インターコンチネンタル 東京ベイ
DINING BAR C4U
くちびるにミステリー、特集――"海にハンバーガー"
●今、最もバーガーに力を入れているホテル
「新御三家」だなんて、そんなこと言ってるうちに時は2007年。でも「2007年問題」も今回全てスルーして、「今これだけハンバーガーに力を入れているホテルは、ココをおいて他にないでしょう」ト、言ッテルノハ私デスヨ……じゃなくてコレ、とある事情通の御言葉。
そんな次第でウォーターフロント、竹芝へ。オーシャンビューです――C4Uですから。この手の当て字を見ると、プリンス……まぁいいや。
●C4U
オープンして1年半ほど。ホテルは'95年の開業。入ると妙に広いエントランスホールがあり、それと直角に「I」の字を象った、青く自発光するバーテーブルとオープンキッチン。パティはこのよく見える位置でジュージューいわせて焼いている。
オープンキッチンに対し、さらに直角にホールが続いて、窓の外には日の出桟橋、その奥にレインボーブリッジという陣容。なぜこんな不規則な間取りをしているかといえば、長方形の面積の中にフィットネスクラブ「B・Five」を内包しているからである。こんな肉汁滴る空間を前に果たしてフィットネスになるのか……まぁ、見なかったことにするんだろうネェ。あるいはバーガー頬張ることを夢見て頑張るか。それにしても……ん? 「B・Five」に? 「C4U」か……ヨシッ! わかった! (ト、手を打つ)
店内下半分はカリフォルニア的落ち着きあるダイナー、上半分はギラッと派手なフレームの液晶モニターが計7面、常時異なるチャンネルをピカピカ映し出して賑やか――こういう所で観たアニメって頭にこびりつくんだよネ。
一段上がってダークブルーのラウンドシートが3つ。背後の壁には鮮やかなオレンジ色の幕が引かれ、その壁一枚挟んだ向こうがフィットネスクラブ。どの席も海を"ハス"に見やる感じのオーシャンビュー。"海際"特有の、ガランと虚無な空気を微かに漂わせている。
●My Favorite Burger
スタッフは縦縞やデニムのシャツなど爽やかに着こなし、ホテルにしては心持ち気さくな雰囲気。「おいしい料理をなるべく安く」提供したいというコンセプトのもと、コノ店の大ヒットメニュー「My Favorite Burger」は現場発、スタッフの声の中から生まれたアイデア光る逸品だ。
選ぶことに喜びを感じるMy Favorite Burger。トマト、オニオン、レタスと付け合わせのコールスローがデフォルト。
パティは100g¥1,733(サ税込)から500g¥6,353まで、8つのサイズから選択。バンズはプレーン、グラハム、コーン、ライ、ベーグルの5種類から、サイドディッシュのポテトはフライド、ベイクド他4種類から。トッピングは各種Sサイズ¥116〜Mサイズ¥347まで。良心価格で好きにバーガーが作れる、遊び心満載のお楽しみメニュー。他店のシステムと比べ、何だか妙にソノ気にさせるレイアウトなんだよねぇ、メニューが。
たとえば100gパテにベーコン+チーズのトッピングで¥2,022(サ税込)は、ホテルとしては相当「お値打ち」です(←コノ言葉キライなんだ)。
●淡路和牛
グランドメニューに載っているC4U特製淡路和牛100%ハンバーガー¥2,541はパティ180gにトマト、オニオン、レタスの載った既製品。
ホテルには珍しくバンズは目が細かく、しとっとウェットに張った感じの皮で硬め。パティは淡路島産黒毛和牛。淡路島というとタマネギをイメージしがちだが、神戸・松阪・近江などの素牛(もとうし)となった但馬牛(たじまうし)の産地としても有名である。
粗いと言うより大きな挽き方、ミディアムレアで丁寧に焼き上げたパティは、中はキレイな薄ピンクに色を残して、もうほとんどステーキをいただいているような感覚。脂もニオイもキツくなく、カブリ付けば肉汁がピューッ……と、かつての「ユリーカ」ほどには鋭くないが、ボタボタッ……と憎い滲み出方。こうなるとトマトもレタスも関係なし。おいしい肉をパンに挟んだ、ただそれだけの単純構造。パティ対バンズの一騎打ち。コレは贅沢!
しかもサイドディッシュも情け無用の大盛りなので、パティ100gでもお腹パンパン! この日選んだサイドはとろけるマッシュポテト、そしてくだんのコールスロー。お供にアイスカフェラテ¥750。シェイク、フレッシュジュースは原宿「Good Honest Grub」のプロデュース。
但し、袋なし――こうなりゃ意地でも置かないんだろうな。ならこちらもあくまで素手で……。
●"コースアウト"スポット
フレンチ時代のアノ手コノ手はあえて封印して「変に凝らずに、おいしい素材はそのまま出したい」という岩波シェフ。ホテルの「本気でイイ食材」を豪快に堪能できる、リーズナブルなハンバーガー。これだけボリューム"ブイブイ"の食事が出る店なので、バーというよりはダイナーの色の方が強いだろうか。汐留・台場などの人気スポットから離れてもいるから、雑踏を逃れ、人混みにすっかりヤラれた羽をしばし休めに来るような、そんな"隠し湯"的な使い方で如何? BGM――昼どき、わりとおバカ系洋楽のオンパレード……本気でおバカ
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別日再訪。このときの模様は【二ッ目!】にて。
― shop data ―
所在地: 東京都港区海岸1-16-2
ゆりかもめ 竹芝駅歩3分 地図
TEL: 03-5404-2246
オープン: 2006年
営業時間: 11:30〜14:30, 17:00〜0:00
定休日: 無休(要確認)