◆ vol.5 ◆
(前回よりつづき)
中でもグッと引き寄せられた言葉がある。
「さまざまな味付けのハンバーガーがあふれるこの時代にあえて本場伝統のスタイルと味で挑む(後略)」(「ヨコスカ ネイビーバーガーマップ 2009」より)
いま東京を中心に華やかに派手やかに、日本人の細やかな手先・舌先によってハンバーガーという食べ物が未知なる進化を続けている中、「パンの間にゴツい赤身肉を挟んだだけ」というハンバーガー本来の姿を志向するその姿勢は、かえって新鮮ですらある。
ちょうど好いタイミングだった。「そもそも元はどんな感じだっけ?」「そろそろ本場の味が見てみたい」と、ちょうど誰しもが思い始めた頃だったのである。この「原点回帰」の役回りは、横須賀という町にこそふさわしい。横須賀だからこそ許される、横須賀だからこそ様(さま)になる、横須賀だからこそやって欲しい、本場伝統のスタイルである。
――と、ここまで調べて、「またぞろ取って付けたようなご当地バーガーの町おこしか」という当初の認識は一掃された。町おこしのたかが"具"に過ぎないハンバーガーに対して、ここまで真摯な姿勢で取り組んでいることに何より好感が持てた。それもこれもまずは米軍基地からの提案あってのことである。
米軍基地・横須賀市両者の定期的な意見交換、そして司令官の積極的な働きかけ無くして、ネイビーバーガーが誕生することはきっと無かっただろう。一軍の将から一都市の長へ食べ物の調理法が渡されるなど、歴史的に見てもおそらく例の無いことではないだろうか。
こんな異例をやってのけるなんて、ケリー司令官はなんと果敢で友愛な人だろう……と感心していたところが、なんと! 今度は基地内で最も人気のあるアメリカンスイーツ「ニューヨークスタイル チェリーチーズケーキ」のレシピの提供があるという(笑)……将たるもの、まるで落ち着きがない。
海軍カレーにネイビーバーガー、さらにはニューヨークチーズケーキまで……軍都・横須賀、にわかに「食」で賑わう。 (# 218 TSUNAMI/津波 [神奈川・横須賀] へ)
参考資料:
横須賀市報道発表資料 - 「2009-11-17 本場のアメリカンスイーツブランドが誕生!」