"リブ"で有名なお店。'72年1月フロリダ州マイアミに1号店オープン……なんだか71年とか72年とかその辺創業の店って多いネ。きっとそういう時代だったのだろう(ますますもって興味深い)。
日本上陸25周年だそうなので、つまり'79年から在るってコト……えっ、トニーローマってそんな昔から在ったんだ……世ノ中知ラナイコトダラケ。と言うか名前を知ったの自体、当サイトの常連(←多分)佐渡倉氏の情報提供によるもので、ごくごく最近の話なのである。
エイベックスビルB1Fにある青山店を訪……「エイベックスビル」ってぇからどんなインテリジェンスビルだろうと思って行ったら、かつて「住友生命青山ビル」と呼ばれてた建物じゃないの。それなりに年喰った年月を経たビル。よってB1Fも「味の名店街」とでも付きそうな、褪せかけたトーンの佇まい。トニーローマも此処の古株なのだろうか。ちなみに六本木店は「ハードロックカフェ」の真下にある。と言うのも両チェーンの経営は同じ「WDI」という会社だからである。あの「カプリチョーザ」や「巨牛荘」もWDIの経営……う〜ん、外・食・産・業!! って感じですか?
ローマバーガー¥1,350に¥105でチーズをトッピング。当企画初! ココのバーガーはレア、ミディアム、ウェルダム……そうパティの焼き方が選べるのだ。最初なのでミディアムで注文。付け合わせが豪華――ピクルス、フレンチフライに加えオニオンフライにコールスローまで付いてくる。それぞれソロでも十分美味しいお味で、ビールのつまみに持ってこいなんだけど、バーガー食べ終わってなお両フライがどっさりあるというコノ量の多さというものは、食後感としてはいただけませんな。だって口のなか油だらけになっちゃうもの。せっかくのバーガーの余韻が……。
バンズは「アンミラ」「フライデーズ」に続き、またまた温かくなかった。温かくないのはまだ良い――このバンズ、持つ指先に軽く力を入れるだけでモロモロと崩れてゆくのである。ひょっとして……冷凍庫から出してそのまま焼いた?? 中身は申し訳程度のオニオンスライスの輪っか1枚(ま、オニオンフライがたんまり外にありますから)、トマト、豊富なレタス、追加のチーズ、そしてミディアムで頼んだパティ。
食べ始めは特に何とも思わなかったのだが、食べるほどにこのパティは美味しくなる。トニーローマのパティは柔らかいのだ。舶来系では標準たる、硬さを通り越したあのゴワゴワ感――そのレベルは完全にクリアしている。しかしそれはモスの匠味の繊細な柔らかさともまた違う、ゴワゴワ感を適度に残した、米国産らしいワイルドさとの中間をゆく食感……。例によって調味料は加えられていないので、後半はHEINZ のケチャップを振ることになる。これまで食べてきた味無しバーガーは、ケチャップをかけるとケチャップの味しかしなくなってしまうのが常だったが、このバーガーはケチャップ&マスタードとの相性が実に良い。こんなにケチャップの合うパティもまた当企画初めてかも。
「明るく楽しい“これぞアメリカのレストラン!”というカジュアルな雰囲気……」この辺の謳い文句はアンミラともフライデーズともウェンディーズとも一緒だが「ディナータイムには照明を抑え、各テーブルにキャンドルを灯し……」ココらの演出は他店にない(あるいは前面に押し出していない)かな。"明るく楽しい"と言うよりは、"カジュアル"と言うよりは、落ち着きある、ちょっとリッチなムード。イメージ的には(リッチな)家族連れか、髪染めて口ひげはやした、いかにも金持ってるヨ……てな感じのオジサンが女のコ連れて来てるか、そんな感じ。独り者はあるいはツライかも……ってナニが? BGMも落ち着き澄ましたアダコン、ブラコン……独り者はますますツライかも……ってナニが?
一方で外国人の入りは思ったほどでもない。と言うよりお客の入り自体さほどでないかな。いやきっと週末には青山・赤坂界隈のリッチな家族たちで賑わうのだろう。フライデーズ辺りは夜な夜な派手にドンチャンやってるイメージがあるんだけど、それと比べてしまうとだいぶ淋しいか……あちらはレストランと言うより居酒屋で、こちらはリブの専門店という住み分けなのだろう。
§ §
……あっ、そうそう! さすがリブを手掴みで食べる店らしく、食後にはレモンを浮かべたフィンガーボールが出て来る。しかもご丁寧にぬるま湯――指洗う水温めるヒマあったらバンズ温めろヨ……なんて言うより先に、次は素直にリブいってみようかな? 甘辛〜いタレの匂い……タマラーン!!
2004.11.16 Y.M