2007年06月18日

# 177 OCEANS BURGER INN [豊洲]



 清濁併せのみ、尚、清波漂わす――特集、"海にハンバーガー"


●アーバンドック ららぽーと豊洲

 船橋の特産とばかり思っていたららぽーとが、最近にわかにその数を増している。昨秋'06年10月に豊洲にできたかと思えば、今春には横浜にもできた。豊洲の前には川崎にラゾーナも。

 さて、ららぽーと豊洲――有楽町線ともゆりかもめとも直結していないのは如何なものか……という声に対する"申し開き"かのように、「ドックウェイ」「サンセットウォーク」なる遊歩道が、両駅および晴海通りから発して館内を突き抜け、3棟に囲まれて内庭のようになったドックへと"直結"している――エェ、全ての道は豊洲に通じてますから。

 この晴海運河に向いたドックは水上バスの乗船場――豊洲には海路も通じている。その発着にあわせ、青空高く跳ね上がる跳ね橋の様子をぼーんやり眺めて過ごすのも、いかにもIHI的な楽しみ方。乗船券売場がなぜかエアストリーム。前は海、うしろは食欲・物欲‥‥さまざまな欲に囲まれて、ココは子供たちにとって格好の遊び場だろう。



オトナにとっても遊び場です



●アイランド

 さて、この中庭のようなスペースに離れのように突き出たアイランドと称される4つの建物がある。少し不規則な形をしていて、まぁゴルフ場のグリーンというが適当だろうか。そのうちのひとつがこのオーシャンズバーガーインである。「WIRED CAFE」「CAFE246」など直営21店を構え、いまや旭日の勢いの、あのカフェ・カンパニーが始めたバーガーショップだ。

 コンセプトはハワイ――環太平洋地域と西海岸の文化が融合する島・ハワイ諸島特有の、海でつながるクロスカルチャーをベースにした、その巧みな多文化の取り混ぜぶりこそコノ店最大の見どころだろう。籐で編んだ天井に床はコンクリ打ち放し。板壁をこんな色に塗り上げて、店内中央に楕円形に構えるオープンキッチンは60'sダイナー風。溶岩石(を思わせる岩)を積み上げたテラスが外に張り出して、ドックの向こうにはるかレインボーブリッジを望む。スピーカーはJBL。BGMは特にハワイにとらわれることなく、わりと何でも。


●ハワイアンスタイル

 バーガー類9種、ライスプレート8種。なぜかロコモコなし。そして世界のビールがなんと17種!しかもお手頃価格!ロングボードラガーファイヤーロックペールエールなどハワイのビールはもちろん、台湾・ベトナム・オーストラリア・メキシコなど環太平洋的ラインナップで誘惑。

 私はハワイに行ったことはないのだが、日本国内で出会ったハワイを謳うバーガーの感じを総合したものと、コノ店のバーガーとの間にはやはり共通する特徴がいくつか見られた(なので、ハワイのバーガーはきっとこんな感じなのだろう)。その特徴とは、1.平らな白いバンズを使い、2.パティはやわらか目、3.コレをオープンにして出してくる――という3点。但しクア・アイナはなぜか例外的。


●マカダミアナッツ

 クラシックチーズバーガー\850、ランチは+100円でドリンクセット。付け合せにフレンチフライとあま〜いピクルス。



 マカダミアナッツ入りの白いバンズの下にバサリとレタス、生オニオン、トマト、チェダーチーズ、パティ、下バンズ。とってもシンプル。

 セサミの代わりにバンズを飾るマカダミアナッツは確かに珍しくはあるが、特別何か機能している感じでもない。皮にムチッとウェットな張りがあって、皮だけが硬めの食感。パティにはタマネギ入り。やさしく穏やかな塩味。コゲの香ばしいニオイが食欲をソソル。水分少な目なのでケチャップ&マスタードを適宜。かなり濃い目の味のコノ自家製ケチャップはコゲの香りと相性がよく、ミョウに落ち着く方向にバーガーを向かわせる。

 後口にコーヒー\400。福岡の専門店から豆を入れるスペシャルティコーヒーで、穏やかな飲み口が、海よりそよぐ潮風とベストマッチ。


●カフェとダイナー

 仲間やファミリーでワイワイガヤガヤ楽しめる、フランクで、フレンドリーなお店――というこのコンセプトこそ、まさしくダイナー的精神に他ならないのだが、しかしサービスはややカフェ的。どこか一線で深く立ち入るまい、関わるまい、という"ためらい"が感じられて――と言っても"微かに"ではあるが――、我がこよなく愛するダイナーの人なつっこさが懐かしく思われた。ダイナーとはもっとネチっこいものだろう。

 ついでを言えば、いかに秀逸なこのインテリアデザインをもってしても、窓外がキッチリカッチリとした大都会東京の夜景では、イマイチ空気がゆるみ切らないというか、現在地を忘れ去ることができない。まぁ窓が大きくとってあるんでネェ。もっとウソくさい方がリゾートとしては雰囲気が出るのかも知れない。ららぽーと自体建物が異様に大きいので、どこか薄ら寂しさを感じてしまうのは致し方ないことだろうか。そう考えるとむしろ人出のある休日に来た方が、そんな要らぬ思いをしなくて済むのかも――ハンバーガーは「雰囲気」重要ですから。



とは言えステキな夜景

― shop data ―
所在地: 東京都江東区豊洲2-4-9 アーバンドックららぽーと豊洲1F
      東京メトロ有楽町線・ゆりかもめ 豊洲駅歩4分 地図
TEL: 03-6910-1292
URL: http://oceans-burger-inn.com/
オープン: 2006年10月
営業時間: 11:00〜23:00
定休日: なし(館休館日に準ずる。なので要確認)

2007.6.18 Y.M

オーシャンズバーガー イン ららぽーと豊洲店ハンバーガー / 豊洲駅新豊洲駅
昼総合点★★★☆☆ 3.0

posted by ハンバーガーストリート at 19:26| Comment(5) | TrackBack(0) | 東京編◆東部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
やはりチョイスは「チーズバーガー」なのですね。夕景店舗のブルーが素晴らしく綺麗なので思惑、壁紙にさせて頂きました、コンデジでこれだけブルーが出せるのなら私も挑戦したいです。因みに「IHI」の痕跡は建築物以外には残っていないのでしょうか。再度因みに私が行った後の1997年にクアアイナはホノルルに2号店を出したのですね。もう一度行きテーなぁ。
Posted by タカシ。 at 2007年06月20日 19:42
タカシ。様

コメントありがとうございます。

チーズバーガー……たとえ他にどんな魅力的なバーガーがあろうとも、初回はどの店でもなるべく同じモノ=チーズバーガーを頼むようにしています。常にどこかを同じにしておかないと、「ブレ」てしまうでしょうから。

それはさておき夕景ですが、これは目一杯「ブルー」を上げる色補正をかけています。コレに限らず、画像は常に私の持てる知識と能力のすべてを傾け、「ベスト」になるよう心がけてますね。

豊洲にはIHI豊洲ビルというのがありまして、ココが現在の本社です。他にはどうでしょう……大手企業の本社ビル、それに隣接するかたちでタワーマンションであるとか、そしてこのような大型商業・娯楽施設を造り、職住近接型の街づくりでしょうか。たださすがに毎日ららぽーとだと、飽きちゃうだろうなぁ。有り難味が薄れると言いますか……

で私は南国ハワイはおろか、土佐にすらまだ行ったことがないのですが、しかしクア・アイナはご当地よりも日本の方が店舗の数が圧倒的に多いようなので……なんかモォ、よく分からんですよネェ。なにがなにやら……


そんな次第でまたよろしくお願いいたします。
Posted by ハンバーガーストリート at 2007年06月23日 14:05
やはり、カメラ側で補正を掛けているのですね、レタッチソフトでは不自然な色に成っちゃいますし(高級ソフトなら別でしょうが)

リンクの地図でIHI豊洲ビルが近くに有るのは確認していました、超高層マンションも来年には竣工ですか、都心最大級の次世代シティーかぁ、景気が良い筈です。

閉話休題、今夜のNHK「家族に乾杯」は鶴瓶とジローラモが土佐市探訪の2回目です、28日の「ニッポン旅×旅ショー」は高知ロケですので是非、雰囲気だけでも味わって下さい。
Posted by タカシ。 at 2007年06月25日 18:26
タカシ。様

コメントありがとうございます。

あーいえ、カメラ側ではありませんね。後処理、画像処理でです。

特別何か勉強したワケでもないのですが、経験上、食べ物はシアンやブルーが強いとおいしく見えないので、それらを抑えて、イエローやレッドを上げるよう、その辺は特に注意しています。

ところで高知のバーガーショップはその後行かれましたか?


またよろしくお願いいたします!
Posted by ハンバーガーストリート at 2007年06月30日 16:11
PC側での処理だったんですね、了解しました。
高知ではチェーン系で無いバーガー店は殆ど無く四国島内に広げても記事になるようなお店を探す事が出来ません。たぶん又バーガーを求めて島外まで出向くことになるでしょう。フェニックスバーバーには月に一度程は通っています、改めて食べてみるとドミグラスがYOKOJIのそれと似ている事に気づきました。その時はロコモコ風のライスランチでしたがやはりバーガー屋のバーガーはバンズの方が相性が宜しいようで。
Posted by タカシ。 at 2007年07月02日 12:22
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