WOLFGANG PUCK EXPRESS以来の原宿。神宮前の交差点――表参道と明治通りの――をロッテリアのある一角に分け入って、渋谷区の神宮前出張所(併設:区民会館・敬老館・保育園)向かい。この辺りは古い民家・商店と"若向き"の洋服・雑貨・カフェetc.がごっちゃ混ぜになっていて、一種独特の風景を呈している。あるいはこれもまたアジアンな風景と言えなくもない。
さてそんな中、まぁいまどきアメリカンダイナー。私が映画・TVで観た限りのイメージで言うと、ニューヨークの、クロスも貼ってない殺風景なアパートメントに引っ越してきた当日、とりあえず食事できるように……と机と椅子だけゴンゴンッと並べ、ロウソクで食事も何だから……とコンクリ打ちっ放しの天井からシャンデリア吊るした――そんな感じ?でそのまま日々の生活が始まっちゃった感じかな?実際にはそこまでザックバランではないんだけど、何と言うか、上辺だけイマ流に合わせました……ってな上滑りなオシャレではなくて、どことなく人の温かみの感じられる?そんな雰囲気がコノ店にはある。
多分その辺、何処ぞのホテルと違ってスタッフが懇切丁寧に、詳し〜くハンバーガーの説明をしてくれたり、気軽に質問に応じてくれたり、そんな親身なサービスを心がけていることが、お店の空気にも表れているのかなぁと。ソファの奥行きがまた広いんだなぁー(独りで来てよかった!特等席!)。カウンター2ヶ所、ひとつは一段上がった位置にキッチンを囲むようにして。
クラシックバーガー150g\1,700。トッピング各\200。これが土日のブランチだと、チーズ標準装備+スープ&サラダで\1,700――お得!写真はチェダーチーズとソテーマッシュルームを加えたもの。
バンズの上から竹串が突き通り、crown は斜めに。撮影し終えた頃合にスタッフが来て2つに切るかと訊くので「とんでもない!ガブッといきます」と返すと、そのまま美味しい食べ方の説明をしてくれた――まず竹串を刺しなおしてバーガーを真っ直ぐにし、上からギューッと押す。ソースがこぼれ出すくらいがバンズと中身がよく馴染んで食べごろと。この状態でバーガーパックの中に移し、竹串を抜いて、さぁどうぞお召し上がり下さい!
白いバンズは表面白ゴマ。甘くてややウェット。裏面がカリッと焼き上がっていて気持ち良い。中身はゆで卵をシュレッドしたの(名称不詳)と薄いオニオンスライスにマヨネーズ絡んだの、トマト、パティの上にチェダー。でソース――「フォンドヴォー(仔牛の骨の出汁)をベースに野菜とトマトをふんだんに使い3日間かけて煮込んだ」オリジナルソース。フォンドヴォーベースだけに味は上品で控え目。パティの下に3層ほどに折り畳まれた青々したレタス。
んで「黒毛和牛ステーキ用ロース部位を使用した、つなぎを一切入れてない」パティだが、ミディアムでも赤身が多く、ミディアムレアならもっと多い(←当たり前だ!)焼き加減。まるで半生食べてるような柔らか〜い食感。レア好き・寿司好き・刺身好きにはたまらんでしょう。粗い感じを残しつつ、とても柔らかい、でも粗い――ちょっと不思議な新食感。そしてそんなに熱くない。この半生パティのほのかな牛肉クササに合わせるように、ソースはじめ他の材料の味付けもきわめて繊細。強烈な刺激やパンチがない代わり、落ち着いた、マッタリとしたバーガー。
heel は見た目には立派に見えたのだが、↑これだけの内容物を上に載せてはとてもじゃないが堪えられないらしく、上まだ1/4を残した状態で既に無くなってしまった。食べ方にもバランス感覚が必要なようで。きゅうり半分まんま出てくるピクルスは、スライスしては味わえぬ皮の弾力がポイント。
BGMはビートルズ、イーグルスのベスト盤など――ちょとストレート過ぎやしない?スイーツも充実、原宿裏通りのオアシスとしてちょっと一息つくには持ってこいかも。昼間もいいがちょっと物憂げな夜の雰囲気も捨て難い。オープン'04年9月。
― shop data ―
所在地: 東京都渋谷区神宮前6-9-11 堺ビル1F
東京メトロ千代田線・副都心線 明治神宮前駅歩5分 地図
TEL: 03-3499-1150
URL: http://www.zip-zap.jp/
オープン: 2004年9月24日
営業時間: 11:30〜23:00
定休日: 無休(要確認)
2005.4.8 Y.M