いよいよ――10月13日から20日まで、東京・新宿峰屋のご主人と旅したアメリカ・カリフォルニア、パン食文化を訪ねる旅。ついに行程7日日――ただいま10月19日火曜日です。
米国滞在中、いちばん最後に聴いた曲は↑収録の「ストランデッド」でした。というワケで本日トップの画像↑、エアプレイ1980年のアルバム、『ロマンティック』。
→ # アメリカへ
そんな次第で最終日の夜明け――ロスは最後まで気持ち良く晴れることはありませんでした。
前回の記事でも書きましたが、はるか向こうに霞むのが、いわゆるロサンゼルスの中心部です。現在地はビバリーヒルズの近く――ということで、大きな街であるということはご理解いただけたかと思います。
そして冒頭の写真の場所が前回記事の終わりで触れた、夜回り中に2度もカメラを落として(この旅通算3度目)ついに再起不能になった、その2度目の落下現場です。
誰とも出会わぬ深夜の散歩からホテルという"安全圏"まで戻ってきて、ほっとしたのでしょう。座ってひと休みした後、立ち上がった弾みに、膝の上に置いていたのを忘れて落としました。ちなみに手前と奥に2つある電気スタンドのようなモノは「ストーブ」です。
ですのでこれらの画像は「予備機」による撮影。その予備機も3年前、遠征先の岐阜で故障したことがあります。
←退場:RICOH Caplio GX100
→交代:RICOH Caplio GX8
なんと!駐車場代を$36.00もとられました。36ドル――おそらく安いモーテルなら1部屋+朝食付いてくる金額ですよ(笑)。
サンフランシスコで泊まったホテルはオモテにも裏手にも公営の駐車場があったので、レンタカーはソコに入れたのですが、このロスのセンチュリーシティは周りに何もない上、例のタイヤの空気圧異常のトラブルもあったので、ホテルの地下Pに甘んじた次第です。
あとは朝食を食べ、空港へと向かうのみ。
その道すがら、ちょっとビバリーヒルズの入り口ぐらいまで入ってみました。この時間ちょうど薄日が差してきて、このまま晴れ渡るかなぁと期待したのですが、しかしそこまので力無し。
こんな立派なお家が並んでいます――。
でも多分ですけど、さらに入り込んで行くと、いわゆるハリウッドスターなどが住んでいるような、想像を絶する豪邸が建ち並んでいたんだろうと思います。
有名なパームツリー。
旅行ガイド見ても、この通りが何という名前の通りなのか、そういう肝心なことが書かれていないのですが、"North Bedford Drive"()というようです。写真と地図と一致させて確認しました。
ハリウッドサインもウォーク・オブ・フェイムも見ることなく、ユニバーサルスタジオにもディズニーランドにも行かないロサンゼルスの旅でした。そういう観光的な要素を除いてしまうと、この街の面白さというのは今一つよくわかりません。街としてはサンフランシスコの方がはるかに面白かったし、日本人である私にはわかりやすかったです。正直暮らしてみないと良さのわからない街かな、とも思いました。
その市域の広さも日本人の感覚からすると、理解を超えています。
たとえば5日目、市内からちょっとIN-N-OUT BURGERまで食べに行こうと30分強、移動した距離は25.2マイル、40.3km。東名高速で言うと伊勢原の手前までの距離。6日目、Carl's Jr.1号店(推定)からMcDonald's発祥の地までの距離は52.0マイル、83.2km。東名なら御殿場までに相当。でも移動時間は1時間。
「都内ハンバーガーツアー」と謳いながら、余裕で都内を飛び出て、神奈川の県央や富士山がよく見える辺りの店まで遠征してしまっているという――そんなスケール感です。慣れるにはちょっと時間かかりますね。
ビバリーヒルズもそこそこに、最後の朝食をとるため"Wilshire Boulevard"(ウィルシェア・ブールバード)を東へ真っ直ぐ、ダウンタウンまで。
通勤時間帯だったと思うんですが、その割りにはラッシュというほどの混雑や交通量を見た記憶はありません。
ずっとウィルシェア・ブールバードです。
こちらが最後の朝食の地――兵庫県は西宮Esquerre(エスケール)の三澤社長より情報いただきました、"Langer's Delicatessen"というレストラン。マッカーサーパークのすぐ近くです。
4日目に泊まったモーテルからは1本道、0.9マイル、4分。"ORIGINAL Tommy's"からも1.2マイル、4分という距離感。この辺りに宿を押さえると、守備範囲が広く取れて良いかも知れません。
創業1947年、看板にもあります通り、パストラミサンドが有名なお店です。
中でも断トツこれ、"The Legendary No.19"なんて呼ばれている、このホットパストラミ――PASTRAMI, SWISS CHEESE and COLE SLAW Russian Style Dressingで$14.45がとにかく"名代"だと。ロサンゼルスの税率9.75%、82円換算で\1,300……おっ、久々にイイ値段ですね。
コ〜レがおいしかったっ!「作る人が作れば、アメリカでだってこんなにおいしい食べ物が食べられるんだ」ということを帰国直前の最後の最後に再確認させたくれた、価値あるひと皿でした。
だって自家製パストラミがこんなにおいしそうなんですよ?パンはライ麦系でしたか、キャラウェイシードがふんだんに使われています。私、今までキャラウェイシードをおいしいと思ったことは一度たりとも無かったんですが、このサンドを食べてそのジンクスが崩壊しました。実においしい!
"Russian Style Dressing"というのは、以前千葉・市川のCastle Rockさんが教えてくれたのですが、乱暴に言えばサウザンアイランドに近い感じの、やや甘めのソースです。コーンビーフを挟むルーベンサンドなどにも使いますね。
おいしいパストラミを中心にパンからソースから、すべてきちんと計算の尽くされた調和を示していて、非の打ち所がありません。
付け合わせのピクルスが"浅漬け"の薄味だった点を峰屋さんは絶賛していました。お新香まで含めて、トータルに非常によく考えられた味だったというワケです。
パンは←こんな機械でスライスしています。なにしろ「パストラミに合わせる」ということを非常によく計算した、特注のパンでした。ところが……。
サンドイッチのパンがここまで優秀なら、ではハンバーガーのバンズはどうなんだろう?と。こんな店だったら、バンズにだって力を入れているんじゃないか――と見せてもらうと←コレですよ。これまで各所で見てきた品質と一緒です。特段の工夫も無し。
この「サンドイッチなら力を入れる」が、「ハンバーガーに対してはこの程度の力しか払わない」という辺りが、峰屋さんをヒドクがっかりさせたと言いますか、サンドイッチとハンバーガーの扱いの「暗黙の違い」みたいなものをはっきりと知った瞬間でした。
しかしおいしかったです。いやホントにね、ロデオ・ドライブのイタリアンより、ダウンタウンのパストラミですよ!
正直2人で1皿で十分です。最初から2つに切って出て来るんですが、女性なら半分でもう十分だろうと思いますね。月曜から土曜まで、朝の8時から午後4時までやっている、実に健全なお店です。
マッカーサーパークの近く、"South Alvarado Street"(サウス・アルバラード・ストリート)という通りです。
あとは空港に向かうだけ。その前にどこかで買い物をしたいところですが、この試みは不調に終わりました。
途中見かけた、超大型のキッチンカーです。「動くコンビニ」状態。裁判所の前でした。
朝方、Langer's辺りまでは晴れていたんですけど、空港に着く頃にはふたたび小雨。カリフォルニアらしいカラッとしたお天気には、結局ロサンゼルスではめぐり会えず……そんなすっきりしない印象のまま、日本に戻りました。
そろそろエンディングですので、この長旅を支えてきたカーナビをご紹介しましょう。
←コレが各国語に対応した超スグレモノのカーナビです。日本語音声・日本語表示、もちろん単位はキロメートル。実に助けられました。
但しダッシュボードに固定させることが出来ず、結局ずっと私が手で持って、峰屋さんに指示を伝えていました(笑)。
空港からやや離れたレンタカーの営業所に余裕をもって到着。返却時、書類のやりとりなど一切なく、そこに停めて降りてくれ――で終わりでした。案外あっさり。
タイヤの空気圧異常を示すインジケーターが点灯している旨を窓に書き込み(笑)、おしまい。
何マイル走ったかメーターを撮っておくべきだったんですが、私、普段クルマに乗らないモンですから、そこまで気が回らず――。
ロサンゼルス空港到着です。出発ロビーで実に久しぶりに大量の日本人と遭遇しました。
多少時間があったので、撮影など――。
この建物は"Theme Building"などと呼ばれています。
1961年の建築。ミッドセンチュリー・モダン、グーギー(Googie)様式などとも呼ばれる、スペースエイジ、アトミックエイジの近未来的なデザインです。それこそ本邦の『ウルトラマン』辺りにも強く影響を与えているでしょう。この時代の建築には夢がありました。
天気が良くないせいか、ロビーもイマイチ元気がありませず。トム・ブラッドリー国際線ターミナルにて。
アメリカで最後に食べた食べ物はこちら、ハーゲンダッツのアイスクリームでした。このあとゲートの中に入りまして、もう引き返すことが出来なくなります。
帰りもシンガポール航空。いよいよ別れの北米大陸……ですが、石川県の小松空港の辺りもこんな風景ですよね(笑)。
行き来た道のおさらい、という感じです。
ロサンゼルス空港から、まずサンフランシスコへ。2日目にはサンフランシスコ湾を横切ってナパバレーへ。4日目には対岸のオークランドからロサンゼルスへと、クルマで下った旅でした。
眠たくもないのに明かりを消されたり、窓を閉めさせられたりするのがイヤですね。暗がりの中で帰りの機内食も2食。そう、いま何時なのか把握出来ない中での食事や生活というのは、やや強要めいた部分があります。
さておき――この夕日の彼方に、日本です。
日本時間10月20日水曜日18時過ぎ、無事成田空港着。
ただ、季節が10月という日本にとっても過ごしやすい時季であったため、人から聞かされていたほどの気温や湿度の違いというものを実感することが出来ませず、少し損したような気分です。
むしろあまり感覚が変わらないまま戻って来ちゃった……という感じですね。ロサンゼルスもぱらぱら・しとしと、細かな雨が断続的に降っていましたし、日本に戻ってみれば、同じように地面に湿った跡が残っていたり。
←このビジターの歓迎ムードにようやく多少の日本を感じました。ただし人少なく、構内は静かでした。
コレは取っときの写真です(笑)。こういう機能があるというのをよく知らなくて、要はアメリカ滞在時も、携帯電話が勝手に現地時間に合わせてくれて、手動で日時を変える必要は一切無かったのですね。
現地時間は携帯電話で把握出来たので、iPhoneの方は日本時間のままにして、常に両方確認出来るようにしていました。
そんな次第で、このあと峰屋さんと一緒に京成に乗って千葉を過ぎ、都内で地下鉄に乗り換えて……勝手知りたる国内です。
§ §
ただ、生活様式は日本も米国もほとんど変わりませんので。日本に帰ったからと言って、特段の風習や習慣が待っているワケでもありません。それに日本帰ってきたって、食べるのはどうせハンバーガーにコーラでしょ(笑)。 (多分つづく)
→ # 254 McDonald's [US]
# 253 Carl's Jr. [US]
# アメリカへ vol.19――6日目その2
# アメリカへ vol.18――6日目その1
# 251 Victor's Villa [Los Angeles, CA]
【二ッ目!】 IN-N-OUT BURGER [US] の CHEESEBURGER
# 250 IN-N-OUT BURGER [US]
# 249 ORIGINAL Tommy's [CA, US]
# アメリカへ vol.17――5日目# 248 BURRITO KING [Los Angeles, CA]
# 247 Wendy's [US]
# アメリカへ vol.16――4日目
# 246 Pinecrest Diner [Sun Francisco, CA]
# 245 Mel's Drive-in [Sun Francisco, CA]
# 244 Jack in the Box [US]
# アメリカへ vol.15――3日目
# 242 Johnny Rockets [US]
# アメリカへ vol.14――2日目その2
# アメリカへ vol.13――2日目その1
# 241 BURGERHOUSE [Sun Francisco, CA]
# アメリカへ vol.12――1日目
# アメリカへ vol.11――帰国
# アメリカへ vol.10――出発
# アメリカへ vol.9――ロサンゼルス
# アメリカへ vol.8――峰屋さん、渡米の理由
# アメリカへ vol.7――アメグラ
# アメリカへ vol.6――南下
# アメリカへ vol.5――ベイエリア
# アメリカへ vol.4――サンフランシスコ
# アメリカへ vol.3――ホテル予約 (検討中)
# アメリカへ vol.2――航空券予約
# アメリカへ vol.1――公式発表
# バンズ― 峰屋 [東新宿] ◆ vol.1 ≪ご馳走≫バンズの誕生
【最新情報】 8月12日(木)、FMヨコハマ「MORNING STEPS」出演――ありがとうございました
2010.12.7 Y.M