ウェスティンホテル東京
レストラン THE TERRACE
>恵比寿ガーデンプレイス! 冬空のボサノヴァは寒いゾ〜!
2006年正月1日、余りの寒さに人出も例年より少なく見受けられる渋谷を抜けて、暖と美味しいものを求めて恵比寿へ。
閑散とした元日の町中で、正月休みでも確実に開いているお店を探すなら……ホテルなら間違いない。以前ココで何やらモゴモゴ言ってましたけど「帝国」「オークラ」「ニューオータニ」の"御三家"の次は"新御三家"を行ってみようと思う。
私はこれでもかつてホテルに関係する業界に身を置いていたことがあり、その折ある人から新御三家の話を聞かされた。早7、8年前の話である。
まぁ当時一部でそう言われていた――という程度の受け止め方で正しいと思う。別に広くホテル業界で通っている呼称でもないと思うし、まして日本史の試験にも芸能のクイズにも出ない。で、その新御三家と呼ばれるホテルのうちの一つがウェスティンホテル東京。残る2つは何処? ――まぁまあ、後々のお楽しみということで……
恵比寿ガーデンプレイスは元日殆どの店がお休み。なにせマックすら閉まってましたから。天候に追い討ちを掛ける寂寥とした眺めの中、店やってないのに何故か通路に響くBGMのボッサでさらに寒さの追い討ちを掛けられ、背中を丸めながらホテルに入り込む。
ロビーラウンジにはハンバーガーは無いので、同1Fのレストランへ。地中海風インテリアの店内はきっと外光を計算してのことだろう、コーブ照明中心の抑えた明るさ。店の名にある六角形に突き出したテラスには所謂ロマンシェードが低く下がっている。庭は寒々……それでも必要最低量の常緑樹が都会の喧騒から視界を隔ててくれている。ま、ボロ隠しって程度ですかな……(別段の悪意はない)。
"テラス"ハンバーガー¥2,100、「オープン以来10年間変わらぬオリジナルメニューです」とのこと、付け合わせはフレンチフライにピクルスと言うより酢漬けのキュウリ。あと、やたらとバジルを効かせたトマトソースが添えられていたのだが、サーブされた時ちょっと席を外していたものだから、何に使うか聞きそびれた。
バンズ表面はゴマが白黒交じり、テカテカのクリームパン状の皮。生地はホテルでは定番、例の気泡の大きいスポンジ状で、少し黄色味がかってたかな? 柔らか過ぎて少し頼りない……と思ってたら案の定ほどなく決壊。保湿力のすこぶる低いバンズだったが美味は美味。中身はシュレッドレッドオニオン、トマト、チーズ、パティ、ベーコン、シュレッドレタス、下バン。
パティは美味しかった。ミディアムレアでお願いしたら柔らかくノド越しよく、かつ肉質がザラザラとしていて、剛柔兼ね備えた質感。美味しいパティというのは実はあまりソレ自身強い味を持っていないもので、このパティも口に入れると旨味だけがじわりじわりと後から後から効いてくる。ベーコンは、佐世保のものをレアとするならミディアムくらいに柔らかく、塩味も上品。
下バンの完全崩壊により仕方なくフォーク&ナイフで後処理したが、じっくり効かすパティの味を中心とした旨味は、冷めてなお変わらなかった。お供はグズッと苦いカフェラッテ¥920(お代わりはご自由に)。BGMはよく聴こえなかったものの「春の海」がヒネモスノタリとエンドレス。
§ §
さて例によってウェスティンとは――というのを掘らなくてはいけない。
「米国北西部に17のホテルを有するほんの小さなホテルチェーンが、世界をリードする存在にまで成長しました。現在ウェスティンは、世界でも指折りの高級ホテルをはじめ、24ヶ国に120以上のホテルを所有しています」とのこと、1930年創設時には 「ウェスタン ホテル」だったそうな。本部NY。
でも現在はさらにその後ろでスターウッドホテル&リゾートワールドワイドなる企業が運営しているそうで、ウェスティンはそのスターウッドの中の1ブランドという位置付けになるようなのである。かのシェラトンもスターウッド傘下……ってこの辺りで関係が何だかよく解からなくなってくるのが毎度のパターン。ちょうどその辺の経緯を分かり易く説明している好ページを見つけたので詳細はそちらにおまかせで……。
ウェスティン東京は'94年10月14日開業。経営は株式会社三田ホールディング。なるほど、言われてみればあそこは目黒区三田なのかぁ(慶応義塾は港区三田)。