2005年07月16日

# 077 牛豚鶏Body Dining [田町]




 またしても[最寄駅]の難しい店。「駅から遠くても、なんのそのJR田町駅東口から徒歩13分」とは店のチラシ。ゆりかもめ芝浦ふ頭駅なら「徒歩5分」、断然近いのはコッチ――熟考の末、今回は距離より知名度を採ることに。このチラシ、田舎的とでも言おうか、アピールしたいことがとにかく思いつくまま何でもかんでも書いてあり、雑然としてかつ極めてとりとめ無い。一体どんな人が作ってんだろ……と再びチラシに目をやると「会社概要」の項があり、そこには「オーシャンキングジャパン 飲食事業部」と。どうやら同じフロアにあるらしい。とりとめの無さは店名にも及び、同じチラシの中で「牛豚鶏Body Dining」「ウットリBody Dining」「牛豚鶏ボディダイニング」の3種類の表記、まるで統一がとれていない。14項目にわたる「店舗案内」の1番目「ディナー店名は牛豚鶏《ウットリ》とランチ店名は魚禽姫《ウットリヒメ》と親しみある店名を採用」から容易に推察できるように、自分の世界を強烈に持った店――と言うことができようか。SINCE 2004。

 ステーキ&ハンバーグ料理専門店。白い壁、白い椅子にゴージャスなベルベットブルーのカーテン、青い床。ライティングをウンと落とし、国道246沿い・三宿〜三茶辺りによくある感じの店。一見「高級感」だが、イスやテーブルをよく見ると年季入ってたり新品だったり……この辺りもとりとめ無し。海岸通りに面した倉庫を利用。トイレなんか何処ぞのクラブみたく、無意味に広い殺風景な空間の真ん中に唐突に便座だけ置いてあって、エラク簡易的かつ美しくはない造りだった。

 店に入るとイガ栗アタマに口髭のイカツイ兄ちゃんが出て来て、バーガー頼むと「少々お時間かかりますが……」と。こっちはハナからそのつもりなので「よろしく!」と返すと、厨房からペタペタ肉を捏ねる音、続いてジュー……と焼く音。皿が運ばれるまで都合20分弱、かなり丹念につくっている様子で嬉しい限り! UTTORI 特製チーズハンバーガー¥700、半ツヤのバンズ、表面ちょっと白ゴマ。フカ系かな? 中は真っ赤なトマト、サニーレタス、とろけたチーズは存在薄。で何てったって主役のパティ――はハンバーグだった。表面のコゲ香ばしく、「帝国ホテル」……とまではゆかぬが、分厚い中から肉汁がジュワーッ! ナツメグがやたらと効きまくっている。マヨネーズ&ケチャップなど調味料特になく、パティの塩味とひたすらナツメグのみ……いや、パティにちょっと醤油ベースのソースでも絡んでたかな? そんな味もした。付け合せはパセリを振ったフレンチフライ。

 マッチョな牛のキャラと店内各所に置かれた牛のぬいぐるみは、この時期エラク暑っ苦しく目に映って、正直如何なものかと……。ビル自体貸しスタジオ/レンタルスペースなのだが、コノ店とは無関係か。金土・祝前は遅くまでやっているそうなので、深夜クルマで乗り付けてガッツク……なんて使い方はやっぱり三宿的ですかな。BGM――いまどきなソウル/ダンス系がお店の雰囲気にマッチ。

§ §

 さて帰りがけ、店を出てふと振り返るとオモテの塀に建築計画の掲示。地番表示なので店の住所と一致はしていなかったが、普通に考えればコノ敷地が計画の対象に違いない。着工予定9月1日――てコトは去年オープンして一年もしないでもう無くなっちゃうの? そう考えると、ははぁ〜と頷けなくもない店のつくりだったような……。


2005.7.16 Y.M

posted by ハンバーガーストリート at 21:36 | TrackBack(0) | 東京編◆東部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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