3月11日金曜日に発生した東北地方太平洋沖地震におきまして被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。
§ §
近く、九州は福岡・天神に再開予定の下北沢frisco(フリスコ)森崎オーナーへの、九州出発直前インタビューです。
あまり壮大になり過ぎて、いつまで経っても発表できなくなってしまうのもナンなので、聞き書きしたことを以下ダダーッと羅列してゆきます。画像は、昨年まで下北沢に在ったfriscoの様子に加え、昨秋私が訪ねた米国カリフォルニア、特にサンフランシスコやベイエリアの様子などを中心に、適宜"イメージ写真"的に挿入してゆきます。
§ §
森崎さんが渡米したのは1968年。オーティス・レディングの『ドック・オブ・ベイ』が流行った年である。
まさに同曲で歌われる街・サンフランシスコへ降り立ち、日本への帰国の時期を挟みながら、サンフランシスコ湾沿岸につながる、いわゆる"ベイエリア"に住み続けること36年。昨秋私が旅したナパもご近所。釣り好きで、そのナパの玄関口であるバレーホ辺りから船を出して、スズキやチョウザメ、鮭などを釣った。
36年の間にさまざまな事件を経験。渡米当時の森崎さんは大学生。留学生。ベイエリアの大学に通うが、それこそこの辺り(バークレー)が学生運動のまさに発祥の地。学内には警官が常駐していた。ちなみに黒人解放運動ブラックパンサーの本拠地はバークレーの隣、オークランド。ヒッピー文化の中心はサンフランシスコ。
ゾディアック事件の時期もベイエリア在住。1989年10月17日のサンフランシスコ地震(ロマ・プリータ地震)のときもベイエリア。
この年のMLBワールドシリーズはオークランド・アスレチックス対サンフランシスコ・ジャイアンツ――サンフランシスコベイを挟んだ対岸同士の「ベイブリッジ・シリーズ」。
ジャイアンツの本拠地、サンフランシスコのキャンドルスティック・パークでおこなわれる第3戦をテレビ観戦しようと、リビングに家族が集まりテレビを点けた数分後に(国歌を歌い終えた後ぐらい)、階下で爆発が起きたかのような強い揺れに襲われた。1992年のロス暴動の折は、その前日までロスにいた。
サンフランシスコのジャパンタウンで毎年開催されるさくら祭り(Cherry Blossom Festival)の第2回目に参加した。米を食べたのは渡米後何年も経ってから。
さてそれでハンバーガー。
渡米後、森崎さんの面倒を諸事みてくれていた人から「アメリカ来たならハンバーガー食べなきゃ」と連れて行かれた。その人に言わせると、アメリカ人がハンバーガーを食べるのは、日本人が"ヌードル"を日常的に食べる感覚と一緒だそうである。
大学近くに「ハンバーガーならココへ行け」という、地元の人なら知らぬ者無しの有名店が在る。メニューはハンバーガーとチーズバーガーだけ。1度に何個も焼ける巨大なトースターで内側だけを焼いたバンズの上に、炭火で焼いたパティを乗せて、迫力ある黒人のおばちゃんが無愛想に差し出す。
その他野菜や調味料は、コンディメントバーのような場所で自分の好きな分だけ、好きなように挟む。調味料はケチャップ、マスタード、マヨネーズ。ピクルスは有料。例のおばちゃんが瓶から取り出す。
そことは別に森崎さんお気に入りの店があった。長年続く掘っ立て小屋のような店で、オーナーは変われども、以前より働くメキシコ人の老夫婦はそのまま雇われ続けたため、味が変わることはなかった。森崎さんは「ハンバーガーを食べるならそこ」と決めていた。
やはり炭を使って焼いていた。60年代後半〜70年代当時は、ハンバーガーと言えば炭。炭火の店はまだ多かった。
森崎さん曰く、アメリカ人・欧米人は肉の危険性をよく知っている。特に肉にデリケートなのはイギリス。そもそも肉を信用していない。なのですべて"well done"。レア、ミディアムなど、焼き方が言えるのはアメリカぐらい。
その危険を避ける手段として必然的に到達したのが、鉄板ではなく直火による焼き方である(もちろん火の上で直接肉を炙る歴史の方がはるかに長いワケだが)。
直火で焼くことで肉の安全性が確保される。ステーキは表面をカチカチに、中をピンクに焼き上げる。昨今報道のとおり、菌は肉の外側に付着する。表面さえしっかり火に当てれば菌は死滅する。実に理に適っている。タマネギには毒消しの意味がある(※ニンニクも同様か)。
ちなみにタマネギ――私には「レッドオニオン=アメリカらしい」という印象があるが、森崎さんによると、渡米当時レッドオニオンを使っているバーガー店はなかった。後から出てきた。
アメリカでもレッドオニオンには「高級」なイメージがあるようで、例えばサラダバーのサラダであるとか、いわゆる「gourmet burger」に挟まれるオニオンがレッドオニオンであったりする。なのでその「gourmet burger」(森崎さんによると「ゴーメー」に近い発音)が出現するまで、巷のバーガー店ではもっぱら黄タマネギが使われていた――というのが森崎さんの印象。
そしてその「gourmet burger」も、森崎さんが大学来、長らくアチラで暮らすうち、ある日突然現れたような印象があるという。それまでは無かった。
§ §
長くなったので、続きものにしましょうか――。 (つづく)
→ 福岡でショップを再開/(下北沢のfriscoバーガー)福岡へ移転
(公式ブログ)
→ # frisco [下北沢] のハンバーガー
# 231 frisco [下北沢]
― shop data ― (旧情報)
所在地: 東京都世田谷区北沢2-34-11
小田急・京王 下北沢駅歩5分 地図
TEL: 03-3468-5744
オープン: 2005年8月9日
営業時間: 11:30〜21:00(パティ無くなり次第終了)
定休日: 火曜日(要確認)