2007年10月25日

【二ッ目!】 AUNTY-MEE burger [滋賀・大津] のQUEEN



◆ 第16回 ◆ AUNTY-MEE BURGER [滋賀・大津]


 さぁ、今回の最後の目的地「アンティーミーバーガー(以下「AMB」)」についに到着である。

●まずはハンバーガーから

 岩波マスターの薦めもあり、4.5オンスパティ(約127.6グラム)のQUEEN(クィーン)¥650に+チーズ+トマト+スライスオニオン、そして新トッピングのハラペーニョを加えて¥900。

 岩波氏曰く、3オンスパティ(約85.0グラム)のレギュラーよりクィーンの方が、パティとバンズのバランスが良いようで、確かに昨夏食べたレギュラーより今回のクィーンの方が、マスターが意図するパティのやわらかな食感や丸みのある味わいがわかりやすく表現されていて、よりおいしくいただくことができた。


 食欲ソソるこげ茶色のバンズはややドライ目。見たままにフカーッとしていて、汁気をしっかりとらえる保湿力の高さ。トマトの酸味、オニオンのイヤじゃない辛味。そしてハラペーニョの刺激はオトナの"隠し味"。

 チェダーチーズもしっかり効いて、丸いパティの味を中心にさまざまな味や香りが意外や「さらり」とした方向にまとまって、不変不動のAMB味を打ち出している。謳い文句にあるとおり、確かに飲み物要らずノドに詰まったり、塩気によりノドが乾いたりすることは一度としてなかった。

 強いて言えば、クラウン(上バン)をもう気持ち小さく切った方が、見た目のバランスがさらに良くなるだろうか。

§ §

 ところでこのハンバーガーを手にしたのは、到着から実に2時間24分後のことであった。以下、その間に起きた出来事を……。


●13時49分、AMBのある歩道上

 さぁ、今回の最後の目的地「アンティーミーバーガー」についに到着である。


 到着時、10数人は並んでいたか。キッチンカーのヨコにパラソルを立てた黄色いベンチ。そのヨコに丸イスが5、6席続いていて、座って待っている人もいれば、所在無く路上に佇んでいる人もいる。非常に緩やかな待ち列である。

 最初私は列に付かず、店の様子を撮って回った。そのうちセッキーさんから借りたデジカメのバッテリーが、早くも残量僅かになったため(昨夜フルに充電したにも関わらず)、この行列相手に鋭意調理中のマスターの手を止めぬよう気遣いながら声を掛け、コンセントを借りた。


 そのうち私より「後」のお客さんが来たので私も列に並び、充電する間にメモリの画像をPCに吐き出した――この間列はほとんど進まない。

 ノドが乾いた。列を離れ、高架の向こうにあるコンビニまで飲み物を買いに行き、戻ってきたが、これといった進展はない。注文を聞かれる気配もない。

 そう言えば、さっきから店長(奥さんのこと)の姿が見えないなと気にはなっていたのだが、きっと今日は同窓会でもあるのだろうと、気にするのはやめて、さらに待った。この間、注文後に一時店を離れていたお客さんが何組か戻って来て、待っている人は実際にはもっと多くいることが判明。

●1時間後

 ひとしきり注文をこなしたところで焼く手を一時止め、マスターが注文を取りにクルマから出て来た。まだ聞いていない人全員が対象。


 注文を取り終えると、店長また黙々と作りにかかる。たまに材料を母屋に取りに戻るほか、始終黄色いクルマの中。トイレに行く暇も無く、ずっーと焼き通し。こりゃ大変だ!

 私の感覚では、10数人程度の列なら、まぁ1時間もあればバーガーに有り付けるだろうと踏んでいたのである。しかし実際には1時間経って、やっと列の半分を処理したところ。この間にもお客さんは増え続けている。

 何に感心したといって、結果2時間半待ちのこの列に、不平ひとつ言わずひたすら待ち続けたみなさんの、その忍耐力、そして意志の固さ。いやぁーよく待ったよネェ!! と、お互い待ち続けた者同士、なによりそれを讃え合いたい。だって2時間半って、優に映画一本分ですよ!


 代わる目的をいくらでも見つけられる街中ならともかく、ココは正直何にもない場所なので、待つより手はないのかも知れないが、それにしたって……である。

 しかもこれだけ待たせている中、これといった不平も混乱も暴動も起こさず、客をうまーいことリードするマスターの手練手管もまた見事。人心を掴んで、ひとつの「共同体」を形成する能力にマスターはズバ抜けて長けている。

 しかし小さなお子さん連れもいらした中、みなさんホントよく待たれましたよ。

●雨

 前日に続いて、ここでもまた雨。皆して丸イスを小屋の中に運び込み、ある人は自分のクルマに戻って、列は一時解散。


 イートインのある店でコーヒー飲みながら、何かつまみながら待っている――というのとはまるで条件が違うのである。水もツマミもなーんもナシ。トイレもナシ。雨のしと振る叡山の欝々とした姿を、ただぼーっと眺めるのみ――さすがに最後はすること無くなります。

●行列考

 もちろんマスターだって、この状況を良しとはまるで思っていないわけで、その点は代弁しておきたい。行列を容認しているわけでなく、まして故意に行列を作り出しているわけでは全くもってない。解消できるものならしたいのである。

 なぜ行列ができるのか――要は需要と供給のバランスの問題である。つまり「食べたい」という人の数が店の処理能力を上回るから、さばき切れずに行列になる。AMBの場合は鉄板が小さくて、一度に焼けるバーガーの数に限りがあるというのが原因の根本。


 一方で「ハンバーガーの素晴しさをしっかりアピールしたい」という熱い思いから、特に初めてのお客さんには鉄板の前に回ってもらって、焼きながらの「口上」を一組一組丁寧にしている――というのも確かに一因には当たるだろう。寡黙に焼き続けるよりも、多少でも余計に時間はかかるだろうから。

 しかしこうした地道な努力の積み重ねこそが、後日確実にハンバーガー「ファン」を増やし、裾野を広げることにつながるだろうと私は確信するので、「長い目で見れば」であるが、この極限状態の中、非常に意義あることをなさっておられると、これについては私は密かに賛同している。

 とにかくその辺りの「キャパの限界」ならびに「本当にやりたいこととの矛盾」という点についてマスターは、兼ねて有効な解決策を準備していて、おそらくそう遠くない時期に実行に移すだろうと、私はそう聞いているので、まぁ作る側も待つ側も、もう少々の辛抱ということで――。

 なのでこの行列は、「おいしいか否か」ということとはまた違う次元の「自然渋滞」であり、「人災」であるとも言える。世の中「おいしいから」行列ができるというケースばかりではないということであり、また逆に、行列のできる店「だからおいしい」という公式も必ず成り立つものではない。

 行列は「いま注目されている」ことのバロメーターにはなろうが、必ずしも「おいしさ」のバロメーターになるとは言い切れないということである。なのでこの行列だけをもってAMBを判断するのは正しくない。AMBのおいしさは、およそ行列の長さだけで推し量れるようなものではないのだ。――まぁそれはどの店でも同じであるが。

●帰りの心配

 さて2時間待ってもなお出て来ない。ということは……そろそろ別の心配を始めなくてはならなくなってきた…… 【つづく】



# 146 AUNTY-MEE BURGER [滋賀・大津]

― shop data ―
所在地: 滋賀県大津市見世1-11-21
     京阪石山坂本線 南滋賀・滋賀里駅歩10分 地図
TEL: 080-3761-8480
URL: http://www.cable-net.ne.jp/user/uncle-mee/AMB.htm
オープン: 2003年8月1日
* 営業時間 *
月〜土: 11:30〜22:00
日曜日: 11:30〜18:00
定休日: 火曜日・水曜日(要確認)

2007.10.25 Y.M
posted by ハンバーガーストリート at 23:33 | TrackBack(1) | 【二ッ目!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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