2006年01月08日

# 106 ヒルトン東京 [西新宿]

ヒルトン東京
ブラセリー チェッカーズ


 寒い記録的に寒い外を歩くのが億劫(おっくう)なこと、記憶に無いほどの寒さである。なので駅から離れた場所にはどうしても足が向かない。出来ることなら駅から一歩も出ずに用事が済めば……と思う。ところがどうしたことか! 気が付けば寄りによって新宿副都心、高層ビル群の間を歩いている……とてつもなく寒かった〜! ときに呼吸も出来ないくらい顔面に圧をかける強烈なビル風が、背中を後押しする寒さに対抗して(しなくていいのに)行く手を阻んだ。都庁舎の真横辺りに細く月が浮かんでいたが、しかし地上の冷え具合に比して思いのほか冴え冴えとした色でない。フン、地球の寒さに同情すらくれないのか……心底冷たい月だ。何処でもいい、とにかく何処かに転がり込まねば凍死する……そして行き着いたのがヒルトンだった。

 帰りにまざまざと思い知らされたんだけど、この副都心一帯のビルというビルは最早ことごとく地下通路で繋がってるのネ。まさかヒルトンまで地下から行けるとは……って地下道出来てから結構になるの? それにしても壮大な地下網である(無駄――とも言う)。それこそ中央公園の脇辺りから潜って新宿三丁目まで、寒風に凍えることも冷雨に濡れることもなく楽々と歩けてしまうのだから。「実は地下で繋がっている」とか「濡れずに行ける」とか、そーゆーの昔から好きなんだよネ〜。今回の反省を踏まえて次回は「外に出ずに行ける店」でも探して取り上げますかな?

 本題――ヒルトン東京。建物の構造上、ロビーはドドーンとした空間を確保出来てはいないが、もちろん端々に豪華ではある。ロビー階にラウンジがあるが、食事がしたいと言ったら2Fを案内された。ブラセリーとある(フランスで、カフェとレストランを合わせたような大型の店 [大辞林])。店名のとおり、カラメル色と淡いベージュのチェックが壁にも床にも。旅行客多数。大半が頼んでいる魅惑のディナーブッフェは¥4,410。そもそもブッフェがデフォルトの模様。

 チェッカーズバーガー¥2,600。「チーズ又は、フライドエッグ」という二択だった。お約束でチーズ。見ての通り、かつて無いくらい立体的なプレート。ははぁ……今見返すに何かこの新宿の高層ビル群でもイメージしてのアレンジなのかな? そんな気もしてきた。上バン(crown)の中心にパイ生地をクルクルと細長くまるめたスティック状のパンが刺さり(グリッシーニではない)、付け合せのポテトはフレンチフライでなく、網目模様のいーっぱい入った(きっと自家製)ポテトチップス(多分コレ)。それが白い紙にくるまってグラスに刺してある。あとBBQソースが。

 まずパイを取り除けてバーガーを手にすると……上下を挟むものはバンズではなかったピッチリ張ったツヤツヤの表面――ベーグルである。よってコレはハンバーガーではないベーグルサンドである。しかし甘めのベーグルにはどこからカブり付いても、常にベーグルの方から攻め込んで来るような迫力と弾力とがある。コレはバンズにはない。表面白黒ゴマのまだら、裏には軽快なハンバーグソース。その下にミニトマトの赤と、黄色い彩りは――パプリカだった。これが甘いあと白い生オニ(火が通ってたかな?)。チェダーチー、その下にミディアムレアで頼んだらミディアムな焼き方だったパティ。下にシュレッドレタス、下バンにもソースがかかる。味の中心はとにかくトマトパプリカパプリカの甘味トマトのライトな酸味が特徴的かつあまりに印象的過ぎて、正直パティを喰ってしまっている。上バンに乗っていた香草はイタリアンパセリだったと思うので、多分この(非)バーガーはイタリアンな、しかもサンド的なテイストを意識しているモノなのかも知れない。しかしその味に対してベーグルバンズの硬い食感は、必ずしも巧く機能しているようには思えなかった。全般にルックス重視、何か普通と違うモノを目指そうという試みに満ちているとは思うが、やはり王道は偉大、多少奇をてらったぐらいでなかなか超えられるものではない。決して美味しくないわけではなかったのだけれど(←二重否定)、お金の使い道としてコレに¥2,600投じるのなら、あと1,800円出してブッフェ食べた方が賢明であり、確実であり、そして何十倍とお得かつ楽しめるだろう。なので食べてもいないのにブッフェをオススメするBGMは小さく洋楽有線が。私の聴き違えでなければマドンナの「リヴ・トゥ・テル」が流れていたような。

§ §

 そんな次第で「ホテル編」には括れなかったヒルトン東京なのであるが、それでも例の説明を。

 前回のスターウッドにも匹敵する世界的ホテルチェーンらしいのだが、ところが調べてみると意外なくらい(日本語の)情報が少ない。サイトURLからして「hiltonjapan.ehotel-reserve.com」であって、よく言えば予約を主目的とする簡便な、悪く言えば高級ホテルらしさに欠ける軽いつくりになっていて、ま、余計なフラッシュなんか無くてイイっちゃイイんだが、しかしゴージャスな気分には今ひとつ浸れない。本社は米国LA。「ウィキペディア」によると「東京ヒルトンホテル(現:キャピトル東急)……(中略)……は東京初の外資系大規模シティホテルとして知られている」とのこと。また汐留に'05年7月、ヒルトングループの最高級ホテルコンラッド東京が開業している。ヒルトンの初夢はこちらに持ち越しカナ……。

2006.1.8 Y.M

posted by ハンバーガーストリート at 12:37 | TrackBack(1) | 番外編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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コンラッド 東京
Excerpt: コンラッド東京(Conrad Hotel Tokyo)は、ヒルトングループの最高級ブランドであるコンラッド・ホテルのひとつ。森トラスト株式会社が100%出資するMT
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Tracked: 2007-02-26 08:06