店の入口に以前ウチで飼ってた愛猫とおんなじキジネコが丸まってたもんだから、店入るなり独りきりでホットドック作ってたマスターとネコの話を始めてしまった。マスターからすりゃあ(多分)久々入ってきた客がなにやら突然、猛烈な勢いでネコの話をしだした――ってトコかな? 注文頼むまでに5分費やす。
厚生年金会館からさらに300m、御苑の近く、ちょと寂しいところにある(もはやバーガーショップの鉄則か)。
入って手前にカウンターとキッチン、奥が客席――中2階ぽくなっていて、ちょっとワクワクする構造だ。階段上ってみると……う〜ん、微妙だ――ココは以前はイタリアンだったか、それとも南仏料理? 地中海? ひと言で言えばサイゼリヤみたいな店内。
天井にはしっかり青空が描かれている。フロアの中心にケチャップ、マスタード、醤油などの調味料を置く背の低〜い机、一隅は材料と思しき乾物類の置き場に、突き当たりの壁はさほど活用されていないであろうセルフの食器返却口に。
さらには往年の映画スターの(アラン・ドロンとかグレース・ケリーとか洋画の)写真が額に入って壁一面に飾られている。チック・コリアやスパイロ・ジャイラのジャケも飾ってあったり。かと思うとマンガ本の棚あり、フランス人形あり、色鮮やかなるオウムの置き物あり……つまりは何でもアリ、置きたい物を気の向くままに置きました――って多分それだけ。
さて肝心のチーズバーガー¥460、表面カリッカリのバンズはそうね〜乏しい語彙の中から表現するならドトールのホットドックなんかの質感に近いかな? かなりドライな表面なのよ。ソフトフランス風? でもフランスパン的な弾きはなくて、歯を立てると歯の下でそのまま粉々に砕け散る感じ?
その砕け方がまぁ天晴れ! このカリッカリ感が、ふんだんに折り込まれたレタスのパリ感とシンクロしてイイ感じ。ほんのり甘い生地。細かーく刻んだオニオンが入ったトマトソースはペースト状。パティはいたってオーソドックスなもの。そして盛りだくさんレタス。レタスの下にはサウザンドレッシングが振ってあったが、さほど強い味の主張はない。あーあとパティの上にちょっと隅に追いやられた感のあるチーズね。以上。ちょっとモサっとくる食感だけど、食べ応え十分。
マスターが2階に上がってきたのを機にもう一つ頼んだ。今回の注文にもまたもや5分。話好きなマスター、自分以外客皆無という状況もあるが、バーガーメニューについての説明を熱い思いとともにたっぷり聞かせていただいた。
でオススメの中から選んだのが塩焼きバーガー¥460。パティは塩コショウだけの味付け、その上にオニオンスライスをふんだんに乗せていただく、ホントにシンプルなバーガー。
オニオンは驚くくらい甘く、辛さも苦さも強烈ではない。半分はそのままいって、残り半分は薦められるまま自家製マスタードをかけていただく。適量かけると味が締まって良い。ボリューム過多でやや単調な気もするが、タマネギてんこ盛りな割りに口に残らず、案外さっぱりしてるのが良いところ。Fバーガーのネギミソ辺りとはそもそも考え方を異にしている。
タマネギが最も甘いのは新タマの時期――と言われたが、私は新タマの時期がわからず、いつか? と聞き返したら夏場だとの答え。それはそれはホントに甘いらしい。そこまで言われるとベストシーズンにあらためて味わってみたくなる。
とにかくバンズの歯ごたえと来たら芸術的! ……あぁ今あらためて画像見返すとチーズと塩焼きとでは使ってるバンズが違うね。マスターに言わせるともっと美味しいバンズを使ってるメニューがあるらしい。今度ぜひ! と言われる。ただスパイスなどの刺激物を姑息に効かせていない分、最終的な盛り上がりと「食べた〜っ!」という幸福感にはやや欠けるか。素材本来の味を……というのはひとつキーワードのようである。
BGMは最初ダンス系が流れていたが、マスターがチーズバーガー持って来たついでにどういう意図かジャズのチャンネルに切り換えた……それって客見て音楽決めてるってこと?
そのお客はずっーと自分1人。そろそろ出ようかという間際にようやく、場所柄かヤンキー風2人が入ってきた。例のネコはまだ入口に丸まっている。飼い主に捨てられて野良になったのを見かねて、この店で食べ物の面倒みるようになったとのこと。肉を与えているらしく、まぁコロンコロンに肥えて!
→ # MADAM K [新宿・富久町] のWチーズバーガー
# MADAM K [新宿・富久町] のオニオンバーガー
― shop data ―
所在地: 東京都新宿区富久町16-24
東京メトロ丸の内線 新宿御苑駅歩7分 地図
TEL: 03-3351-8242
オープン: 2000年4月21日
* 営業時間 *
月〜金: 10:00〜24:00
土日祝: 10:00〜18:00
定休日: 不定休(要確認)