2005年03月12日

# 042 レモン [人形町]




 看板の「コーヒー&ハンバーガー」という文字に目が留まり、入った。看板に「コーヒー&ハンバーガー」という文字があったから入った。だのになかった……。にしてもこんな店でも――失礼を承知で。

 でもどうしてもこんな言い方になってしまう。だっていつもカーテン締まってて、やってんだかやってないんだかよく分からないので――で、こんな店でもなんとビックリ! きちんと文章書いてる人がいるのネ! 大変丁寧かつ愛情を込めて紹介されているので、仔細はこちらにおまかせということで……

 親子丼で有名な、かの「玉ひで」の裏にある。何ヶ月も前から何遍も前を素通り。通るたび客が少ないのと、カウンターのみという店の人との距離の近さに入るのを何度も躊躇。白いU字型のカウンター。丸イスも白。その一角に初老のご婦人と坊やが隣り合って座り、坊やはお絵描き(……が、私の来店により中断)。想像より狭苦しくない。時を経てはいるが、ちょっとしたワンポイントにそれなりなオシャレを感じる。

 カウンターの中の男性にハンバーガーありますか? と尋ねると、あちらになります――と壁のメニューを示される。ハンバーグチーズトースト¥450……この瞬間、バンズは出て来ないと直感したのだが(イヤな直感だなぁ)、ご婦人が中に回って角食を切り始めた時点で試合終了のホイッスル……出て来たものはトーストした三角形のサンドウィッチ。厚手のチーズ。千切りキャベツにはタルタルソース――マヨネーズにみじん切りタマネギの混ざったモノをそう呼ぶなら――で、真ん中にパティが挟まる。正直薄い……だがこのサンドは間違いなくこのパティのおかげで成り立っている。

 おそらくトーストにハンバーグをサンドしている店というのもそんなに多くはないだろう。しかもコノ店はそれをメニューのメインに押し出している感がある。パティにはそんなに濃い味でないケチャップ。トーストは香ばしくて、とても美味しかった。どこの店の角食だろう? すぐ近くに「まつむら」という名店があるが。



 鍋で温めるコーヒー¥350は単体で飲むと別に……なんだけど、サンドと一緒だと突如おいしく感じられるから不思議。

 BGM――お昼に行ったので『笑っていいとも』、中居君が声を張り上げていた。その中居君を除けば、カーテン越しの白い光の中、ゆったりと過ごせて決して悪い空間ではない。800円の使い道としては妥当、かつ贅沢。レトロな人形町界隈、今日なおサラリーマンで賑わう古喫茶店は他にいくらもある中で、上のページの作者がコノ店を選んだ理由というのも、なるほど頷ける。

2005.3.12 Y.M

posted by ハンバーガーストリート at 21:03 | TrackBack(0) | 番外編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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