パレスホテル
カフェ・レストラン Humming
東京都千代田区丸の内1-1-1、丸の内は此処パレスホテルから始まる。開業1961年10月。こちらのパンもなかなか美味しくて、中でもコーンミールを使ったコーンブレッド\567は、とうもろこしのほんのりした甘さが特長の逸品。しかも余所では滅多にお目にかかれない。
ハンバーガーを置いている店は地下。風薫る5月、1Fの"お濠と白鳥を眺めながら優雅なひとときを"のテラスレストラン スワンなら、初夏の日差しが注ぐ明るいテラス席でゆ〜ったりと戴けるのだが、しかし肝心なハンバーガーが無いのだから仕方ない。渋々とB1Fのカフェ・レストラン ハミングへ。
実物は歌うような字体なのだが、当然HTMLでは再現出来ない。まぁ正直申し上げて、外観も内装もファミレスとイイ勝負。パステルカラーのタイルカーペットに籐の椅子、2人用の白いテーブル無数にシンプルな白い壁。夜は4,000円のコースもあるが、基本は所謂洋食メニュー。美味しそうな写真を多用していて分かりやすく入りやすく、それこそファミリーで気軽に利用のできる安全かつ無難な選択といったポジション。
但しサイトの文章がやや奇妙……「明るくさわやかな雰囲気で、軽いお食事をお楽しみください。また、世界のビール40余銘柄を取り揃えております」外光の一切入らぬ地下にあって、明るくさわやかもないだろう……とか、食事の軽い/重いを、そうはっきりと店の側で決められてもなぁ……とか、「また、」の使い方はそれでいいのか……とか、「取り揃えております」から何なのだ……とか。
ハンバーガー サンドウィッチ\1,680、お供にカフェラテ\630。5月はハンバーグフェアなるを開催中だそうで、そんな流れできっと間違いのないものが出て来るだろうと半ば安心して座していると、まずカフェラテを隣のテーブルへ間違えて運び、次いで待望のハンバーガーは、厨房から一度姿を見せたかと思えば何かのミスに気付いてすぐ引っ込み、また登場、また引っ込んで再々登場の挙句、今度こそ直送されると思いきやコースを逸れて先輩スタッフのところへ行き、チェックしてもらってからようやくサーブされるという紆余曲折、波乱万丈の大サービス……あかんで、キミィ。
付け合せはフレンチフライにパセリ。バンズの間に小ぶりなパティ。外にピクルス×2、シュレッドレッドオニオン、トマト。こんだけ。あまりに淋しい見た目だったので、今回少しコーディネートして撮影いたしました。他にケチャップ、マスタード、レリッシュの刻まれていた"ように思う"サルサソース。
バンズはこれぞテーブルロールという光沢、ケシもゴマもナシ。裏バター。はっきりと、しかし上品な甘味があり、味のペースはこのバンズ。しかし下手な自己主張には走らない奥ゆかしさがある。パティはハンバーグ。ちょっとコゲあり。ナツメグの食べにくさはなく、野菜を挟んでいただくと案外と良い味に落ち着く。
試みにケチャップとマスタードを付けてみたところ、これが……!!ホテルらしいまろやかなケチャップ、いやそれ以上にマスタードが味の引き立て役なのである。苦味よりも硬派な酸味の効いたマスタードはバーガーの味に幅を持たせ、深みを与えて、さらに食べやすくさせる――これぞまさに立役者。
バンズとパティのみでも不思議なくらいまとまりは良いのだが、ケチャップとマスタードを加えればさらにマイルドなまとまりを見せる。ピクルスがまた歯応え良く、すっぱ辛いリズムを効かせる。\1,680はどうにも高いが、見た目よりは実のあるバーガー。カフェラテとの相性もなかなか。
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それにしても若きスタッフたちの動きはどうにもぎこちなくて、見ていてハラハラし通しだった。まさかコノ連休オンリーの短期バイトでもないだろうに(案外そうだったりして……)。サービス料が10%かかるワケだが、果たしてアノ寸劇以外、何をサービスしてくれたのかね?(ト言いながら、机の端を拳でコツコツと叩く)BGM――ほとんど聴こえないくらいにフルート曲が。
2006.5.4 Y.Mカフェレストラン ハミング (カフェ / 大手町駅、二重橋前駅、東京駅)
夜総合点★★★★☆ 4.0