2005年05月28日

# 065 Bar Captain Kangaroo [大阪・北新地]



 大阪は新地の入口――梅田駅からヒルトンやらマルビルやらあるビル街の間を抜けて、2号線を渡るとすぐ目の前。JR東西線北新地駅が真下。コッチの方にはかつて一度も足を運んだことがなくて、どうも全国に知られた歓楽街らしい……という程度の認識しか持ち合わせない、私にとっては馴染みの薄い大阪である。


 大歓楽街の入口に在ることがこの上なく相応しい猥雑な店。東京で言うと渋谷・下北のお店のイメージかな? 大阪中の外人さんたちが多数集結している。

 『レザボア・ドッグス』のポスターが貼ってある……と言えば一発でイメージ湧く? ギラギラ・ギトギトした装飾に満ち満ちていてとにかくキタナイのよ、床から何から――メニューはパウチの中まで飲み物が滲み込んじゃってヨレヨレのベタベタ。おしぼりなんてモノは無く、ティッシュペーパーをハイと差し出される。


 店内を見渡すと、オモテにベンチ、入口すぐに3人くらいで囲むスチール製のテーブル、壁にはアメコミ調龍の画(画像の右壁)、反対側にダーツマシーン(?←基本的によくわかっとらん>私)、奥の暗がりにスタッフとの会話で盛り上がるカウンター席、その手前に5〜6人掛けの背の高い円テーブルが何台か。その円テーブルのひとつにはなんと水タバコ……??

 店の最も奥に巨大スクリーンがあって、交流試合・阪神×オリックス戦の録画を無音で流している。そこに両手・背中にレコードをいっぱい持ったDJが「おはよーございまーす」と入って来る――そんな店。オープンエアというよりは入口開けっぴろげ・出入り自由の夜の集会場的バー。

 「うちの看板娘」「最強のハンバーガー」「ハンバーガー虎の穴出身!」「抱かれたいハンバーガー3年連続第1位!」……さて、気を取り直して“キャプテンカンガルースペシャルビーフバーガー”、略してルー特製ハンバーガー¥900。

 バンズは「B&B」で食べたゴールデンセサミを髣髴とさせる、まるでベーグルのようなしっかりとした歯応え。表面白ゴマだらけ、畳イワシみたいな香ばしい匂いを嗅ぎつつがぶりとゆく。弾まないバンズの下はケチャップ、トマト、サニーレタス、オニオン少々&薄っすら伸びる白いチーズは適量をわきまえたナイス隠し味。

 下にくるパティがこれまた安そうで質悪そうな見た目なんだけど、ところがコノ適度なワルが美味しいのだ! 適度な肉汁、適度な粗さ――バーガーの肉はやはり最上質ではダメらしい――。パティの下はホースラディッシュのクリームか? (スペシャルハウスソースって言うのが何処かに挟まってる筈なんだが……)で、下のバンズ(heel)。

 見た目貧相……ところがベーグルのようにしっかりした食感はある種保存食的と言うか、乾物のイメージを伴いつつ、「カリフォルニア出身のスタッフによる本場のハンバーガー」とのことで、"彼(か)の地"にはこんなバーガーもあるのか……と妙に説得力のある味である――案外クセになるかも。付け合わせはポテトにケチャップがた〜っぷり!

§ §

 世界のビール約50種――しかも700円以下で飲めるのでビール好きはたまらない。料金前払い。ノーチャージ。根本的にはヒトの良い、おおらかなお店。BGM――ダンス系が小さく流れる中、民族楽器みたいな音色が重なり、さらにはオモテの喧騒も混ざり合って、イマイチ締まりはなかった。赤いライトが瞼に残る。


2005.5.28 Y.M
posted by ハンバーガーストリート at 19:00| Comment(0) | TrackBack(1) | 西国編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: 男と女の間には、赤いスポットライトが良く似合う
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