これほどまでの実力がありながら、どうして常にこの程度の客の入りしかないのだろう。立地の為せる業なのか、夜はいつ行っても空いている――。
●キラー通り
外苑西通り、その一部に「キラー通り」という異名が付いている。なぜその名が付いたか、意外にもオフィシャルな見解というものが見つからず、名付けたのはデザイナーのコシノジュンコで、しかし命名の真意は不明……という、そんなスッキリしない情報しか得ることが出来なかった。
いつも何やら不思議な活気を感じる通りである。広過ぎる青山通りと比べ、道幅が自然に感じられるというのが一番の要因かも知れない。車通りもそこそこ多いので、絶えず何かが肩口近くで動いている感じがして、それが商店街的な賑わいに置き換わって認識されるという、そんな理屈だろうか。
通りからさらに静かな脇道に折れると、その中ほどに構える本当にちょっとしたお店がココ。席数にして10ほど、それもウンと引っ付けて並べた10席。所狭い店内からは、無用な装飾を極力排した、ある種の"機能美"のようなものが感じられる……やも知れない。自室に籠もっているかのようなトイレが秀逸。
●FUNGO
平日は夫婦2人に若きパティシェ"タカちゃん"、土日は利発そうなお子さん2人も加勢(イヤ別におべっか使っているワケでなく、事実をお伝えしている)。黒板の文字は店主の妹サン書。店主は三宿の「FUNGO」で店長を務めていた(ちなみに駒沢大学「AS CLASSICS DINER」の店主は、GORO'S店主の次の次のFUNGO店長)。なのでだろう、Sandwich & Burgerと、常にサンドイッチが先にくる。
FUNGOのメニューと比べてみると、なるほど共通点多々。しかしこの北青山にあって、三宿の古巣の値段よりも常にちょっとずつ安い価格設定にしているというのは実に涙ぐましい心掛けで、何だかもうそれだけで応援したくなってしまう。プレスリー辺りのロックンロールが流れる中、一曲だけ8分の6拍子のイイ感じのバラードが流れたんだよネ……「SLEEPWALK」だと思うんだが。
FUNGOは海を思わせる爽やかな青がトレードカラーになっているが、ココは強いて挙げれば赤や橙などの暖色系か。ロゴデザインに統一性が無いのが難だが、オレンジのチェックのテーブルクロスなど(現在黄色)、全体にどこか憎めない可愛らしさがあって、やはり町の食堂的な、打ち解けた感じで接するのが正しいアットホームなお店。
●峰屋の天然酵母バンズ
数量限定、トッピングが選べるキラーバーガー¥600など帰宅した今、モーレツに惹かれているのだが、しかしいちげんさん向きなメニューではない。毎度のチーズバーガー¥1,200、フレンチフライ付き。
新宿峰屋の天然酵母バンズは裏は軽く焼いてあるが、ふっかりやわらか実にソフト。表面白ゴマ。中はチーズが黄色と白の2種――レッドチェダーとモントレージャックか。パティ、グリルドオニオン、赤いトマト、白いレタス、ホームメイドタルタルソース、下バン(あるいはバターが塗ってあったかも)。
皿が来た瞬間から強い肉の香りがフンプンと鼻孔を刺激して止まない。かぶり付けばふっかりバンズのソフトな弾力、次に絶妙にとろけた――見よ、コノ艶やかな半透明の溶け具合! ――チーズの舌触りとコク、トドメは塩胡椒がかなりハッキリと振られた、中のまだ薄赤いパティのタイトな旨み。これにグリルドオニオンの締まった食感とジューシーなトマトの酸味が加わり、さらにレタスが小気味の好いリズムをハイハットシンバルのように常にどこかで刻んでいて、締めくくりは卵を使っていないため、特有の嫌なクサミの一切無い自家製タルタルソースが、味わい深いザラッとした味で全体を下支えしている――という構成。
合間に啜るホットのカフェラテ¥500がとんでもなく美味しくて――そう、ココのカフェラテはCARIMALIのエスプレッソマシーンで本気で入れてくるので、不意を突かれたように美味しい(普通もうちょっと出来合いのモンじゃないですか)。紅茶はポット――こんなにカフェラテと相性の良いバーガーも久しぶりだった。ポテトもがっちりキツ目の塩味が効かしてあり、この辺の味の緩急は見事。
●スパイスの使い手
塩胡椒がしっかりかかってパンチを効かせてあるが、全体としては至極あっさりしているという、その点では「蜂の巣」に一脈通ずるものがある。これだけ胡椒が効いているにも関わらず、不思議と味が足りなく感じられもしたのだが、自家製ソースがまだ他に数種あると言うし、肉はじめ素材がなにしろ抜群に美味しいので、実に久々の☆。
なるほどつまり、FUNGOも適量さえ間違えなければ美味しいバーガーなのである……ということがコノ店をもってよく解った。しかしその辺のことをきっちり見抜いている辺り、ココのお店の店主のバランス感覚に狂いナシ! ということで、是非又ふらっと寄らせてもらいます……と言っていたら、我が眼にも狂いナシ! その後何度も通ったが、確かに他のバーガーも唸る逸品揃いだった。
●マニアックな店
米南部料理"ガンボスープ"を使ったガンボバーガー¥1,300は(ガンボとはオクラのこと)スパイス使いがさらに細やか且つ大胆で、同じく香辛料がキュッ! と刺激的なサルサバーガー¥1,200と並び生ビールとの相性は最強!!BBQソースを使ったゴローズバーガー¥900といい、ソースをメインに押し立てながらもバーガー全体のバランスコントロールが絶妙に図られているため、単なる力押しに終わらない、均整のとれた細やかな味覚を堪能できる。
若きパティシェ"タカちゃん"の作るキラープリン¥200、バナナチーズケーキ¥350などは香りの使い方に非凡なものがあり、オーブンなど設備の十分でない中ながら、一般的なダイナーとは一線を画す秀逸なデザートが登場する。フードにせよドリンクにせよ諸事半端無く、その小ささと注目度の低さを考え合わせると、ある種マニアックな店と呼んでも過言ではないだろう。"通"こそ足を向けるべき店。
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― shop data ―
所在地: 東京都渋谷区神宮前3-41-2 岡本ビル1F
東京メトロ銀座線 外苑前駅歩5分 地図
TEL: 03-3403-9033
URL: http://gorosdiner.com/
オープン: 2005年4月29日
* 営業時間 *
火〜土: 11:30〜22:00(21:30LO)
ランチ: 11:30〜16:00(平日のみ)
日祝日: 11:30〜18:00(17:30LO)
定休日: 月曜日(要確認)