。その地下鉄出口の左に位置する柱3本の間がマクドナルド1号店でした。現在の様子は←こちら。

 たった1日で店の工事を完成させたエピソードはこちら、創業者・藤田田(ふじたでん)氏の名言「水が高いところから低いところに流れるように……」はこちらをお読み下さい。


 当時の1号店は既に在りません。この回で触れたように、現在最も1号店跡に近い店舗はウインズ横の銀座アイタワー店。そこでハンバーガー買い込んで、せっせとホコ天まで移動しましたですよ。

 マックと言えばポテト! 『ハンバーガーの歴史』でも触れましたが、正味な話、当時マクドナルドに初めて出会った人々の正直な感想は、ハンバーガー以上に「ポテト」なんですね。ゴッドバーガー・神川社長に言わせれば「あのシェイクが」ですよ。あと「あのパッケージが」ですね。集めてゆくと、ハンバーガー以外のものに興味を覚え、衝撃を受けた声の方が多いように感じます。


 ←神川社長衝撃のシェイクですね。って全然写ってませんが(笑)。

 で、日本のマクドナルドの歴史はここから始まった、最もプレーンなハンバーガーは当時¥80。今は¥100。

 やはりあの「ピクルス」の異質な味が忘れられません。私もこどもの頃、しばらくは食べ慣れませんでしたから。アノ味はやはり日本の食事には無いんですよ。やはりアレは変ですよ。HERSHEY'Sのチョコレートのように、あるいは小さい頃好物だったMilky Wayのように、同じく小さい頃、英会話教室のパーティーで飲んだフルーツポンチのように、完全に日本の味じゃ無いんですよ。100%異国の味なんです。あの甘〜いピクルスの味も一緒。

 「キュウリが入ってる?!」と驚いた人の話を『ハンバーガーの歴史』に載せましたが、そう、サンドイッチにキュウリはまぁ普通ですけど、焼いた牛肉の上にキュウリというのは、ソレを初めて食べる人にとっては、相当な違和感なワケです。と言うか変なのですよ。変。

 このピクルス、このダイスオニオン、この薄いパティ。そしてこのパサつくバンズ。どこをどう切ってもマクドナルド。これ以上でも以下でもなくマクドナルド。この舶来の味が銀座の一等地にやって来て、当時はものめずらしくて、オシャレで、贅沢で、憧れの的で、ごちそうで……。私が小学生だった頃は、ビッグマックを食べたら、翌日学校で自慢できました。当時はマックもファミレスもキラキラ輝いてました。


 それから40年。モノの発達と普及とともに、マクドナルドもファミレスも、すっかり日常「ありきたり」な存在になりました。生活様式や文化・技術の発展というのはそういうものです。自動車だってテレビだって、最初は高嶺の花の高級品でした。

 街もきれいになりました。道行く人の着こなしも洗練されました。そして今では日本人独自の技術と感性を凝らした、プレミアムなハンバーガー専門店が東京中に溢れています。一部のハンバーガーはあらためて「ごちそう」の地位を取り戻しました。テーブルに着いて、皿の上に乗ったハンバーガーを食べるようになりました。世の中大きく変わりました。

§ §

 しかし40年経とうが、マクドナルドがマクドナルドで在り続けているというのは驚嘆に値します。そう、案外変わっていないんですよ、マクドナルド自身は。むしろ変わっているのは取り巻く周りの方だったり。時流を読んで巧みに変わり続けているようでいて、実は頑なに変わっていない部分もある――そうでないと、ひとつの「マクドナルド」という存在として一貫性が保てませんから。

 40年前のマクドナルドのハンバーガー¥80、あらためて食べてみたいですね。果たして本当に変わってないんだか、何かしら変わってるんだか。こどもの頃、親に手を引かれて、初めてマクドナルドに連れて行ってもらったときのことを思い出しつつ……。

 この40年は、私にとって40年であり、私の親にとっても同じく40年です。同世代にとっても同じように40年。つまり日本にとっての40年。そしてもちろんハンバーガーにとっても40年。あなたにとっての40年――長かったですか? それとも短かったですか?


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2011.7.20 Y.M
posted by ハンバーガーストリート at 06:21 | TrackBack(0) | 【二ッ目!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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