名鉄河和線(めいてつ こうわせん)の青山駅近く、K'S PIT大村オーナーに連れて行かれたもう1店(この後、オリバへ……)。私と見るとどうもハンバーガーを食べさせたくなるらしい……いえ、ふつうに地元の名物とかでいいんですよ。
●洋食屋跡
店名は「さくら咲く」だが、出来たのは春4月でなく梅の雨降る6月5日。まだオープンしたばかり。チェーン店を思わせる立派な構えだが、まだこちらが1店目。
さくら咲くと言うと今冬のキットカットのことを思い出す――TBSの裏に「赤坂サクラサク神社」なんてのも在りました。エスケールさんもお連れしましたが。こちらの店のネーミングの由来は、春になると咲き誇る青山武道館の緋寒桜(ひかんざくら)のことであったり、そもそもオーナーの好きな花であったり。
倉庫のように大きな店構え、ココには以前「シェリールージュ」という洋食店が入っていた。地図ではまだシェリールージュのままになっているか。
通りからは完全に入った所なのだが、店の前は抜け道になっており、案外と交通量多し。天井高く、席の配置にゆとりあり、またこどもが非常に多い立地であるため、キッズスペースをきっちりと確保。最近「倍」に拡張してさらに悠々と遊べるようになった。よく見れば実は各卓、椅子の種類が違っていたり。壁にコーヒー豆の袋が唐突に貼ってあったり。平日午前中の訪問ということもあり、店内女性客ばかり。
●モーニングセット
時間の経過とともにメニューが変化がしてゆくのが、こうした喫茶店の楽しいところ。起き抜けのコーヒーを一杯やっていたら、何だもうランチか……なんて、長居し過ぎ?モーニングセットは朝7:00〜11:00まで。11:00〜17:30には軽食メニューへ代わり、さらに11:00〜14:00の間のみ後述するサンドバーガーランチが登場する。
モーニングセットは「ドリンクの価格のみでトーストセット付きます」――最早この法則は、東海圏に生まれしすべての者に生前より組み込まれし「遺伝子情報」のような存在であるに違いない。名古屋・東海地方の喫茶店文化を正しく受け継ぐ店である。
軽食メニューバーガー&トーストサンド\580が食べられるのは11:00から。よって11:00までハンバーガーは食べられない。マクドナルドだって10:30からしかレギュラーメニューを食べることはできない。つまり朝ハンバーガーを摂取できる機会というのはガクンと落ちるということである。
バーガー&トーストサンドは「バーガーバンズとトーストパンどちらかお選び下さい」という二択がまず来て、次に「さくら咲くハンバーグ」「とんかつ」「ツナバーグ」「サーモンフライ」「タルタル甘酢チキン」「ツナきゅうり」「ピリ辛四川風チキン」の7つの中から中身の具材を選ぶ仕組み。つまり組み合わせは全14通り。「バーガーバンズ」で「さくら咲くハンバーグ」を選ぶとさくら咲くハンバーガーとなる次第。
●サンドバーガーランチ
さらにランチタイムになるとサンドバーガーランチ\780なるメニューが現れる。
これはまず席にバンズとパティ(あるいは上記7つの具材のうちのいずれか)だけ運ばれてくるので、ソレを持ってホール中央にあるバイキングスタイルのテーブルまで移動し、並べられた野菜などを好みで挟んで、客自らハンバーガーを作り上げるというもの。「楽しく作って、おいしく食べる! ヘルシー野菜はお好み通り 世界に一つ自分だけのオリジナルバーガー」――挟む量をはじめ積み順まで任されるワケだから、お味については自己責任でネ……という、ま、少なからずお遊びな要素の入ったメニューである。いずれにせよ画期的。
ポテト盛り放題、日替わりスープあり、ちょっとしたデザートあり、またドリンクバーはディスペンサーでなくポットから注ぐようになっていて、言うなれば、お手頃価格でちょっとしたホテルのモーニングビュッフェ気分が楽しめる……?といった趣き。
思案の結果、私はクラウン(上バンズ)、ハンバーグ、オニオン、トマト、レタス、ヒール(下バンズ)の順とした。下のバンズにはバターが塗られている。
サンドバーガーランチで作ったさくら咲くハンバーガー。バンズは表面のザラッとした感じは良いのだが、やわらか過ぎる。パティがやわらか〜く、ジューシーな「ハンバーグ」であるため、ソレにお付き合いしてバンズもやわらかいと、ふわふわとどこまでも歯の止まるところがない。そして甘味が強過ぎ。オニオンもノリピー級に辛味が抜いてあるため、ピリッと締める役割のものが存在しない。まぁマスタードで補えばよいのだろうけど。
●縁起物
「バイキングスタイルのサンドイッチがしたかった」とのお話。サンドイッチの「軽食」なイメージから抜け出して、さらにもうちょっと「ランチっぽく」と考えたとき、ハンバーガーに行き着いた。以上何でもないエピソードのようでいてコレ、両者の関係についてなかなか暗示的である。
ま、あくまでハンバーガー的な視点のみで言うなら、バイキングの食材にさらにベーコン、エッグ、チーズ、ハラペーニョ、チリビーンズ等々並ぶと、一層充実した「華麗なるハンバーガー・バー」が誕生するだろうか……などと、ちょっと本気でワクワクしてみたり。
パティがハンバーグである点は、むしろこうした喫茶店の雰囲気にはふさわしいだろうか。基本ホームドラマなのに戦争シーンだけがミョウにリアルでスプラッター……なんて映画は、やはり観ていて違和感を覚えたりするワケである。こうした喫茶店で「ビーフ100%、つなぎなし」の本格ビーフパティが出て来たら、やはり退くだろう。本日の日替わりランチが「とんかつ」であったりするのも、いかにも喫茶店らしい。そうこなくっちゃ!
ただバンズに関しては、バターロール系の甘味の強いものは見直しても良いかも知れない。「パンがおいしい」というのは特に女性の間では評判になるポイントでもあることだし。
さくら咲く、縁起物のカフェ。まだ咲き始め――やがて満開となるか。めざせ千本桜!
― shop data ―
所在地: 愛知県半田市青山2-14-6
名鉄河和線 青山駅歩5分 地図
TEL: 0569-89-6138
オープン: 2009年6月5日
営業時間: 7:00〜18:00
ランチ: 11:00〜14:00
定休日: 月曜日(要確認)