2008年04月17日

# 194 TOMATO FARM [福岡・高宮]





●高宮

 大橋からひと駅戻って、高宮。この高宮と隣の平尾の辺りは古くからの住宅街であるが、大牟田線と並行して走る高宮通りのケヤキ並木はまだ若く、閑静な佇まいの中にもさわやかな印象を与えている――おそらく電線が無いのが、そう思わせる一番の理由だろう。


 20年以上前のこと、この高宮通りを中心に大がかりな区画整理が行われた時期があった。電線はそのとき地中に埋められたのだが、ちょうどこの同じ頃、高宮で最初のハンバーガーショップが産声を上げている――トマトファームである。


●味の保証

 若久(わかひさ)川という小川(放水路)が前を流れて、遮るものなき好立地。今年で23年――「20数年ともなると、もぉ『味の保証』みたいなもんでしょ」「久しぶりに来たお客さんに『あっー!あったー!!』と言ってもらえるのが嬉しい」とは、現在コノ店をほぼ一人で切り盛るお母さん。


 ご夫婦で始められた。ご主人は会社勤めをしていたが、いつか「食べ物屋」をやりたい夢があり、シロウトでもできそうな……ということでハンバーガーを選んだ。よく耳にする開業の理由だが、されどきっちりと積み重ねられた23年という歳月を前にしては、そんなことなどどうでもよい。

 オープンは'85年。ハンバーガーというよりコーヒーショップという趣の店内。入り口にはカララン……と入店を告げるベルが取り付けられている。




●1985年


 以前店先に架かっていた看板を見せていただいた。なんとご主人が手彫りしたものである。角を曲がる人がよくコレにぶつかったため、外してしまったという……何たる理由。

 ご主人は先年亡くなられ、11年前からお母さんがほぼ一人で切り盛りしている。当初は23時まで営業していたが、周りの閉まるのが早いため、今の時間に落ち着いた。


 1985年というと、あだち充「タッチ」の連載真っ最中の時期である。浅倉南の父が営む喫茶店「南風」など、時代的に言えばコノ店もおおむねそんな空気……それを言うなら「みゆき」に登場する喫茶店「ドラゴン」もそうか。通りのけやき並木や店横に伸びる蔦の葉の雰囲気と相俟って、ハナからどこかノスタルジィを覚える店である。

 前述の道路工事がオープン早々1年続き、その間はサッパリだったが、工事の終わりと共に中高生が大挙して押し寄せて来た。チェーン各店より量の多いポテトが評判を呼び、生徒諸君は高宮駅で途中下車する執心ぶり。バブルの頃が全盛期、今では多少落ち着いて、客層も大学生から20〜30代が中心になった。


●和牛と無添加

 ハンバーガー類11種。当時は「甘いのが流行っていた」が、今は控え目にしているという点以外、味はほぼ当時のまま。値段も10年以上前から不動で、ハンバーガーのレギュラー¥230は創業より不変。パティに使う牛肉は和牛専門店から仕入れており、添加物不使用。肉屋とは創業以来20数年、安定価格のお付き合いという。持つべきものは良き隣人と――。


 パティはレギュラー60g、ビッグ120g。これはご主人が学生時代、東京で出会った巨大ハンバーガーの鮮烈な印象がモトで始めたもので、店をやるに当たっては最初から「サイズは2種類」と決めていたのだという。

 アルミホイルに包まれている。紙包みなら大小2種類必要だが、ホイルならサイズに合わせて切る長さを変えれば済む――というこの理由、全く同じことココでも聞いたな

 セットが充実。ドリンク付の「サービスセット」はハンバーガーセット\360。コレにポテトSが付くと「\500セット」。「\600セット」になるとポテトSSでハンバーガーはBigに……覚えられました?他にフライドポテトL¥280、チキンナゲット(5P)¥300〜、若どり和風から揚げ¥320、サラダ、スープ、ドッグなど。ファストフード店的な楽しみに満ちた店である。

●家庭の味わい

 お母さんのオススメはトマトファームバーガーR\260、ポテトサラダを挟んだカリフォルニアバーガーR\360。雑誌取材で人気のめんたいバーガー\300は鶏肉のミンチ。持ち帰りのドリンクはコカコーラかジンジャーエールの「瓶」というめずらしさ。


 トマトファームバーガーR\260。上バン(クラウン)の下に酸味効きまくりのマヨネーズ、踊るレタス、実に分厚いトマト、溶かさず味の濃いチェダーチーズ、特製ソース、パティ、下バン(ヒール)。

 和牛パティは脂少な目。主役たるトマトの存在がバンと前面に出ていて、効果的。食べやすい上に後味さっぱり。「おうちで作るような」「ハンバーグとして食べてもおいしい」というコンセプトそのままの、家庭的な、ホワ〜ッとした味わいのハンバーガー。


●完食が誇り

 当時東京にストロベリーファームというカッコイイ店があったそうで(調布にあった店か)、これにあやかって名付けたというのが店名の由来である。2年前にホームページを作成。ネット通販もやっている。

 以前はみなさん食べるのがヘタだったが、今では残さずキレイに食べてくれるのが「誇り」というお母さん。力まず、気負わず、悠然と、流るるままに高宮通りの四半世紀を見つめ続けた、手造りハンバーガーの店。ハンバーガー リサ無き今、博多で「ハンバーガーと言えば」まず名の挙がる、老舗中の老舗である。ウィキペディア「高宮駅」の項にも出て来ます――ソレ、凄いことですヨ。




― shop data ―
所在地: 福岡県福岡市南区野間1-2-12
      西鉄天神大牟田線 高宮駅歩3分 地図
TEL: 092-552-0481
URL: http://www.tomato-farm.net/
オープン: 1985年11月25日
営業時間: 11:30〜19:00
定休日: 月曜日(要確認)

2008.4.17 Y.M

トマトファーム ハンバーガー / 高宮駅
昼総合点★★★★ 4.0

posted by ハンバーガーストリート at 18:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 西国編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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