「ヒカリ」を諦めて(40分待ってもよかったのだが)、駅の方面に比較的近い、この店に寄ることにした。夜はショットバーになるという「LOG KIT」とは打って変わってらりるれろは言わば駄菓子屋のノリである。外観を撮るとき、店の真ん前に横付けされた軽自動車が邪魔に思えたのだが、しかし今こうして見返すに、クルマが入り込んでいようがいまいが、結局ジュースの自販機が写るか写らないかだけの問題で、大勢に全く影響がなかったことに気付く。
飲み屋街で夜から営業始める店もあれば、こうして子供たちのおやつ路線で出してる店もあるということで。人生いろいろ。バーガー屋だっていろいろ。
入り口にあるパンの箱を見て「この店のバンズはフジパンか。大丈夫か……」とやや不安に思ったのだが、店の中に入るとさらにおびただしい数の箱が所狭しと積み上げられていた。
音楽ひとつ鳴らない狭過ぎる店内には、かろうじてイートイン用のテーブルが2席用意されているのだが、そのうちの一つはゲーム台……壁にはスロットマシーンが2台……すさまじく駄菓子屋テイストなのである。そこに職場が近くにあると思しき男女が、スーツに制服姿でお昼を食べに来たりする――こどもと大人がシンクロする何やら不思議な空間である。
ココでもベーコンエッグバーガー¥368を頼む。待つことしばし――ジュージュー焼く音の末に出て来たバーガーは久々! 包み紙に包まれていた。
本当に久しく"包む店"には行ってなかったこともあって、はじめやや意外に思えたが、次には"この店らしい"と思い直した。紙にはお店のキャラクターが印刷されている(……ピッ、ピエロのノリだなぁ)。
包みを開けると、中はいかにも"手作り"といった感じのバーガーである―フジパン製バンズに不恰好な目玉焼き、マヨネーズのかかったレタスにベーコン。トマトは存在薄。オニオンスライス、ケチャップのたっぷりかかったパティ。あとマスタード。マヨネーズ&ケチャップをふんだんに使ってはいるが、それでも味はやはり"佐世保バーガー"らしく、すっきり食べやすくて妙な引っかかりやイガイガ感がない。
何と言うか、「LOG KIT」辺りの「頭使って手間暇かけて、スペシャルなバーガー作りました」的な大仰な作り込み方はこのバーガーにはなくて、ベーコンなんかもそれこそ「その辺のスーパーで買って来ました」という感じのごく普通のベーコンで、つまりは「手近にあった材料集めてチャチャッと作ってみたら、こうなりました」というような気負わない、気楽な感じか。値段もそうだが、より庶民的な感覚で、広く親しまれているバーガーなのだろうなと思った。だから"ファストフード"と呼ぶなら、このらりるれろの方が相応しい。
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とは言え営業時間は午前11時から深夜0時まで。どうやら「飲みの終わりにバーガー」というのはウソではないのかも知れない。タバコ屋のおばさんにらりるれろの場所を訊いたら、道案内の最後に「おいしいですよ」と言い添えて返してくれたのが印象的だった。本気で佐世保の人はハンバーガー好きかも知れない。
2004.8.22 Y.M