12月中旬辺りから続く一連の記事……かなりはっきりとした意図を持って食べに行っているハンバーガーばかりです。つまり狙いうち。♪お前が打たなきゃ誰が打つ……ソレは野球の応援歌。元祖は明治大学。
今回も例外なく狙いうち。東京・千駄木、D坂の中ほど、虹台所 Rainbow Kitchen(レインボーキッチン)にて、立ち返るは常に初心――よりシンプルなものを選んでハンバーガー¥945。お供の生ビールはレーベンブロイ¥630。
どの辺が"狙いうち"の対象になっているのかと言うと、『THE BURGER MAP 首都圏版』でも少し書いた、「かつてアメリカ南部を放浪したことがある」という坂口オーナーの経歴ですね(笑)。「伝説的」とも呼ぶべきその経歴に託し、ぜひもう一度、坂口オーナーが作るハンバーガーを味わってみたくなった次第。
前回も書いたように、肉は基本は国産牛。サイズ110g。この日の質感は「ポロポロ」「ぱらぱら」として、ドライで硬め。「そぼろ」をイメージしていただけたら。
「こりこり」と歯応えがあって香りよく、しかもこの厚味! チーズやらベーコンやら上に何も乗せず、ゴーンと肉塊が座するそのサマは迫力あり。期待通り「肉」を感じさせる一品。塩はもちろん焼き塩。コショウは控え目。適切な塩加減で「肉らしさ」を引き立たせている。
バンズは角(つの)あり、打ち粉あり。飲む込む際に「ぐっ」と力が入る感じは「TRUST SALOON」の牛乳バンズに通ずるものあり。味や食感に特に目立ったところはないが、その喉越しに主張あり。
レタスたっぷり。少量使用のマヨネーズは酸味のしないヤツね。
§ §
他の店と比べれば決して派手でない、その穏やかな味付けは、素材が持つ本来の味を消さずに活かす、そんな食材の見極めの上に築かれるものである。
牛肉然り、バンズ然り、野菜然り、一日として同じ質ということのない食材の、その日その日の味と状態を見ながら、それにあわせてハンバーガーを作っているだけ――と坂口さん。なので「肉が中心に来て」とか「ウチの味はこう」とか「どこのスタイルを参考にして」とか、そういう決めごとは特に無いそう。「おいしいものを作ることしか考えない。ものを作る人って、みんなそうだと思いますけど」。
その結果、みごとに「肉」が立ったバーガー。堪能。
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# 072 RAINBOW KITCHEN [千駄木]
― shop data ―
所在地: 東京都文京区千駄木2-28-7 北川ビル1F
東京メトロ千代田線 千駄木駅歩2分 地図
TEL: 03-3822-5767
オープン: 2003年2月10日
* 営業時間 *
平日: 17:00〜23:00LO
土曜: 11:30〜23:00LO
日祝: 11:30〜20:00LO
定休日: 月曜日(月曜日が祝日の場合は翌火曜日休)