10月13日から20日まで峰屋のご主人と敢行したカリフォルニア千里行。やっと行程4日日――10月16日土曜日です。
昨日借りたレンタカーを駆って378マイル、604.8kmを一気に南下、ロサンゼルスを目指します。
そんな次第で↑本日トップの画像は"アメリカ"、1972年発表の2ndアルバム「ホームカミング」――理由(ワケ)は後ほど。
→ # アメリカへ
日本語対応だった筈のクルマのナビが、電源を入れてみれば英語表記&音声で、まったく機能せず活用出来ず(機能はしてる)、これでは埒が明かないのでホテルの部屋まで持って上がって、懸命の挽回策。
この日は朝4時ごろ目が覚めたので幸い、ピコピコいじってみるうち、なんと日本語のみならず世界各国語に対応している"実はスグレモノ"であることが判明(笑)。正しく言語設定をした上で、目的地の入力の仕方までマスター。住所でしか検索出来ないため、片手にiPhone、もう片手にナビで、ロス近郊の行きたい店の情報を調べつつ、どうにか5、6店の目的地登録を完了、夜明け前の街の撮影に繰り出しました――寝てるばかりじゃイイ写真は撮れません。
撮影をしたノブヒルという小高い丘は、早朝の風がピープー抜けて、なかなか肌寒く(凍えるまではゆきませんが)、朝の冷風に耐えながらしばらく待機していたんですが、街が黄金色に輝くのはもう少し経ってからだったようで――やや計算違い。
昨日買い過ぎた込んだ"ACME BREAD"と"BOUDIN"のパンに、ヘイトアシュベリーのスーパーで買ったチーズ、サラダ、いちごを各自好きに挟んでサンドイッチにして食べるのが、今日の朝食です。いいでしょ?
さ、ついにロサンゼルスへの大移動開始――Google調べで6時間23分。378マイル、604.8km。
604.8kmと言いますと、東京都世田谷区にある東名高速・東京ICを出発しまして、東名→名神→中国自動車道と接続、兵庫県姫路市の山中(さんちゅう)、安富PA辺りが609.2kmですね。なので半日かけて東京から姫路までぶっ飛ばすという――よく考えたらコレもなかなか無茶な計画です(笑)。
"Interstate Highway"(インターステート・ハイウェイ、州間高速道路)というのがありまして、意味は読んで字の如し。その州間高速道路80号→580号と乗り継いで"I-5"、5号線を目指します。
ちなみにナビに入れる目的地――ロス着後の行動が未定のため、とりあえず咄嗟に思いついた「ロサンゼルス空港」を入力しておきました。
2日目の日の出が美しかったベイブリッジを渡って対岸のオークランド。そのままI-580。
走行中のBGMはFMトランスミッターを使って、ウォークマンの音源をずっとかけてました――実際どういう曲が合うのかという、一種の検証ですね。
"BART(Bay Area Rapid Transit)"の真横を通過中。ダブリン/プレザントン線という路線です。
段々と景色が「おっきく」なって来ます。説明不要な感じですね。しばらく黙っときましょうか――。
それで移動中のBGM――。面白いもので、風景に合う曲と合わない曲とが二分されますね。大きく言えば都会的な曲は徹底的に合いません。なにしろ場面にそぐわない。
文句無く合うのは、まずイーグルスなどのウェストコーストロック。オールマンやレイナード・スキナードなどのサザンロック系もイケます。つまりどこかカントリー的な要素を持っている曲はスンナリ風景にハマる。カントリー専門局などがラジオにあるというのも、こうしてみるとなるほど頷ける話です。
パット・メセニー・グループ、"Minuano"なんて合いますねぇ。
まぁこんな無人の野を走ってますので、途中でガソリンでも切れようものなら命取りです。料金は無料の道路ですので、たまに現れる出口で降りて、給油や食事など必要なことを済ませます。
給油のために降りたのは"Santa Nella Village"という場所でした(帰国後調べて判明)。
ガソリンスタンドの売店で売っていた、スタバの缶と瓶。今となっては、コレも飲んどきゃよかったリストのうちです……。
スターバックスコーヒーの店舗数は異様に多く、サンフランシスコではそれこそ1ブロックごとに1店、こうした高速道路端でも、ファストフードチェーンに混ざって頻繁に登場します。それだけ飲まれているという証拠でしょう。
とにかく「人」というものを見なくなります。人影はパタッとなくなる。もちろん人家もなくなる。人の住んでいる気配もなくなります。見るのはもっぱら家畜ばかり。
こうして写真に撮ると止まって見えますが、クルマは時速140km台で走っています。峰屋さん曰く「俺にとっては"レース"だね」(笑)。
サンフランシスコで坂を撮った時と違って、窓からカメラを出すなどもってのほか。風がビユンビユンに入ってくるので、撮影する時だけ窓を開け、カメラは絶対に外に出さず、車内から外の風景を狙います。それでもストラップを厳重に手に巻き付けて、カメラが飛ばされないように細心の注意。 今回の旅で良かったのは、このサンフランシスコ→ロサンゼルス間の長距離移動を無理矢理にでも入れたことです。
正直、都市部には今回特に大きな驚きは感じませんでした。むしろ強烈だったのが、この「なーんにもない」風景。「地平線の果てまで真っ平ら」というのは、私はココ北米大陸で初めて目にしました。
出発前、「サンフランシスコ〜ロサンゼルス間の途中の情報が、旅行ガイドに一切載っていない」などと言ってましたが、行ってみればなるほど、本当に町も文明も無いのですよ。ただの荒野。砂漠。おそろしく土地が余っています。ロサンゼルス級の都市が何千と造れるだけの広大な土地が、果てしなく果てしなく、行けども行けども、只々真っ平らに余っている――。
これがこの旅一番の"おどろき"でした。この風景を見たればこそ、ハンバーガーをはじめ都市で見聞きしたモノやコトに「箔が付いた」と言っても過言ではありません。
そろそろお昼に……と降りてみたのが、この"Lost Hills"という、やや不吉な名前の町でした。
日本の高速同様、降りると出口周辺にはこうしたガソリンスタンド、売店、飲食店等が集中して在ります。しかし在るのは本当にその周辺のみ。高速からちょっと離れるだけで、店も家も人影も途端になくなります。
"PILOT TRAVEL CENTER"という、日本で言えばサービスエリアの売店ですよね。カー用品、旅行用品、食料品etc...必要なものはすべて手に入るという。お昼はPILOT併設の"Wendy's"にて、この旅通算6つ目のバーガーを。
で、ドリンクバーと言うかビバレッジバーと言うか、大体どこもこんな大がかりなものがドーンと店の一角を占めていまして、オートミールなんかまである。コレも試してみたかったんですよネ……。
BGM、この辺はチック・コリアの"La Fiesta"なんて聴いてたと思います。冒頭にジャケ写を載せた"アメリカ"の「名前のない馬
」辺りもハマりますね。
そろそろ、その"アメリカ"の話をしましょうか――。
さっきからずっと走っているフリーウェイ"I-5"とロサンゼルス近郊でクロスする"Ventura Freeway"(ヴェンチュラ・フリーウェイ)と呼ばれる道がありまして、今回その道自体は走っていないのですが、↑トップのアメリカのアルバム「ホームカミング」収録の"Ventura Higyway"(ヴェンチュラ・ハイウェイ)という曲を「こんな感じの中で聴けたら最高だなぁ」という風景が、このI-5沿いにもビュンビュン出て来るんです。たとえば次の写真↓とか――♪'Cause the free wind is blowin' through Your hair...
曲の解説が詳しくされていました――"Go West","going to California"、まさにこの旅にぴったりの曲じゃないですか!
♪ Alligator lizards in the air...というのは"the shapes of clouds in the sky"だそうなので、写真としてはコッチなんかの方が合ってるのかな?
「ピラミッド湖(Pyramid Lake)」と言うそうです。塩湖。
右に進むと、そのヴェンチュラ方面。海に向かいます。
こうして徐々に「文明」の中に戻ってゆきます。
いや、スゴイことですよ。1日の間にサンフランシスコという都市より発って、途中は驚くほどに何もない、だだっ広い荒野の間を駆け抜けて、そしてロサンゼルスというもっと大きな都市へと入ってゆく――その経過。景色の変化。今回の旅で最も忘れがたい部分は、おそらくその印象であろうと思っています。
周囲のクルマの数が次第に増えてゆき、"I-5"から離れてロスの市内に完全に入り込む頃には、こんな状態です。渋滞と言ってよいでしょう。但しそれなりにスピードは出したまま、狭い車間距離を保ったまま、このままズズーッと流れゆきます。
この日は宿は特に押さえておらず、行き当たりばったりで適当な安宿に泊まろうという、気ままな日だったのですが、私としてはソレが不安要素で、何軒回ってもどこも満室で門前払い――といった気まずい展開は是が非でも避けねばと考えていました。
しかし旅行ガイドは手元に無し、この時点ではナビを使って付近の宿を検索するワザは、まだ習得していません。どうしよう……と焦っている時に、ふとTRUST SALOON 中山さんに言われたモーテルの名前を思い出し、とりあえずソコを目標に行ってみようということに決めて、ナビの目的地を設定し直しました。
ナビの指示通り"US-101"を降りて下道を3〜4分、めでたく着いた宿がコチラ"Hollywood Inn EXPRESS SOUTH"。
トラサル中山さんから「59ドルのモーテルなら100ドルクラスのホテルより立派ですよ」と言われていたのですが、プール付き・朝食付き・駐車場付き、部屋も広く、冷蔵庫も使え、まず申し分ない造りでした。
東京−姫路に相当する長距離運転の後なので、まずは体を休めて、その後夕食に出発……なのですが、峰屋さんがお疲れでしたので近場で済まそうと、ナビを操りながら行き当たりばったり探したのがコノ店、"BURRITO KING"。
店の外に張り出したカウンターに座って食べることも出来たのですが、若干"危険なニオイ"もあったので、持ち帰りにしました。品物を受け取った後は逃げるように"そそくさ"とモーテルまで戻って来ましたが(笑)、戻ってさえくれば、こっちのモノ(笑)!
峰屋さんのご注文、"TACO & ENCHILADA"のコンビネーション、$6.00。ロスの税率は8.25%。82円換算で533円。
私はハンバーガー(通算7つ目)に加えて"CHICKEN FAJITAA"、$5.17、459円。コレ、野菜がふんだんで期待以上においしかったです。全オーダーの中で一番おいしかったかな。
§ §
でまぁ、物騒とまでは言いませんが、サンフランシスコの街中よりは多少危険に思えたので、夜の外出は控え、ひたすらおとなしくして過ごしましたとサ――というのが、第4日目の一部始終。 (つづく)
→ # 246 Pinecrest Diner [Sun Francisco, CA]
# 245 Mel's Drive-in [Sun Francisco, CA]
# 244 Jack in the Box [US]
# アメリカへ vol.15――3日目
# 242 Johnny Rockets [US]
# アメリカへ vol.14――2日目その2
# アメリカへ vol.13――2日目その1
# 241 BURGERHOUSE [Sun Francisco, CA]
# アメリカへ vol.12――1日目
# アメリカへ vol.11――帰国
# アメリカへ vol.10――出発
# アメリカへ vol.9――ロサンゼルス
# アメリカへ vol.8――峰屋さん、渡米の理由
# アメリカへ vol.7――アメグラ
# アメリカへ vol.6――南下
# アメリカへ vol.5――ベイエリア
# アメリカへ vol.4――サンフランシスコ
# アメリカへ vol.3――ホテル予約 (検討中)
# アメリカへ vol.2――航空券予約
# アメリカへ vol.1――公式発表
# バンズ― 峰屋 [東新宿] ◆ vol.1 ≪ご馳走≫バンズの誕生
【最新情報】 8月12日(木)、FMヨコハマ「MORNING STEPS」出演――ありがとうございました
2010.11.8 Y.M