待望の、首都圏ハンバーガーショップの本格的ガイドブック、『THE BURGER MAP 首都圏版』がついに発売されました。amazonを皮切りに、セブンイレブン、書店で販売中です。一部の掲載店でも取り扱っています。
幹書房 『THE BURGER MAP 首都圏版』
どういう本なのか、以下簡単……でもないですが(笑)、ご説明します。
私は'08年に『HAMBURGER STREET 創刊準備号』を、'09年には『HAMBURGER STREET 創刊号』をそれぞれ自主出版しました。「自主出版」というのは、出版にかかる費用を全部自費でまかなったというだけでなく、出版社イコール私、すなわち「発行人」「編集人」が私である――という意味です。今回初めて、自分では一切をお金を出さずに本を出しました。
ハンバーガーに関するこうした本は、私の雑誌も含め、これまでにも何冊か出ていますが、今回のような「ハンバーガーショップをガイドする」ことのみに徹した純然たる「ガイドブック」として、ここまで本格的かつ生真面目に作り込んだ本は、おそらく本邦初ではなかろうかと思われます。
言い換えるなら、ハンバーガーという食べ物が、たとえばカレーやラーメンのように、ガイドブックを片手に食べ歩く「グルメ」の対象にまで真に成長した瞬間――という言い方も出来ると思います。
これまでのバーガー本はムックサイズのA4判が主でしたが、今回の『THE BURGER MAP 首都圏版』はガイドブックですので、持ち歩きやすいA5判です。ガイド本なので小難しいことは抜き! ひたすらお店の紹介に徹している……つもりですが、文章のそこかしこにハンバーガーストリート的な変な言い回しが散見出来るものと思われます(笑)。
発行人である幹書房さんは、小さいながらもラーメン本やカフェ本に定評のある出版社で、そのラーメン本のノウハウをそのままハンバーガーにトレースしたら面白いんじゃないか――という目論見で作られたのが、この『THE BURGER MAP 首都圏版』です。ラーメン本的な構成を持ちながら、根底にはカフェ本的な、「写真を眺めているだけでも楽しい」「置いておくだけでオシャレ」といったテイストをも持ちあわせています。
カフェ本的要素――つまり、ハンバーガーという食べ物は、ただソレ単体がおいしいか否かだけでなく、店の雰囲気、店内に置かれた家具・雑貨、流れる音楽や映像、店のスタッフとのコミュニケーション等々、「雰囲気も込みで」食べる食べ物だと私は思っています。
ですので、店に居るだけでも十分楽しい「ハンバーガーショップという特別な空間」に身を置いて、そして「その空間の中でハンバーガーを頬張る」という一連の行動すべてが、ひとつの楽しみとなり、醍醐味となり、ときに和みとなる――先のカレーやラーメンといった食べ物には無い要素であり、そうした意味で「ハンバーガーショップ」という場所は、カフェにも通じる使い方・楽しみ方の出来るオシャレな空間である――というのが、私と幹書房編集部の共通の認識です。そうした「大人が楽しめる食事」という一面を、今回の本では巧く表現出来たのではないかと思っています。
ともかくかなり初期の段階から、確固たる意思統一が関係者の間で図れていたことが、この本の高い完成度に繋がる大きな要因になったものと私は考えています。
店選びの段階から数えると優に5ヶ月を要しました。特に、実際に取材で各店を回っていた時期が5月で、ちょうど「全国ハンバーガーショップ&ダイナー スタンプラリーvol.1」の開催期間と重なったために、この期間は両者の掛け持ちで非常に苦労をいたしました。
「時間がないゝゝ」と言われ続けていた割りには、肝心なところでは常に立ち止まって、ギリッギリまで校正に時間を当てています。店紹介の文章などには一字一句、編集様との攻防がありました――とは言ってもかなり穏やかな、"大人な関係"におけるバトルですけれど(笑)。非常に良好な人間関係・制作環境において作られた本であることを付け加えておきます。
とにかく言葉についてはかなり神経質な選び方をしていますが、しかしガイドブックとしては、文章など一切読まずとも、店名と写真と地図さえ見れば、目当ての店に辿り着けるような作りになっています。文章は後から寝転がって見返したときに「なるほどな」と思っていただければ、それで結構です。
監修と執筆が私、撮影と執筆が新井由己さん――今回この本の企画にお誘いいただいたフォトグラファー/ライターさんです。2人で作りました。
具体的な執筆の配分は私が41%、新井さん59%という感じですが、新井さん担当のページについても何らかの形で私の意見は反映されていますので、本全体の雰囲気としては、やはり監修者である私の色がにじみ出た作りになっていると思います。
……そんな感じかな? 極めて生真面目に作った本です。決してハデハデな本ではありませんが、中身のしっかりした良い本になったと思います。私が関わるとこういう本が出来るんだとお考えいただければ幸いです(笑)。ちなみに表紙写真の撮影はご存知、水道橋の超名店「I-Kousya(アイコウシャ)」様。
『THE BURGER MAP 首都圏版』
単行本(ソフトカバー): A5判・112ページ
出版社: 幹書房
価格: ¥1,300(税込)
発行日: 2010年7月30日
監修・執筆: 松原好秀
撮影・執筆: 新井由己
筆者同様、幹書房さんも非常に奥ゆかしい出版社でいらっしゃいますので(笑)、「永久保存版」などと言うようなことを自ら銘打つことはしておりませんが、十分それくらいの中身のある一冊であるとお考えいただいて結構です。書店でお見かけの際は、ぜひお手にとってご覧下さい。
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↓の2冊が、私が自主出版したハンバーガーの専門誌、『HAMBURGER STREET 創刊準備号』と『HAMBURGER STREET 創刊号』です。全国のハンバーガーショップ/ダイナーの店頭で販売いたしました。今なお置いて下さっているお店もあります。詳しくは別の記事でご案内させていただきます。
当ブログでもお求めいただけます。「info◎hamburger.jp」(←"◎"をアットマークに置き換えてメールして下さい)までご連絡下さい。私より発送いたします。あわせてよろしくお願いいたします。
2010.7.26 Y.M