3月11日金曜日に発生した東北地方太平洋沖地震におきまして、亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。
12日が経ちました。これからは、首都圏にあるハンバーガー店/ダイナーの様子も少しずつお伝えしてゆこうと思います。他の地域にお住まいの皆さま、どうぞ参考になさって下さい。
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3月16日、恐々都内に出かけた目的がコノ店でした――銀座五丁目銀座ファイブの地下1階、Burger 5(バーガーファイブ)。
冒頭の写真↑、地震から5日目の銀座は数寄屋橋交差点の様子です。明らかに人がいません。正月かお盆休みのような静けさでした。あまりに人が歩いていないので、開けて2時間そこそこで、早々に閉めて帰ってしまったような店もあるそうです。
東京高速道路という無料高速道路の真下に銀座ファイブ。写真手前、バス停の辺りがかつての数寄屋橋ですね。
1階正面入り口に、照明器具の一部を消灯する旨の貼り紙がありました。計画停電が始まって3日目のこと。都心部は停電の対象地域ではありませんが、節電に積極的に協力をしています。
ただ、特段の暗さは感じませんでしたので、普段からこれぐらいの照明量で十分なのではないでしょうかね。どの辺を暗くしたのだか、正直よくわかりませんでした。
銀座ファイブ全館通じてお客さんの姿はまばら。11日の地震から16日まで6日間あったワケですが、バーガー5にあってもまともな営業時間で営業出来た日は一日としてなく、「今日は18時まで」「明日から21時まで」と、テナントビル側から出される指示に従っての営業が続いているそうです。建物自体の施錠の問題もありますので。
オーナー矢島さんが銀座ファイブの地下1階で店を始めたのは2002年。最初は「NOOK(ヌク)サンドイッチバー」という名前の店でした。2005年に「カフェコンセプト」と改称、現在の「バーガー5」になったのは2007年から。
「NOOK」の前は、新宿でマフィンショップをやっていました。今世紀に入ってプレミアムバーガーが興隆する前夜、1998年〜99年、ないしはそれ以前の都内のハンバーガー事情に通じていらっしゃいます。「歴史」を知る人物の一人。
さてチーズクラシック1/3LB(パウンド)¥1,200――。当初パティのサイズは1/4LBしかなかったのが、2年前に1/3LB(約151g)を作り、こちらをレギュラーと呼ぶようになったとのこと。
バンズは2種類。中から峰屋さんからずっと聞かされていたライ麦バンズを――このバンズの話をするとき、いつも峰屋さんはごきげんなのです。チーズは5種類からモントレージャック。
肉は豪州産。味付けは岩塩と黒コショウのみ。身の詰まったパティで、味わい控え目。峰屋自慢のバンズは歯でライ麦をプチプチと感じるほどの配合率。プレーンのバンズと比べると確かに深ーい味わいだが、ただイメージしていたほどにはライ麦×2でもなく、割りと常識的なつくり。矢島さん曰く、ハワイアンパイン1/4LB
¥1,250辺りとの相性が好いと。
タマネギはレリッシュとともに刻まれ、コレもおだやか。チーズもおとなしめ。つまり全体に薄味と言ってよい――"Simple is the best"。
だからこの店には日本的なソース系のバーガーが一切無い。マヨネーズも入らない。味付けもトッピングも実にシンプル。スタンダードなアメリカンのスタイルを目指している。強いて言えばバンズの存在が強めだが、それ以外、過度な味・余計な味というものが一切無い。
言い換えれば、この薄味は、主役が存分に暴れ回れるよう、共演者たちが気を遣って、その見せ場をお膳立てしてくれているような状態である。つまり極めてよく計算のされた、計算ずくの薄味ということ。
舞台は整った。あとはエースストライカーがゴールめがけて利き足を振り抜くのみ! あとはこれでもかっ! とばかり、パティがその主役ぶりを発揮するようになれば、一気に攻撃のカタチが出来上がる――そんなハンバーガーであるように思う。肉の力強さこそリアル・アメリカだろう。血湧き肉踊るようなパティをぜひ――。
なお峰屋さんは、地震後も普段と一切変わりなく営業を続けているとのことでした。
― shop data ―
所在地: 東京都中央区銀座5-1 GINZA5 B1F
東京メトロ 銀座駅歩1分 地図
TEL: 03-5568-3110
オープン: 2005年8月8日
* 営業時間 *
月〜土: 11:00〜22:45(22:00LO)
日祝: 11:00〜21:45(21:00LO)
定休日: 不定休(要確認)