デンマーク産サムソーチーズを載せたチーズハンバーガー……デンマークとくれば……そう!コノお店はアンデルセンが昨年12月に始めた、パンが主役のレストラン。
パンが主役というのが画期的。と言うか、そういうことはやはりアンデルセン辺りがやらないと説得力が出ないのでしょうね。お料理におけるパンは常に脇役なワケでして――例の「セットにはパンかライスが付きますが……」ってヤツです――それがココでは主客がひっくり返って「パンに合わせておいしい料理」を考えるという、つまり「何をのせれば美味しくパンがいただけるか」「何をぬればパンが美味しく引き立つか」――そんな常とは180度転換した発想からつくられたお店なワケで、もぉパン党には全く以ってたまりません!最高っ!――ハイ、わたくしパン党ですから、もぉ〜最高っ!!しかも「全てのお料理に、窯から出したばかりのバゲットをご用意」ですよ!焼きたてですよ!焼きたて言うても、ただヌクめてんのと違いますよ。成形したパン生地を窯に入れて焼く――その焼きたてですから(解るて)。そこまで聞けば頼むものは絶対にバゲットと赤ワインでしょ?ネ?絶対そっちだな……と思いつつ、次は絶対バゲットと赤ワインにしたる思いながら、今日はお決まりのチーズハンバーガー\1,100(WEEKDAYはTEA TIMEのみの様な)。お供にアイスハイビスカスティー\650。
名前が付いてないのがホントに不思議なこの通り(←ずい分調べたんですゼ)。和風らーめんのだるまやにインド料理のゴングル、欧風菓子のクドウ(南林間が本店)など老舗が軒を連ねるコノ細路地へ、青山通りから曲がり込んですぐの所に在る「ココ……むかし中華だったっけ?」な建物が、そっくりコノお店に変わっている。コノ辺の数軒の店はエントランスと言うか、前庭のような空間を細路地に面して持っていて、ソコを使ってテラスにし、窓を開け放ってオープンエアにしている。外壁はタイルを引っぺがしたままの様な状態、中は所謂スケルトンの状態に壁・天井を白く塗ったり、ボード張ったり、モダンなダイニングテーブル並べたり照明落としたり。色の選び方がどれも落ち着いていて、好みなセンス。んで1Fど真ん中にオーブンがドンと。スタッフは黒いシャツに黒とグレーのチェック柄のソムリエエプロン姿で、なかなかピシッと決まってます。
で、バーガー。付け合せはライトなドレッシングのかかったサラダと、クア・アイナの様な衣の着いた細身のフレンチフライ。明らかに食事なお皿。バンズは表面ツヤなし、例えるならフランスあんぱんの様な見た目と皮の硬さが特徴的。身はパンオノアのような……例えが難しいが薄小豆色?な色した生地で、非砂糖の微かな甘味と心無しかの酸味があって、やはり特徴的。表裏とも網目に焼跡が付いていて、特に裏はよく焼かれている。中はトマ、ソテードオニ、チー、パティ、下バン。サイズは一見小ぶりなれど、バンズがふかふかしていないので密度が高く、かなり食べ応えがある。カリッとコゲ目の香ばしいパティもバンズに合わせたようにギュッと高密度で、バーガー全体としてもズシリと重量があり、結果的に密閉率が増すのか内部の熱が保たれて、最後のひと口まで温かくいただけた。トマトがぬるくないのがポイント。ソテーしたオニオンがまた甘くてねぇ〜
あぁ、こういうバーガーね……と決めて掛かるのが難しいバーガーだった。味付けは極めて自然で淡白。でも味が無いのではなく、その一見何も無い様に見える空間は、実は特別強い味を持たない"見えない何か"によって埋め尽くされている……というクセぶり。その"何か"こそバンズの味であり、チーズの味なのです!サムソーチーズがネ、また物凄〜く表現に困るんだけど、オモテ立った味は殆どしないんだが、でもジワジワ地味ぃ〜に効いてくるコク?滋味?ウチ帰ってバゲットに載せて食べたら美味しかった〜!バンズやオニオンのチョイ気になる酸味や甘味がチョイチョイ顔を覗かせて、アイスハイビスカスティーも正体不明の酸味を放ち、終始気を引く酸味に囲まれながらのお食事でした。バゲットとエピは店のオーブンで焼いてるんだけど唯一バンズのみ、アンデルセンの店舗で焼いていて、しかも……売られてません。非売品!アンデルセンバーガーと同じかな……と見てみるとまるで別物。私は今回のヘヴィ級のバンズの方が好きです。BGM――ジャズ/クロスオーバー系。これは絶っっ対、誰かと赤ワイン空けたいお店。誰か行かないかなぁ〜
2006.6.7 Y.M