リクルート発行の輸入車・高級車情報誌「カーセンサーエッジ」07/08/16号(2007年8月2日発売)にハンバーガーの特集が掲載されている。
●「クルマ」「旅」「バーガー」
テーマは「欧州コンパクトカーで激旨バーガーを探す旅」――「排気量の小さい欧州コンパクトカーで(=ローカロリー)、ハイカロリーだけど美味しい地ハンバーガーを食べにドライブする」というその趣旨を聞いて、すっごくイイ企画だなぁ〜と思わず唸ったものだ。
クルマに乗って食べに行くというのがまずイイ。しかもドライブの末のお目当てがハンバーガーであるというのが実にイイ。「ハンバーガー」という目的に向かって「クルマ」という手段で「旅」をする(もっとも彼らにとってはクルマも目的のうちに入るのだが)――その「過程」こそが何よりまずタマンナイわけですヨ!
全18ページ――その「クルマ」「旅」「バーガー」という、「パン」「茶」「宿直」にも迫る激渋なトリニティを、誌面いっぱいのスナップ写真と出所不明の情熱で綴るという、昨今稀に見る好企画に仕上がっている。
実際に編集者が"PEUGEOT"や"FIAT"などの欧州コンパクトカーに乗り込んで、東京から片道1200kmの行程を佐世保目指して突っ走るワケですよ。台風4号北上中の日本列島を西へ西へと。で、現地でハンバーガーを頬張る……普通に考えてもムチャでしょ?
大体見出しが「PEUGEOT 207GTi × BIGMAN in Sasebo」とか「コラボ」になってるワケですよ。掛け算されちゃってるワケ。しかもタコメーターとかテールランプとか当然が如く撮って載せてるし。「給油」とか――クルマ好き・バーガー好きともども涙モノ……。
●気分はパラノイア
「カーセンサーエッジは、基本クルマの本なのですが、ちょっと"ハズシ"を狙うのが好きなんです」と編集某氏。「微かにでもクルマに絡められれば、取り上げるモチーフは何でも良かったりします(笑)」といって憚(はばか)らないのだが、しかしその「何でも良かったり」な柔軟な材の求め方こそが、カーライフに新たなヒントを与え、潤いや広がりをもたらすという、「大人のためのプレミアカーライフ実現マガジン」のサブタイトルに不可欠な「遊び」の要素であるワケなのだ。
ハンバーガーにも全く同じことが言えて、ハンバーガー「単品」ばかりをどんなに一生懸命に凝視・喧伝してみたところで、実体以上の広がりや発展を望むことはなかなか難しいわけである。
そこに「背景」であるとか、「歴史」であるとか「文化」であるとか、もっとさまざまな視点を持ち込んでハンバーガーの周りを明るく照らし出してみることで、思いもよらぬ可能性や行く道筋がもっともっと数限り無く見えてくるのかな、と。今回の「クルマとバーガー」だってホラ……掛け算すればこれだけいろんな魅力が発見できるでしょ?
最後に――。
編集某氏に「なぜクルマ雑誌がハンバーガーを取り上げたのか?」訊いてみたところ、「今注目されつつあるから」というあまりに真っ当過ぎる理由のほかに、こんな興味深いお言葉をいただいた――「やれ『メタボ』だ『ビリーズブートキャンプ』だと騒いでいる割りには、みんな好きじゃないですか、ハンバーガー。ちょっと『パラノイアな感じ』が、今の世の中のノリだったりするのかな、なんて……」。
§ §
浅からぬクルマの説明の前後にバーガー店の描写が二元中継的に続くブッ飛びな記事構成、さらにラストには、欧州小型車と日本のハンバーガーの歴史を併記した、およそ誰の役にも立たないであろうくらい画期的な年表が用意されていて……もぉ何かホント、賞でも送りたくなってきたなぁ……。
トップ写真:上段左から、chorky's DINER [岐阜・大垣]、海賊島ハンバーガー [長野・佐久平]、Burger Shop UNICO [栃木・那須]、LATINO HEAT [神奈川・茅ヶ崎]、下段左からAUNTY-MEE BURGER [滋賀・大津]、Hi-5 BURGERS [茨城・つくば]、BIG SMILE [茨城・取手]
"関東近郊"
【クルマで行く5店】
(駐車場完備)
# 175 Burger Shop UNICO [栃木・那須]
# 135 BIG SMILE [茨城・取手]
# 168 Hi-5 BURGERS [茨城・つくば]
# 174 LATINO HEAT [神奈川・茅ヶ崎]
# 119 海賊島ハンバーガー [長野・佐久平]
プラス、上に写真を載せた3店
# 171 chorky's DINER [岐阜・大垣]
# 146 AUNTY-MEE BURGER [滋賀・大津]
# 094 ヒカリ [長崎・佐世保]
→ リクルート:カーセンサーエッジ Car Sensor EDGE
2007.8.2 Y.M
貴殿のコメントもしっかり出ているじゃあないですか。これに刺激されて車で遠出するバーガーフリークがきっと居ると思います。ええ、勿論私もその一人ですが・・・取り急ぎ掲載おめでとう。
コメントありがとうございます。
写真も巧いし、デザインもいいし、本当に素晴らしい企画を考えつかれたものと、感心すると同時に感謝すらしております。編集部のみなさまには。
タカシ。様も実際クルマで佐世保まで行かれましたものね?私は運転は大の苦手なので、そうした意味では今回のクルマの企画も半ば「ネコに小判」なんですけど、それでもクルマ好きの「愛あるまなざし」が何より解りやすく感じられる内容でしたので、「クルマ旅も悪くないな」くらいには思い直す好い機会になりましたね。
そんな次第でクルマを使える人はどんどんクルマをご活用を。私は基本鉄道です。
またよろしくお願いいたします。
てっきり薄い雑誌かと思って探したら別冊附録だったのですね
他の雑誌に挟み替えたり,抜き取ったり,300円払うから附録だけ寄こせと言ったり。考えましたが普通に買いました。雑誌の性質上立派な仕様に得した気分ですが,よく考えたら情報はほとんど不要だ
鉄道とバーガー。ミスマッチですが不合理ではないような気がするので,「旅と鉄道」か,クルマ繋がりの「レイルマガジン」辺りで特集されないかな
しかし「大人のための」クルマというと,なぜこんなにブルジョア?
コメントありがとうございます。
しかし永久保存したい情報だけ最初から別れているワケですから、良心的なつくりでしょう。
で、ブルジョアがバーガー食べに行くという辺りがまたパラノイアなワケですよ。いずれにせよ旅情にバーガーは合う気がします。
またよろしくお願いいたします。