話は「*ease」より続く……「*ease」と「FIRE HOUSE」を週3と週4で掛け持つバーガー界の若き鉄人(カル・リプケンとか衣笠祥雄の方ね)、守口さんのお誘いにより、この2月5日にオープンしたばかりのファイヤーハウスの新店、ファイヤーバーガーに行くことになった。
●ファイヤーハウスのディフュージョンブランド
「みなさんに食べてもらいたい」と、メニューを絞り、抑えた価続設定で提供する、本郷の名店[「FIRE HOUSE」のディフュージョンブランド。
ファストフード形式。注文レジは、以前は「傘屋だった」という異様にタテに長い店舗の一番奥に煌々と照り輝いて位置し、店内半ばからレジに向かって段差を埋めるための緩い勾配が人工的に形成。ビビッドな配色のタイルに彩られたレジの背後にはキッチン――「FIRE HOUSE」本店(以下「FH」と略。現場では「レストラン」と称)のカッチョイイのを見てしまうと「調理場」と呼ぶが近いか。簡潔で機能性のみを図ったつくり。
レジ上にはメニューボードが、写真でなくオールイラストで。このイラスト、オーナー直々に手がけたものであるが……コノある種キテレツなるテイスト……持ち帰ったチラシを数人に見せたところ、女子は「カワイイ〜!」とことごとく受けがよく、男子は押しなべて「……」だったのですが、その辺り狙い通りですか、>オーナー?
●ワンドリンク
バーガー類6品(含フィレオフィッシュ。FHは14品)にチキンフィレ、グリーンサラダ、デザートにはサンデー。単品売りもあるが、メニューボードには7品のコンボ(セット。フレンチフライ+ワンドリンク)が掲げられていて、「バーガーコンボ」¥945、「チーズコンボ」¥1,050、「アップルコンボ」¥1,150、「ダブルコンボ」¥1,250、「ダブルチーズコンボ」¥1,410……といった案配。価続を抑えて……とは言っても、FHで¥1,050の「チーズバーガー」の、フレンチフライはそのままに、ピクルスがソフトドリンクに代わってお値段同じ――という感じなので、冷静に考えて、目玉が飛び出すほどの価続破壊が進行しているわけでもない。
ドリンクはセルフでレジ横のサーバーからワンドリンク。この「セルフのワンドリンク」制は若干の戸惑いを生じさせるので、カップを手渡す際に口・での補足説明などもう少し必要だろうか。なお……大変残念なことに禁酒令が施行されております。
●マヨネーズとマスタード
チーズコンボ¥1,050。ドリンク、おしぼり、バーガー袋その他はオールセルフだが、バーガーは番号札を頼りに席まで運んで来ていただける。底の浅い紙のトレイの上に載ったチーズバーガーは、FHより気持ち小ぶりながらも、しかしクオリティダウンでなく、ただのサイズダウンに見える辺りがポイント。付け合せのフレンチフライはナチュラルカットから細身のクランチに代わり、ピクルスはナシ。
ふっかりバンズはFHよりやや重量減(10gほど)、セサミなし。中はお馴染みのマヨにチェダーチー、パティ、お馴染みのレリッシュ+オニオン、トマト、レタス、マスタード、下バン。オーナーの好みと想像されるモチッとした食感はこのバンズでも健在。若干皮が口に残り目、生地は卒目――クリームパンを想像していただけたら。
野菜の量もやや減らし、その分味の調整をしてあるとは言うが、パティとマヨネーズの"塩"が合流すれば、チーズの塩気も霞むくらいのかなり明確な塩味が形成される。パティはFHと同じものを使用。ただFHよりしっかりと焼き込んであり、まぁこの辺は好みだろうが、あまり遜らか過ぎても心許ないし、これくらいの方が肉らしい感じがして、私はタイプ(でもFHはFHで美味)。遜らかなバンズをマヨネーズ味とツンとしたマスタードの味でいただく、100%FIRE HOUSE保証のバーガー。コショウも効いてゴツッとした食べ応え。
●チーズコンボで播磨坂
でナニ? ↑この小見出し……??
BGMはセリーヌ・ディオンとかウィルソン・フィリップスとか90'sヒッツが、例のSoundeviceのサイコロ型スピーカーから。壁床天井、どこもコンクリ剥き出しな上、店内音を吸収するものが少ないので、ナチュラルリバーブかかります。
40席以上は並ぶだろうスペースに現在32席。傾斜部が使えないのが難。真っ白な壁はメニューが掛かるばかりで、文字通り"余白"がいっぱい。ひたすらに「遊び」の少ない空間で、バーガーショップと言うよりも社食とか学食とか、ただ空腹を満たすためだけに在る場所のように思えてくる。ここまでスッキリし過ぎちゃってるのも、どうかと……。
ホールとキッチン、店内と店外(入り口)の明るさの差も気になったかな。暗がりに置かれていることを必要以上に意識させられるんだよね、"こっち"よりも"あっち"の方が明るいというのは。弱目のハロゲン球を全般拡散したダイナー的なライティングは、コノ店の造りには馴染まない気がする。と言うか、この薄暗さに単に慣れていないだけなんだろうけど。
ハンバーガーの美味しさは「雰囲気も込みで」のものと、私は思っている。私たちは、ただ「美味しいハンバーガーが食べたい」のではなくて、お店の造りや雰囲気、空気、音楽、そしてそれらより生まれる楽しいおしゃべり……そうした要素まで全部含めてハンバーガーの美味しさ、醍醐味と認識しているわけなので――つまるところ、もう少し小物や置き物など在った方がよいかな? ……というのは普及版のポリシーに反することなのかも知れませんが。……そうそう、一部禁煙席(ン? 逆だったかな?)があって、好まざる人への配慮がなされています。
そんなワケですぐ側に播磨(はりま)坂のさくら並木があるので、もうちょっとしたらテイクアウェイして桜の木の下でバーガーを――なんて食べ方もいかにもマックのCM的で、なかなか乙なもんじゃないでしょうか……と、それとなくオススメしておきます。
― shop data ―
所在地: 東京都文京区小石川4-21-2
東京メトロ丸の内線 茗荷谷駅歩5分 地図
TEL: 03-5637-8575
オープン: 2007年2月
営業時間: 11:00〜23:00
定休日: 無休(要確認)
「雰囲気も込みで」という考え方、すごく同意できます!
ちょっと話題がズレますけど、以前、都内の某ファーストフード店でハンバーガーを食べていたら、制服姿でタバコを吸っている高校生グループがいたんです。
私を含め、お客さんたちは全員見てみぬフリをしていたのですが、店員さんがキッチリ注意をし、灰皿を取り上げてしまいました。
・・・それ以来、私はそのファーストフード店のファンになりました♪
そういうのって、大事ですよね。
ふたたびのコメントありがとうございます。
ハンバーガーを出すお店――特に「ダイナー」は、本当に雰囲気が大事なので、スタッフの接客も他の飲食業に比べはるかに気持ちが入っているように感じます。なんだろ……たぶん皆さん「こういう店」がやりたくてやっている人たちばかりなので、スタッフ自身働いていて楽しいんじゃないかな……
と思い至ったのは、本日気まぐれに入った某有名ラーメン店の女子高生バイトが無表情で放つ「いらっしゃーせぇー」という掛け声を聞いてから。懸けるものが違うのかな?まぁ、しょうがないか……
お客さんのマナーを注意できるお店は今や「エライ」ですね。お客さん同士だとどうしてもカドが立ちますから。それは稀有なお店です。
あとはそう、店員さん一人が良い行いをすると、その店全体が「良いお店」のように見えるという――組織の一員として、その返の自覚は非常に大切ですよね。私も日ごろからもっと心掛けねば……気を付けます!
いつもガラガラで心配しておりましたが(FIREHOUSEでやっているケータリングもやっていないし、と思ったらいつからかバイクが表に置いてあるから始めていたのかも?)、現在改装休業中でそろそろ完成しそうな雰囲気。
ディフュージョンブランドというより安っぽい(あくまでも個人の感想です)、というところから脱却するためにケータリングと持ち帰りをメインにするのでしょうか。バイクが増えていたし、受け渡しカウンターが入り口からすぐ近くにできていました。奥は大きな厨房?それとも座席が奥に移動したのかな?
リニューアルオープンの際にはまたご報告します。
コメントありがとうございます。
こちら実は同地にFIRE HOUSEのデリバリーが移転するため、先月2月の半ばぐらいに閉店した――と聞いております。その辺りの情報の反映と記事の更新が円滑でなくて、すみません。
この店舗まるごとデリバリーとすると、すさまじい生産能力と収納面積を有することになります。それはそれで――。
まあ確かに今まで私もFIREBURGERに出向かず、FIREHOUSEにデリバリーを注文しておりましたので、FIREBURGERから届くようになれば、冷めずに食べられるので幸せです。
情報ありがとうございます。またいろいろ教えてください。
ちなみに7-8年くらい前だったか、今のFIREBURGERから程近いところにMOS's Cがあったのですが、あっという間になくなってしまいました。残っているのは神楽坂くらいなのですかね。