横浜は北山田のBigmamacafe(ビッグママカフェ)では10年来、ほぼ変わらないスタイルのハンバーガーを提供し続けてきた。しかし最近、世のハンバーガー(特に都内)の急激な進化と変貌の様子を目の当たりにして、ハートに火が点き、猛烈な勢いで研究と改良を重ねた結果、出来たハンバーガーがコレである。何が変わったかと言うと、バンズとパティを自家製にしたのだ――まさかそこまでやるとは思わなんだ。
コールスローとチリビーンスープに、おかわり自由のドリンクまで付いたランチタイムのチーズバーガー¥1,095。夜はオープンスタイルだが、昼は重ねて出してくる。
表面「つるんとキラキラ」(作者談)、市販の天然酵母を使ったバンズは、しかし不必要に"自家製"ぶりを主張することなく、特有の酵母臭も控え目、バーガー「全体」を考慮に入れて設計された、丁寧な作り込み。生地もやわらか過ぎず硬過ぎず、プチプチと切れてしまうこともなく、ハンバーガーのバンズとして適当な弾力と食感を持っている。
良質のオージービーフと国産牛をミックスさせたパティも同様、自前のミンチャーで挽いた自家製。いわゆる「肉汁あふれる」系、日本人の好みをとらえた程良い脂加減と捏ね加減と焼き加減。コレにガツッとやや強めに塩こしょうを振って、味付けはそれだけである。
短期"超"集中ともいえるハードな"京浜"バーガー巡りと、その後の研究を経て改良を施したのはバンズとパティ、あとは積み順のみ。他店のおいしいアイデアをパクパク頂戴したり寄せ集めたり、イイトコ取りなどすること無く、あくまで自身の味とスタイルを貫きながら、バンズとパティという「アンタッチャブル」な主要食材の見直しに徹底的に取り組んだ点が、見事の一語。時代に合わせ進化・適応を遂げながらも、一方で古き良き時代の自分たちの姿は忘れない――横浜のハンバーガーとはまさにそんなスタイルかも知れない。横浜伝統の味わいの感じられる逸品。
都内のような華麗なソース使いは無いけれど、おいしいパティの存在を中心に味わいのガシッと凝縮された、シンプルで力のあるバーガー。初めて食べた時のチーズバーガーとは格段の違い。難は、人によっては強過ぎると感じるだろう塩加減と(でもパンチはある)、ときにパティの味わいを消してしまうオニオンの辛味かな。
― shop data ―
所在地: 神奈川県横浜市都筑区北山田2-4-20 ヴァンクレールU1F
横浜市営地下鉄グリーンライン 北山田駅歩2分 地図
TEL: 045-592-3331
URL: http://www.bigmamacafe.com/index.html
オープン: 1998年1月25日
営業時間: 11:30〜15:00, 19:00〜26:00(LO25:30)
ランチ: 11:30〜15:00(LO14:30)
定休日: 月曜日(要確認)