2010年10月26日

# アメリカへ vol.13――2日目その1






 10月13日から20日まで、峰屋のご主人と行って参りました、カリフォルニア旅行。臆面もなく、割りとベターッと行程を記してゆきます、その2日日です――。

 この人もサンフランシスコの出身でした――私の大々々好きっ!なサキソフォン・プレイヤーの一人、ポール・デスモンド。↑画像は彼が所属していたご存知デイブ・ブルーベック・カルテットの代表作、「タイム・アウト」。かの有名な「テイク・ファイブ」収録の名盤です。


# アメリカへ




 この日は早起きしまして、朝からお出かけ――ナパバレー・ワイントレインというツアーに参加するためです。

 事前に予約してあるツアーなので遅刻するワケにはゆきませず。私にとっては「早起き」ですが、相手がパン屋さんなので寝坊の心配は無し。ユニオンスクエアのホテルからタクシーで7〜8分は乗ったでしょうか。まずはフェリー乗り場へ向かいます――そう、船に乗るんです。

 アチラはサマータイムなので、この午前7時という時刻は夜が明けかかるぐらいの、まだ街も空も暗い時間なのですね。そんな早暁のフェリービルディングに着きまして、建物の中に入ったところが、単なる船着き場ではなくて「マーケットプレイス」と呼ばれるモダンなショッピングモールになっておりました――そんな予備知識もなく向かったワケなのですが(笑)。

 海に向いたデッキには、コーヒーを飲みながら雑誌や新聞を読む姿――優雅です。


 びっくりさせられたのが、この日の出でした。

 実はコレもまったく予備知識ナシの、100%想定外なイベントだったのですが、とは言えココが絶好の日の出スポットであることなど、旅行ガイドのどこにも載っていませんでしたので、幸運と呼ぶ以外何ものでも無い幸運でした。三文の得的棚ぼた――。


 まさに日の出、拝むに越したことナシの御来光です。架かる橋は金門橋ではなくベイ・ブリッジです。渡ると対岸はオークランド。


 振り向けば、街が黄金色に染まってゆきます……あぁ、ジャーニーが"Lights"で歌う、♪When the lights go down in the City, And the sun shines on the bay.....とは、まさにこういうことなんですネ。


 ヒトも撮りました。他に「日の出待ち」の人はまばらで、映り込んだり場所を争ったりすることなどなく、悠々として快適な朝のひととき。

 さてそれで朝食をいただかなくてはいけません。「地元の人がするような朝食をする」ことは今回の旅の目標のひとつでした。


 建物の中に戻って窺っていると、コーヒーとサンドイッチを求めてコーヒーショップに列を作る通勤客の姿が見られます――まぁ期待した通りと言うところでしょうか。

 私たちがパンを買ったのはコチラ。"ACME BREAD"と書いて「アクミブレッド」と読むそうです。悪味ブレッド?地元ベイエリアで人気の店と知ったのは帰国後、旅行ガイドを買い直してからで、この時点ではどれほどの店なのか、まるでわかっていません。


 コレがこの日の私の朝食――。カフェオレはCowgirl Creameryというお店で、早朝から笑顔で働くCowgirlより購入。

 パン選びの基本――辛いのと、そして甘いのと。左がサワードウ・チーズロール、右がパン・オ・ショコラ、ともに$2.25(\185)。値段は日本並み、大きさは日本の……1.5倍はあったかな?決して化け物みたいに巨大ではないのですが、ひと回り程度は大きかったかも知れません。

 そんなことより味ですよ。いえそれが、都内に在ったとしてもまるで遜色ないおいしさでして……正直意外でした。と言うのも、よほどいろんな人から「おいしくない」と聞かされていましたのでね。国境も日付変更線も大海も越えて、まさかココでこんなおいしいパンに出会おうとは思ってもみませんでした。




 清々しく、さわやかな朝の風景――。こういう"せせこましくない"場所が街の一角にあるというだけでも、暮らしぶりがすごく豊かなものに感じられますネ。


 ナパバレーに向かうため、まずは"Vallejo"(バレーホ)という町までフェリーに乗って行きます。

 乗り場は"GATE B"。黒人の警備員が、こちらが問うより前に話しかけてきて、場所を教えてくれました。職務に前向きな警備員さんです。

 船はあらかじめ停まってはいず、湾の彼方から現れて通勤客を降ろし、そして他のツアー客とともに私たちを乗せて動き出しました。


 サンフランシスコを離れ、湾を横切って、バレーホへ向かいます。最初はおとなしく船内に座っていたのですが、窓外に広がる風景に居ても立ってもいられず、外へ。するとこの眺め!


 この往復のフェリーは、ワインツアー全体を通じての大きな見どころのひとつになりました。ワインを一切関係無しにしても、サンフランシスコへ行ったら何らか船へは乗るべきでしょう。


 風の強い船外から戻りまして、先ほど峰屋さんが買ったパンです。コレがまたおいしくて。いえホントに。表面の焼き、中の気泡の具合、そして底の感じと一通り見て、いいパンだねと――。

 "sourdough"(サワードウ)と呼ばれる酸味の強いパン種がありまして、ここサンフランシスコはそのサワードウを多用したパンで世界的に有名な街でもあります。峰屋さんが買ったこのパンにもサワー種が使われていまして、きゅっと締まった酸味が、酸味好きの私にはストライクゾーンど真ん中!いや、こういう味はクセになるんですよ。


 1時間10分か20分ほど揺られて、バレーホの船着き場に到着。この町もどういうワケだか、朝から実にのーんびりとしています。

 ワイントレインが発着するナパの町へは、シャトルバスでさらに30分ほど。


 そのバスの運転手がナパまでの道中、ナパバレーのワインの歴史などについて延々説明してくれていたのですが、まぁ早口で、本気で何しゃべってるかわかりません。年号ぐらいしか聞き取れませんでしたネ(笑)。そうした辺り同じ料金を払っている客として、我々は非常に損しているワケです。やはり持つべきモノは英語力――。


 ワイントレインが発着する駅の待合室です。この観光が大きな成功を収めていることを窺わせる、なかなかに立派なフロアでした。もう20年以上やっているそうで。

 すぐ発車というワケではなく、シャトルバス以外の客等とも合流して、ワインのテイスティングの仕方やナパバレーの地理・気候などについて、セミナーがあります――これも当然英語で(笑)。セミナー中に白赤2杯のワインを飲むことが出来ます。どちらもまだ若い、新しいワインでした。


 当然おみやげ売り場もあります。一部日本語の説明書きも付いていました。

 帰国後GORO'S☆DINER吉澤さんから聞かされたのですが、この"Opus One"という赤ワインはいま都内で人気沸騰中の逸品で、銀座辺りだとウン万円という途轍もない高値で売られているのだとか。それがコチラで買えばハーフボトルが$105、約9,000円でしょ?しまった、そういうのをおみやげで買って帰らないといけませんよネ(笑)。まるでソノ価値がわかっていない2人が旅しております(笑)。


 こんな素敵な車両に乗れるワケですよ。

 なんでも峰屋さんのお知り合いに真のワイン好きがおられまして、ナパの本当に深い部分は、その方と一緒に旅される時のために取っておこうと――ま、コレは私が考えた配慮なのですけど――なので今回は本当に「さわり」だけ、往復3時間、列車に揺られてランチを楽しむ"Gourmet Early Dining"という、お手軽簡単なコースにしておきました。すべて日本で手配済み。

 正味3時間の車窓の旅なのですが、それでもサンフランシスコからの往復を入れると、結局一日がかりのツアーです。


 まず案内されるグルメ車両、1915〜1917年製の車両を改装したものです。いやよく考えたら、一生に一度乗れるか乗れないかの経験ですよ。

 サイトには「相席御免」というようなことが書かれていましたが、平日ということもあり客数はほどほど。4人掛けをゆったり2人で占めることが出来ました。


 そうですよね……乗車中に、しかもきちんとセットされたテーブルに着いての食事なんて、本当に一生に一度あるかないかの話ですよね。実に貴重。

 ランチはコースになってまして、スープまたはサラダを選択、そして前菜を選択します。ワインも頼んだのですが、まぁ応対してくれた女性の英語がまた聴き取れなくって。フランス語かと思うような難解な発音でした。このように旅先の至るところに言語的な「罠」が潜んでいます。そういう意味ではこんな豪華な車両に乗っても、心の底から楽しむことは残念ながら困難ですね。


 こんなお食事が出て参ります。私が頼んだのはポークです。ビーフはこれからイヤというほど食べられるだろうと思いまして……。

 ドライトマトにアプリコットジャムと、やたら甘〜い付け合わせばかりが添えられています。まぁお味はまずまずと言ったところ。ちゃんと厨房車両がありまして、そこで調理をしています。料理は良いのですが……。


 出て来たパンがコレです。コレでフランスパンのつもりらしいのですが……あまりにもひどい一品。

 でも窓外に目をやると……。


 こんなすばらしい眺めです。何より晴天に恵まれましたね。

 ナパの街を出てしばらくは太い幹線道路と並行しているのですが、やがてぶどう畑が目の前に迫ってきます。

§ §

 このあと、情報としては大したモノは出て来ないのですが、どうしても画像が絞り切れませず、前後2回に分けて載せることといたします(笑)。 (つづく)



# 241 BURGERHOUSE [Sun Francisco, CA]
# アメリカへ vol.12――1日目
# アメリカへ vol.11――帰国
# アメリカへ vol.10――出発
# アメリカへ vol.9――ロサンゼルス
# アメリカへ vol.8――峰屋さん、渡米の理由
# アメリカへ vol.7――アメグラ
# アメリカへ vol.6――南下
# アメリカへ vol.5――ベイエリア
# アメリカへ vol.4――サンフランシスコ
# アメリカへ vol.3――ホテル予約 (検討中)
# アメリカへ vol.2――航空券予約
# アメリカへ vol.1――公式発表
# バンズ― 峰屋 [東新宿] ◆ vol.1 ≪ご馳走≫バンズの誕生
【最新情報】 8月12日(木)、FMヨコハマ「MORNING STEPS」出演――ありがとうございました


2010.10.26 Y.M
posted by ハンバーガーストリート at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカへ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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