その昔、ファミリーレストランはキラキラと光り輝く憧れの存在であった。そんな往事の輝きを今なおきっちりと放ち続けている店がこちら、Sizzler(シズラー)である。
'91年にココ新宿三井ビルにオープンした(店舗の位置はやや移動)。そもそも新宿三井ビル自体、高層ビル群が出来た昭和50年代当時の"夢"と"熱気"を現在も色濃く(かつ比較的当時のまま、忠実に)残す建物であるように思うのである。
まぁそんなワケで見て下さいよ! このキラッキラぶりを!! ――こういう一家団欒的シルエットを見ると、「純露」のCM思い出すんですよネェ――福岡「SEA DINER」の馬場さんも「アメリカを感じる店」として、コノ店の名を挙げておられます。詳しくは『創刊準備号』掲載のインタビューをご覧下さい。
さて――。
シズラー トラディショナル バーガー¥2,680――値段だけ聞くと、えーっ! と思うだろうが、魅惑のサラダ・スープ・デザート&ビバレッジバー付きである。ハンバーガーはサラダバーを利用する為の、言わば「パスポート」のようなもので……(笑)。
オニオンはフライド、レタスはホットドッグのように細く刻み、ベーコンも長いのが1枚ビローンじゃなく、適当なサイズにカットしたものが、薄くひらひら〜と波打ちながら、パティの上で小躍りしている。つまりこのバーガー、本来噛み切らねばならない具材3点が、あらかじめ細かく裁断されているため、非常に分離がよいと言うか、噛むとキレイにそのカタチに切り離すことが可能である。ふだん噛み切るのがヘタっぴな人には好適。
豪州産「オリーブビーフ」使用のビーフパティも食感やわらかめ。肉らしさをきっちり感じさせつつも、香りはライトで上品。おだやかな味わい。ゆるく肉汁に包まれたような印象。流行り言葉を遣うなら「草食系」です(笑)。
軽いんですよ。重くないんです。でも肉食べた感はあるという――。
さてそれでバンズである。取り立ててどうという代物でもないのだが、その特徴無きバンズに「一芸」させているワケですよ。上下バンズの裏(内側)に何でしょ……バターでも塗った後から炙ってるのかなぁ? ハッシュポテトの表面のようなパリパリしたコゲがあって、歯応え軽快! バーガーの分離の良さにも一役買っている。添えられたサウザンアイランドソースは美味なれど、使わずとも十分。
ときにバーガー食後の第2ステージ、肝心のサラダ・スープ・デザート&ビバレッジバーは思いのほか振るわず……もうお腹パンパンでね。ごく控え目に過ごしました次第。
大都会・新宿のビルの谷間、キラキラ光るカジュアルレストランに私が見たモノは……「郷愁」ですかね?
― shop data ―
●新宿三井ビル店
所在地: 東京都新宿区西新宿2-1-1 新宿三井ビル2F
都営地下鉄大江戸線 都庁前駅歩2分 地図
TEL: 03-3342-5814
URL: http://www.sizzler.jp/index.html
オープン: 1991年4月
* 営業時間 *
平 日: 11:00〜23:00
土日祝: 11:00〜23:00
定休日: 月曜日(要確認)