3月11日金曜日に発生した東北地方太平洋沖地震、ならびにその後も起き続ける余震におきまして被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。
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さらにつづきです。4月17日日曜日、つくば市&取手市へ行って参りました。茨城県南部のハンバーガーショップをめぐる日帰り旅行だったのですが、地元在住Xeno(ゼノ)氏の計らいで、紫峰筑波山を目指すことに――。
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テクノパーク桜に位置するHi-5 BURGERS(ハイファイブ・バーガーズ)でふたバーガーやって(コレとコレ)、来客ひっきりなしの店を出たのが12時半前。とにかく広い筑波研究学園都市を抜けまして、Xeno氏の車が向かった先は筑波山でした。
こんな時期ですので、放射能のことも少し……。
なにしろ「研究学園都市」ですので、つくばには研究施設が多数在ります。そのひとつ、独立行政法人産業技術総合研究所で測定した、この日4月17日12時の放射線測定結果は0.12μSv/h……って何のこっちゃだと思いますので、以下必要な知識だけ簡潔に。
「Bq(ベクレル)」「Gy(グレイ)」「Sv(シーベルト)」などよく耳にする単位ですが、簡単に言えばグレイ(Gy)は「放射線から受けるエネルギーの量」、シーベルト(Sv)はその結果「放射線が人体に与える影響」を示す値です。と言うのも、同じ量(吸収線量=グレイ)の放射線でも、X線なのかα線なのかβ線なのか、当たった放射線の種類によって人体への影響の程度が違ってくるのですね。その影響の度合を表すのがシーベルト(線量当量)です。
「どれだけ影響があるか(Sv)」は放射線の種類によって違います。では何Gyが何Svなのか。2つの単位は
線量当量(Sv)=吸収線量(Gy)×線質係数
という関係で表されます。つまりグレイに「係数」をかけるとシーベルトになるんです。測定されている放射線はγ(ガンマ)線です。γ線の係数は「1」。なので「1シーベルト=1グレイ」という計算になります。これでどっちの単位で言われても対応できますね。
それで4月17日12時、つくば市東1-1、産業技術総合研究所つくば中央第一事業所では1時間あたり0.12μSv(マイクロシーベルト)の放射線量が測定されました。1時間あたり(毎時)なので「0.12μSv/h」です。「μ(マイクロ)」は100万分の1。1マイクロシーベルトは100万分の1シーベルトということになります。3月15日以降の全データや測定条件などがここに公開されています。
同時刻、神奈川県の川崎市・浮島では0.083μSv/h、横須賀市・浦賀で0.072μSv/h。東京都新宿区百人町では0.0756μGy/h、すなわち0.0756μSv/hという値でした。つまり同時刻につくばに居たのと東京・神奈川に居たのとでは0.04〜0.05マイクロシーベルト、放射線の値が違ったというワケです。
一方、ふだん生活していて知らぬうちに自然と受けている放射線量は年間2,400マイクロシーベルト。これは世界の平均で、日本はこれよりも低い値です。内訳がありまして(こちらを参照)、
空気中のラドンから1,260μSv
大地から480μSv
宇宙から390μSv
食物から290μSv
これらと比べると、1時間あたり0.04〜0.05μSvの違いというのは実に微々たる量ということになります。なにせ小数点第二位の話ですので。逆に上記の「空気中のラドンから」受ける1年間の放射線量1,260μSvを1時間あたりで割り算すると、1,260μSv÷365d÷24h=0.1438μSvですので、つくばの0.12μSvの方が世界平均よりなお低いことになります。
放射線業務従事者の線量限度、つまり当たって良い放射線量の限度は1年間で50mSv(ミリシーベルト)。1mSvは1,000μSvですので、すなわち50,000μSvになります。つくばの0.12μSv/hも新宿の0.0756μSv/hも、いずれにせよ健康に影響を与える数値とは大きく隔たる値ですので、まぁ心配御無用。
さて筑波山。左の峰が男体山、右が女体山――。
山麓には桜がまだ白く咲き誇っておりました。
その山麓に付けられた道を空に向かってうねうねと登ってゆきますと……。
Hi-5を出発して40分弱、つつじヶ丘駐車場に到着。普通自動車は3時間まで400円。
どうやら先ほどまで珍走団が集結していたのが、パトカーが出動して解散させられた後のようです。どおりでミョウなバイクがやたらと降って来るなと思いましたよ。
ヤツらが居なくなったおかげで、付近はすっかり静かで居心地の好い昼下がり。
駐車場の一角にこんな魅惑のアミューズメントがありました。あの黄色い目のカエルは一体ナニ?
ええ、そうなのです。筑波と言えばガマの油売りなのですねぇ。例の「一枚の紙が二枚に切れる。二枚が四枚、四枚が八枚……」ってアレですよ。おみやげ売り場に口上のカセットテープまで売られておりました。
しかも――『ガマの油』なんて映画まである(笑)。知らなかった。しかも――役所広司第一回監督作品! ガマの油売り役は益岡徹。
ロープウェーで山頂まで登ることになりました。女体山駅までの往復1,170円。通常20分おきのダイヤですが、現在は30分間隔で運行されています。
震災の影響でしょう、行楽日和の日曜日にしては各施設も山頂も、人が少なく悠々としていて実に快適でした。
気になるのは地震です。この一週間(4月10〜16日)、沖合を含む茨城県を震源地とした震度4以上の地震は3回もありました。空いていて快適とは言え、ロープウェーに乗っているときに地震が起きたらイヤじゃないですか。
筑波山ロープウェーとケーブルカーを運営する筑波観光鉄道に地震の際の対応を確認したところ、「ケーブルカーは震度4以上で停止。落石・落木等ないか人間が歩いて目視確認後、運転再開。時間にして15〜30分」「ロープウェーは震度の強弱に関わらず、揺れたら停止。安全確認・試運転の後再開。運転中の搬器(箱、乗り物)は途中(空中)で停止」とのことでした。
なのでロープウェーは「いまこういう時期だから」ということでなく、揺れればすぐに停まります。まぁ停まるときはいつだって停まると。そして確認作業の間は宙ぶらりんということに……。「それはちょっと」と言う人は、筑波山神社の裏手から出ているケーブルカーをご利用下さい。
ロープウェーの仕組みについて、ココに実に丁寧に説明されています。
いよいよ出発。高低差298m、所要時間6分の空の旅。
山頂の女体山駅到着。ごらんの通り、展望台も空いてて快適。
駅からさらに徒歩5分、頂上を目指します。
コンクリートで固められた手すり付きの登山道を登ると、ほどなく祠(ほこら)。こちら筑波山神社の本殿です。その向こうが早くも頂上。
頂上、山頂です。大きな岩が何とな〜く寄せ集まっているだけかのような岩場なのですが、それゆえ足場が限られていて、一歩間違えるとつるっと滑り落ちそうな、慣れない身にはそんな恐さがあります。
筑波嶺の 峰より落つる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる
いえ、願わくば峰より落ちたくないものです(笑)。また山頂が「静か」なんですよ。小声でもすごーくよく聞こえるんです。都会モンにはそんな新鮮な発見も。
見下ろせばこの通り。左手に見える赤い屋根がつつじヶ丘駅。右奥が霞ヶ浦。
振り向けば標高871mの男体山。頂上手前、少し低くなっている丸い建物の辺りがケーブルカーの筑波山頂駅。
北アルプス・南アルプスのような連峰・山脈のうちの「ひとつの峰」ではなくて、関東平野の端に屹立する山なので、麓の平地との差が際立って、独特の眺望です。
つつじヶ丘駅まで車で乗り付けてロープウェーで女体山駅、そして駅からわずか徒歩5分で山頂へ……標高877m、普段着姿で登れてしまう頂上ながら、でも登ってみると、いやぁ〜素晴らしい! 青春ですねぇ〜(笑)。
登山を始める中高年が増えている理由が何となくわかった気がします。『青い山脈』『風立ちぬ』『遙かなる山の呼び声』は違うのか……(笑)。「山」には古き良き時代の過ぎ去りし青春の日々が変わることなく今も残っているのだなぁ、と。
5年前に改築した女体山駅。真っ青な空にペールグリーンの塗装がさわやかでした。
なにしろ終始空いていて快適でした。もちろん連休中はもう少し混むでしょうが、それでも利用客は例年より少なめとのことです。まだ通行禁止の登山道が一部あり(こちらに情報あり)。
でもホント、車で中腹まで行って、ロープウェーの駅からちょちょっと歩くだけでこんな爽快な空気を満喫できるなんて、まさに「もってこい」の行楽スポットでしょう。そうそう、犬連れの登山(観光)客も結構いました。それにしてもハンバーガー食べに行って、まさか山に登るとは思わなかったなぁ(笑)。
ちなみに正直書きますけど、山の頂上で無性に食べたくなったのはハンバーガーではなく、日本人の遺伝子としてはやはり「おにぎり」でした(笑)。その辺抗い難いものがありますよね。
§ §
もちろん地震には十分注意する必要がありますが、遠出自粛のこの連休、日帰りドライブにはオススメです。推奨コースはHi-5行って、ちょっと筑波山登って、そして帰りに○○○○○○○寄って……。 (つづく)
→ # つくば編反省会@THE Jha BAR [神田]
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# つくばへ (予告編)
2011.4.23 Y.M