やっと登場! ココも"マストバーガー"。泉麻人氏のコラム(今はもうリンク切れ)にもあるが、日本のハンバーガー発祥を称する店のひとつ。創業1950年――佐世保バーガーの発祥よりも確かに1年早いが、仙台の「ほそや」と同年である。50th Anniversary T-Shirts販売中。
三丁目の角地に店を構えるホントに三角形のバーガーショップ。泉氏表現するところのカフェバー調の店内は、多年にわたりコノ六本木の街の空気を吸い続けてきた証か、ビミョーに汚れ・黄ばみ・くたびれている。コラム中の女性店主が登場すると、2台あるテレビモニターは夕方のニュースから巨人×中日戦に変わった。7時からはサッカーを見るつもりらしい。
チーズバーガー¥450。バンズの下はチーズ、パティ、レタス。泉氏が食べた東京一番ハンバーガー¥370はバンズの間はパティのみ――もうココまでくると素材の旨さ一本、直球勝負!! と言う他、言い様が無い。素材が旨いか不味いか。「そのままではアツくて持てないハンバーグを、食べやすいようにパンにはさんで売り出した」――というバーガーのルーツと言うか動機に忠実なバーガー。
半ツヤ消しくらいのバンズは、持つとモォ〜ふわっふわ! まるで皮のコートにでも触れているかのような驚嘆モノのやわらかさ! 口を寄せるとくちびるをふわ〜っとやさしく包み込むような触感。肉厚のパティは噛むとピリーッと強い挽き肉の味覚。時間をかけてゆっくり火を通した故だろう、やがて何処からともなく脂がジワーッと滲み出してくる――おそろしく地味ぃ〜に美味しい。
慣例に倣いケチャップ&マスタードなしで食べ、最後一口だけケチャップつけてみたら、それはそれで美味しかった――イヤ、ソレって実は珍しいことなのヨ。チーズは普通のスライスチーズ。付け合せはポテトチップス。
ギラつく外の光景と比べればまったく派手さのない、地味な、ジミィ〜なオールドファッションバーガー。例えるならソレは2番ショート。もしコノ店のバーガーが日本伝来・発祥当時の原形を今なお留めているのだとすれば……私にとっては決して居心地の良い街&店ではないのだけれど、その難を退けてでも立ち戻りたい原点かな――行き過ぎたバーガーネジを巻き戻すために。
※'05年10月25日、1950年から実に55年におよぶその輝かしい歴史に、幕を下ろされました。本当に残念……(2005.11.29)
2005.4.29 Y.M