佐世保へ行って来た。
「ZATS BURGER CAFE」の紹介によるとハンバーガーは1951年、佐世保駐留の米海軍によって伝えられた。確かにこの軍港には「ハンバーガー」という特異な食文化があるように感じられる。博多にラーメンがあるように、広島にお好み焼きがあるように、佐世保と言えばハンバーガーなのだ。なにせわずか数時間の滞在の中なので、佐世保市民が年に何個のハンバーガーを消費するか……といったエグザクトリーな(←?)ところまで知ることは到底出来なかったワケであるが、しかし少なくともこの街におけるハンバーガーが、観光の目玉として半ば無理矢理に白羽の矢を立てられ、祭り上げられた存在などでは決してなく、市民の生活に普通に親しみ根差し、そして愛されているのだな……という空気だけでも、どうにか掴んで来ることができたと思う。全国的な常識でゆくと「ハンバーガー」と言えば「ファストフードチェーン」なワケだが、しかしココ佐世保には個人で営む唯一&一店舗切りのハンバーガーショップが多数在るのだ。それだけ考えても何やら凄いことのように思われる。
LOG KIT
まず最初に行った店は佐世保駅からバスで7〜8分、国際通りの中ほどにあるログキット。もうすぐ先は海上自衛隊、そして米海軍佐世保基地である。昼間が「LOG KIT」で、夜になると「HANG OUT」と名前を変えてショットバーになるそうだ。ハンバーガーメニューは昼夜とも健在。この店で中野「"ZATS..."」のオーナー(佐世保出身)は出店に当たり数ヶ月"修業"したばかりでなく、肉や特製マヨネーズソース、ベーコンを「佐世保から直送してもらっている……」ので、味の方向性はもちろん中野と同一である。
佐世保名物である"ベーコンエッグ"にチーズの加わったスペシャルバーガー¥780をオーダー。やはり待つこと10分。20席もない狭い店ゆえキッチンはフロアと同じスペースにあり、肉を鉄板で焼く音が何遮ることなく、辛抱強くハンバーガーを待つ客の耳元までジュージューと押し寄せる。
このバーガー、さすがスペシャルだけあって大きい。バンズは平べったく横にのびた感じ。内側が具の形に合わせてやや窪んでいるので案外と薄いのだが、しかしこれくらいがちょうどかぶり付きやすい厚さなのである。
中身は見てのとおり特製マヨネーズソースのかかったレタス、その下にトマトにオニオンスライス。厚〜いベーコン×2枚にトロッととろけたチェダーチーズ、そして目玉焼き(赤玉だっけ?)。その下に100%和牛をブレンドしたジューシーなパテ(パティ)。ZATS...同様テリヤキ風の甘いソースがかかっている。で、パテの下だったかなぁ……この店ではケチャップとマスタードも初めから入っている。
テーブルには写真入りで【ハンバーガーの正しい食べ方】なる説明があり、片手をバンズの上に乗せて手のひらで真下に押す――と書いてある。その通りに押して(押し方甘いかも)いざかぶりつこうとすると、やはりZATS...同様、熱くて持てない……そりゃそうだ、ついさっきまでジュウジュウ焼いてたんだから。
アッツアツを頬張ると、やっぱり甘くてさっぱりした味である。「ジューシー」という言葉が本当にピッタリくるバーガーだと思う。肉やベーコンの旨味、玉子の旨味、そして野菜の旨味。どの素材も瑞々しい旨味に溢れていて、すごく元気で活きのイイ物を口にしている喜びがある。
US NAVYたちに混ざって楽しむ夜の部"HANG OUT"も体験してみたかった(けど時間が……。ちなみにメニューは¥の横に小さく$表示。1$=¥100だけど)。さすがにBGMのセンスも良くて、終始すごくイイ感じのブラックナンバーが肉を焼く音とともに鳴っていた。ぜひとも夜行くべき店である。
ちなみに間に一軒バイク屋を挟んですぐ左隣が有名店「ヒカリ」である。
佐世保バーガーツアーとしては、移動時間0分の格好の位置関係で名店2店が隣り合うこのロケーションをぜひ活かすべきところなのだが、しかしその近さが逆に災いして、「LOG KIT」の大きなバーガーを消化する時間がない。それでも折角来たのだからと「ヒカリ」に注文してみたところ、出来上がるのは今から40分後という……おぉ「ラッキーピエロ」の再現!
しかもキッチンには5〜6人ものスタッフがただハンバーガーづくりのためだけに忙しく動き回っているのである。5、6人がかりでもなお今つくっているバーガーが40分前の注文とは――おそろしいことである。
後でわかったことだが、「ヒカリ」や「LOG KIT」はじめ市内の人気店は、日によっては1時間待ちくらいザラらしいのだ。そういう意味では「LOG KIT」にすんなり入れたのはラッキーだった模様。
付近にバラバラと停まっている車は、どうやらみな「ヒカリ」のハンバーガーを目当てに集まって来たものらしい(他県のナンバーも多い)。店の前にはちょうど安全地帯のようなスペースが出来ていて、車を停めるのにまさに計ったような好立地なのだが、この店は持ち帰りのみなので、みな車の中で出来上がる順番を待っているようなのだ……おそるべしヒカリ。
2004.8.22 Y.M
イニシャルJのtakuです。
ようやく札幌のLOGKITに行ってきました。
アメリカでハンバーガーを経験している人だと、最初からソースやマヨネーズがサンドされているのは違和感ありますね。
エッグやベーコンも挟み込んであるので、感覚的には「広島風お好み焼き」でした。
トレジャーズがパティの存在感があるものなので、かなり対照的で日本的?なのでしょうね。
札幌狸小路には目立ちませんがもう1店舗独立系バーガー店ありそうです。また次回・・・・
コメントありがとうございました。そしてお返事遅くなり、すいません。
広島風お好み焼き――!そうなんです、まさにおっしゃるとおり。慧眼です。
考え方もいろいろでしょうけれど、その「ケチャップ&マスタードは卓上に置いてあるから、好きにかけてネ」という食べ物を、ココまで独自の個性的な「味」に持って行ったというのが佐世保の、そして日本人の「技」だと思うんですネ。
食材が上から下まで、お好み焼きのように混然一体と混ざり合う――ケチャップ一色に彩られた食べ物とはまた違う、細やかな味の変化が楽しめるかなぁ……と思います。とにかく「よく混ざる」のが醍醐味かと。
そうですか。もう1店ありますか。聞いちゃったからには取材をお願いしないとねぇ……
そんな次第でよろしくお願いいたします!
ただ、味はやっぱりリサかなぁ・・・。
でもセットのポテトサラダやシナモンシロップ漬けアップルが食べられなくなったのが残念なんですが。
了解しました。
もうちょっと待っといて下さいね。
もうすぐしたら見に行きますので。
ありがとうございました。
またよろしくお願いいたします。