特集 ◆ ファストフード
第二週
ファストフード 【fast food】
ファーストフード 、ファストフード(英語(米語): fast food(ファストフード))とは、短時間で作れる、あるいは、短時間で食べられる手軽な食品・食事である。
日本における日本語では「ファーストフード」と表記・発音することが多いが、英語原音「fast」をカタカナ表記する際の通例に従えば、「ファストフード」となる。日本マスコミでは「ファストフード」が統一表記として用いられている(後略) ……って、こっからが本題なんですけどネ。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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いよいよ「絶品」の登場――。
絶品チーズバーガー¥360。昨年'07年11月30日に発売された首都圏75店舗・1日200食限定('08年2月現在)の新メニュー。開発監修に当たったのは、ロッテリア商品総合プロデューサーにして、あの渋谷「ヴィロン」の名フレンチ・シェフ嶋原博氏――都内バーガー各店で「お見かけしました」情報も多数寄せられております。
●パティ重量、レギュラー45g→絶品80g、業界初の部位指定、●酒種酵母使用(「峰屋」オマージュか)、手捏ねの工程を加えたバンズ、●プロセスチーズでなく、グリュイエールとレッドチェダー2種類のナチュラルチーズを使用。水を加えて溶かし焼きにする
といったファストフード界にとっての「型破り」「常識破り」がいくつも敢行されていて、その辺りの各店舗への落とし込みの労を思うと、大変だったろうなぁ、と。
ただコレ……ハンバーガーと言われればそうなのだが、でも別な食べ物……たとえばおやき? ――「インパクト重視、見た目重視のバーガーラッシュが続いていますが、『絶品チーズバーガー』は味で勝負しています」(エイ出版「ハンバーガーの本」)という考えに基づく部分もあるようなのだが、それでもハンバーガーはあくまで見た目こそ重要なのでは――。
絶品に限らずロッテリアのバーガーは、全般的に「ハンバーガーによく似た日本独自の食べ物」という雰囲気が何処とは無しにあって、日本人に合うサイズとか、好む味とか好まぬ味とか、そうした日本人の嗜好をものすごくよく勘案した結果こうなったのだろうという「工夫」と「いたわり」が、バーガーの端々から痛いほどよく感じられるように思う(モスも然り)。
それはマクドナルドも同じことなのだが、しかしマックの方が至るところに無茶がある。無鉄砲である。傍若無人である。弾けている――。ロッテリアの方が「やさしさ」のある分、何をやっても無難に落ち着いてしまう印象があるのだ。この「絶品」についても、包み紙を開けると「オモテ」が顔出すそのきちんとした居住まいから、いまひとつハンバーガーオーラを感じ取ることは出来なかった。だからひとつ間違えると「おやき」かなと……。
だから私からすれば、ロッテリアにもうひと声欲しいのは、ビジュアルも含めた「ハンバーガーらしさ」なのである。今回の「絶品」で中身で勝負、味で勝負のお気持ちは十分伝わりましたので、今度はぜひ「見た目重視」のバーガーを作って下さい――360円なのに「この美しい見た目!!」という絶品を。
日を変え、店を変え2度食べたのだが、その2度の印象が違う……。
初回のバンズは、リッチ系のわかりやすい甘さと皮の張り方が、ロールパンに"ハンバーグ"を挟んでラップでくるんだような、パン屋さんの惣菜パン系を連想させて、エラク「安い」イメージを持ったものだが、しかし2度目食べたときには、それこそ峰屋にも近いクシャッとつぶれる弾力があり、実に「バンズらしいバンズ」をしていた。ま、こういうものは日によって変わるもので……。
パティの印象は2度とも変わらず。ふだんレギュラーパティのアノやわらかく、なめらかな食感に慣れている人にとっては、あるいは硬くて粗悪なものと受け取られたかも知れない。事実私は「ジューシーな肉感が」と言うよりも、何だか硬いな……と思ってしまったので。この意見の分かれそうな特製パティの方向性こそ、このバーガー最大の勝負どころと見た。
チーズは初回はよく溶けていたが、2度目は溶け方が足りないように感じた。初回の印象で言うと、グリエールのあの特有のクサいニオイが立ち過ぎぬよう抑えつつ、ブラックペッパーの辛さと出会ってホットな魅力を放ち、実においしい。鼻先にいつまでも残るチーズの余韻――脂は多いが。
ただブラックペッパーが不必要にキツい。ノドがカラカラになり、ゆえにパティも実際以上にパサパサと「ドライ」に感じられて、少なくともパティの印象を悪くしていると思う……あっ! ブラックペッパーは最初からパティに混ぜてるのネ? 多過ぎだよ〜。これでは「たまごダブルマック」とやっていることが変わらなくなってしまう。
これだけ部位だ、素材だ、シンプルだと一生懸命やってきているのだから、その積み上げをスパイスの分量ひとつで御破算にして欲しくないものである。ブラックペッパーの効きの影響で、この「絶品」の味わいは細やかなものでなく、かなり「ラフ」なものになっている。何だかコショウの味で誤魔化されてる気になるワケですよ。
もうハッキリ言います――コショウで損してます。もし部位の品質に自信があるのなら、もっと強気に出て下さい。コショウが退けば、さらに立ってくる味わいや食感もあるでしょう。
→ # ファストフード ◆ ロッテリアのハンバーガー
# 003 ロッテリア
― shop data ―
●日本橋高島屋店
所在地: 東京都中央区日本橋2-4-1 北別館1階
東京メトロ・都営地下鉄 日本橋駅B1出口より歩1分 地図
TEL: 03-3275-1158
オープン: 1972年9月
営業時間: 7:30〜21:30
定休日: 無休(一応確認)
コメントありがとうございました。
ロッテリアの試みは賞賛に値すると思うのですが、
ベースが出来てない感が否めません。
先ず、現在のハンバーガーの状況の分析。
そして自分の店の置かれている位置と、消費者の認識。
中途半端では無駄になるんです。
その先、どこに進むのか?
見据える視点が定まっていない。
僭越ながらそう感ぜられました。
単純に言うと「中高生が気楽にダベリながら食すバーガー」が従来のロッテリアです。
それはマクドも同じ。
マクドの場合「話題性」って事で「でかさ」を売ってみました、とまとめることが出来るでしょう。
「味」でないんですね。
で、店舗を差別化することで客層を分けた。
モスは当初から品質・味重視。値段二の次。
最近セットメニューを売り出して、少し敷居を下げましたが、やはり高値感は否めません。
なのにファーストフード。かなりアンバランス。
お客さんが「ファーストフード店」に「食事」を「味わい」に行ってるのでしょうか?疑問です。
o○☆*゚おやきでしたら、伝統本式のはここで食べられます。
やきもち家
http://www.nakajyo-actio.jp/yakimochiya/motenashi.html
いいですよ〜、ここ。
機会があればゼヒ宿泊込みで行ってみてください。
無論、おやきだけでも食べられます。
たびたびのコメントありがとうございます。
今回の特集は、私たちのハンバーガーとの出会いの「原点」である、ファストフードのハンバーガーをあらためて見直して、そこからいろいろと考えましょう――というのが意図としてあったんです。
再検証と言いますか、再確認と言いますか、少しでもそういったことのお役に立てれば、まぁやった意味があったかなぁという感じです。
何が正しいということもないんでしょうけど、でも「こうあって欲しいなぁ」という希望やイメージは人それぞれにきっとあると思いますから、出来たら自分の思う姿やおいしさに近付いて行ってもらえたらなぁというところですネ。
そんな感じで、実は私は「おやき」を食べたことがないんですよね。おそらく。少なくとも「コレがおやきかぁ」と思って食べたことはありません。去年は長野には3度も行ったのですが。是非とびきりおいしいヤツをいただきたいものです。
ありがとうございました。またよろしくお願いいたします。