2009年10月23日

# 216 Reg-On Diner [渋谷]



 お待たせしました――Reg-On(レッグオン)です!


●國學院大學と常磐松小学校

 今夏のなんやかんやの"騒動"ですっかり有名な渋谷警察署の裏手に回ると、道のどこかに舗装ブロックの敷かれた道が続いているので、そのブロックをひたすら辿って行くと、やがて國學院大學の手前にレッグオン!


 店の真向かいが渋谷区立常磐松小学校。なので耳を澄ませば、ほら……チャイムの音が。人通りはかなり多い場所である。通行量のみ調査する分には満点の立地だろう。但しご通行中の皆さまことごとく学生or生徒or児童なので、お店にロックオンしてくれずに、スルー。もちろん女子高生だってオモテの看板くらいは見ますけどね。國學院大、常磐松小はじめ広尾中、広尾高、実践女子、青学初等部……この一帯まぁ学校は多いですよ。

 ちなみにこの舗装道路は渋谷区の散策路「旧渋谷ルート」として整備されている道であり、これら学校のスクールゾーンというワケではない。

 昨年2008年の8月15日にオープンして早1年余。横溝オーナー長年の夢はこんな文教地区の只中に実現した。

 背後には住宅街。大きな屋敷もあれば、古めかしい木造アパートもあり。学生諸君よりもご近所の住民や会社員が繰り返し利用してくれて、「この辺食べるトコが無かったんで、出来てよかったよ」なんて喜んでくれたり。圧倒的に夜より昼。子供達の下校とともに町の一日は終わる。


●「オレゴンから愛」と「ライスカレー」

 オーナー横溝さんのご実家は自営業。経営者である父親の背中を見て育ち、いずれは自分の仕事をやりたい希望をずっと抱いていた。


 アメリカに行きたくて高校卒業後、居酒屋でバイト1年。なんでアメリカに行きたいか? 「オレゴンから愛」ですよ! 中学3年のときに観て以来、アメリカ好きに。目指すはオレゴン! 今でもオレゴン行きたい!

 にしても↑の引用、あんまりな説明なので、こちらでお口直しを。

 そう、マウントフッド(Mt.Hood)は「ココチ」後藤オーナーがスノボの選手時代トレーニングしていた場所ですね。あと横溝さんお気に入りのドラマは「ライスカレー」など――掴めました?

 バイトで貯めた旅費でアメリカ放浪3ヶ月半。ニューヨークからLAまでグレイハウンドで大陸を横断した。本当はオレゴンへは高校の親友と一緒に行く計画だったのだが、大学進学とともに親友が多忙になり渡米を断念。一人旅を敢行。


 なおこのアメリカ初旅行の際、ハンバーガーについて特に感動はなかったという。お金が無くてマックやファストフードばかり食べていたから、とも。

 夢のオレゴン巡礼から帰国後、何か自分でやりたいと思いつつも踏ん切り付かず、要は今で言うフリーター状態をしばし継続。そうこうするうち次兄に連れられて行った、自由が丘の「バターフィールド(BUTTER FIELD'S)」という店のアメリカンな雰囲気がすっかり気に入り、働くことになる。


●バターフィールドとブラザーズ

 バターフィールドは1980年オープン、都内では草分け的存在の老舗アメリカンダイナーである。メインはピザ。

 独立志望を告げて入るも、あまりの居心地の好さについダラダラと長居してしまい(笑)、都合6年、気付けば三十路のお年頃。意を決して愛着ある店を離れ、他の店を転々。そうして辿り着いたのが人形町のご存知「ブラザーズ」である。


 きっかけは「カフェ&スイーツ」の特集記事。北浦オーナーがお兄さんと一緒に写っているオープン当時の写真を見たとき、その笑顔が良くって楽しそうだなぁと思った。実際に食べに行ってみると、ハンバーガーにとんでもない衝撃!! 当時他の店で働いていたが迷わず電話。面接で北浦オーナーに独立志望の熱意を伝えた。

 4ヶ月で一度辞め、後に戻って計3年弱。私が横溝さんと初めて出会ったのはブラザーズのNo.2として活躍していた、この頃のことである。

 ブラザーズを中抜けしていた間、赤坂の高級プライムリブ専門店「ロウリーズ」などで働いていた。そのロウリーズでレッグオン創業以来の片腕、湯本さんと出会う。スタッフ不足の中、オープニングから献身的に店を支えてくれた、レッグオンのキーパーソンである。

 なお横溝さんはブラザーズ在籍時、名古屋「レイヤーズ」の久保さんを教えている。取手「ビッグスマイル」の倉持さんとは時期はかぶっておらず、倉持さんの方が先輩。


●消臭ダクトと自動ドア

 ブラザーズを辞めた頃より本格的に物件探しを開始。当初恵比寿・中目黒辺りでやりたかったが、家賃高く断念。途中から1階で路面店で駅から離れていれば「どこでもいいや」とエリアを広げ、今の場所はたまたまた見に来て角地だし全面ガラス窓で明るいし、いいなぁと決めた。


 道の曲がりに合わせ、七角形をした店内。真っ白な壁、打ち放しの床、キッチンを覆うステンレスの壁面、そしてグリドルを囲うガラスが特徴的な、カチッとやや無機質な印象である。背当たりの低い臙脂色のベンチシートが窓伝いに伸び、ホールの一番奥にボックス席。合わせて18席。

 もっとダイナーらしくしたかった。本当はキッチンに向いてカウンター席を作りたかったのだが、そこまでの幅が確保できず、断念。窓側も本当はボックスシートを並べたかった。要は客車風にしたかったワケですな?


 カウンターが叶わぬ代わりにキッチン回りを全面ステン張りに。お客さんの方を向いてハンバーガーを焼くようにしたのも構造上の問題だが、店内を見渡せて本人もお気に入り。作る姿そのものが何よりのサービスだろう。

 排気ダクトに強力な消臭装置が付いており、ご近所への排気対策も万全。反面、あの魅惑の「肉を焼くニオイ」を撒き散らすことが出来ず、一長一短でもある。入り口の自動ドアも予算が許せば引き戸にしたかった。開け放せば肉を焼く音や食器を洗う音が外に聞こえて、店の"活気"を伝えられるのだが。


●クアーズとキープレフト

 その「地は無機質」な店内を大いに賑わす小物・雑貨の数々をよーく見ると、小さな値札が貼られたモノがある。これらは錦糸町のアンティーク雑貨店「キープレフト」より預かり受けた売り物で、購入可能。オーナーの私物を含め、マニア度・レア度はなかなか高めの品揃えである。


 大のクアーズファンでもある。店内にはクアーズの掛け時計にネオンサイン、あと日めくりカレンダーも。高校生の頃から飲んでいて……エッ? 当時アメリカの輸入ビールと言えばクアーズぐらいしかなく、なにしろデザインが格好良く……ってイヤ、そういう問題でなく。高校時代からクアーズの缶のコレクターだった。


 ドリンクの選択もユニーク。炭酸はペプシ7 Up。ココほどコカコーラ本社に近い店もないが、それでもペプシ使用。ペプシで作るキューバ・リブレは香ばしくて格別の味である。生ビールはハートランド。他に瓶ビールを7種類も置いている。

 メニューの上でもダイナーは常に意識している。「ハンバーガーショップ」にするつもりは基本的になく、本当はピザがやりたかったり、パフェやワッフルがやりたかったり、夢はあれこれ膨らむばかり。


●BBQソースとバランス

 ハンバーガーはオープン以来の13品に、今夏投入した4品を合わせ計17品。ドッグ3品。

 チーズバーガー¥900。クラウン(上バンズ)、BBQソース、チーズ、パティ、オニオン、トマト、レタス、マヨネーズ、ヒール(下バンズ)。チェダーチーズの黄、トマトの赤、レタスの緑――彩りも美しい、これぞ日本が世界に誇るハイクオリティ、そしてこれぞ日本のハンバーガーの醍醐味である。


 バンズは昔なつかし系、クリームパンに近いオモテ皮の感じと甘味を持つ。このバンズの「なつかしさ」によって「尖った専門店」と言うより、親しみ覚える「町のハンバーガー屋さん」といった味にやや向いているようにも思える。ちょっと「古風」に過ぎるか。

 BBQソースが美味。塩の効いたハッキリした味なのに、バーガー全体の味を決定づける支配的な存在でなく、他の具材と絡むことで旨さを添える補佐的な役目が出来る。でも味はキリッと明快――おそらく量が絶妙なのだと思う。「隠し味にルートビア」と聞いたが、どう作用しているのか何とも判断が付かなかった。ハンバーガーをサポートすることを目的として作られたBBQソース。キレの良さが魅力。


 オージービーフ使用のパティはキメ細かく、やわらかく、BBQソースと馴染み良し。チーズは2枚重ねて濃く太い味をしっかりアピール。そして高くキレイに折り畳んだレタスのシャキとした歯応えと同じく生オニオンの歯応えが、このやわらかいハンバーガーにガチッとエッジを立てている。ヒールに塗ったまろやかなマヨネーズ味でダメ押し。付け合わせはナチュラルカットのポテトにピクルス丸半分。

 とにかく全体に味のよく混ざるバーガー。これだけ背が高く、ごっつく作られながら、上の味と下の味が出会い、混ざり、融け合い、一体となって、「ハンバーガー」というひとつの大きな味を作り出してゆく、その原理はブラザーズと一緒である。ひとつ素材の旨味のみに頼ることなく、あくまで積み上げたバランスとまとまりで勝負する、技術と経験の結晶。


●ひとつとひとつ

 ブラザーズに居たことを誇りに思っている。誇りがあるので「堂々と」、構成も積み方もブラザーズとまるっきり同じにした。


 ワザと違う部分を作ったり、オリジナリティと称して不自然なアレンジを加えたりなどせず、なに憚ることなく同じものを提供するその姿勢に、むしろ清々しさを感じる。それこそが横溝オーナーが決断した最良の選択なのだから――「いいものは伝えていきたいので」。

 但し先述のBBQソースには独自の"自然なアレンジ"が施されている。

 お客さんにとって自分の頼んだハンバーガーは1つ。店が1日に何百個ハンバーガーを作ろうとも、それは何百分の1ではなく、1分の1――それを肝に銘じて1つ1つ丁寧に、何度食べに来ても常に同じものが出せるよう心懸けている。「こっちは一生懸命作るしかないです」――そんな横溝さんの鋼のようなハートを前にしては、こんな論評、ただのお笑い種でしかないのである。

§ §

 BGMはヒップホップ系。中学来よく聴いている、ガイ、レックスン・エフェクト(Wreckx-N-Effect)、ヘヴィD、TLCなど大好き。

 ところで店名の由来――もうお解りですね?




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【最新情報】 本日8月15日、渋谷に「Reg-On Diner」がオープンします
# 019 BROZERS' [人形町]


― shop data ―
所在地: 東京都渋谷区東1-8-1 K HOUSE 1F
      JR渋谷駅新南口なら徒歩10分 地図
TEL: 03-3498-5488
オープン: 2008年8月15日
* 営業時間 *
月〜土: 11:00〜22:00(21:30LO)
日 祝: 11:00〜20:00(19:30LO)
ランチ: 11:00〜15:00
定休日: 火曜日(要確認)

2009.10.23 Y.M
posted by ハンバーガーストリート at 15:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 帝都編◆都西 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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