いや〜、ようやく10月最終日ですよ。このところ記事を上げ続けで、疲れたのなんの。10月最後は例の補足のつづきです。"独自ルール"の話ですね。
どういうことかと言うと、お店というのはお客さんの望みを「叶える」場所だと思うんですね。客が望む品やサービスを提供する場所が店と。つまり、「自分の望むものが望み通りに出て来ること」が客にとって最良・最上の答えであって、最も気持ちのよい状態なワケです。コレは鉄則です。絶対です。ですから「御座いません」「出来ません」という返しは、なるべく少ない方がよい――と私は思う次第です。
但し、店に最初から「ないもの」を求められても「それはありませんよ」というのは理解してます。釣具屋にシュークリームはふつう置いてませんので。そういう御門違いや「無茶ぶり」系の注文ではなくて、常識的に考えて「この店ならこの商品・サービスはあるだろう」と期待出来ることについて、現在お話しをしております。
で、そうした「ふつうあるだろう」と思われるメニューなりサービスなりがですね、その店独自の特殊なルールによって「出来ません」「ありません」となることに「得はない」と私は思ってるんですね。
"ふつう"というのは「みんなが思うこと、考えること」です。「みんなが期待すること」すなわち"ふつう"です。せめてソレぐらいは何の障壁もなく「ふつうに叶えてあげようよ」と思うワケなんですよ。ヘンな理屈とか蘊蓄とか、制限とか噛まさずに。だって「みんなが望むもの」なんですから。それが得られないというのは「みんな望んでいない」ことですよ。そんなお店が人気になると思いますか?
「出来ません」「ありません」「それも出来ません」という返しが「3つ」も続けば、私のような"小市民"のハートは余裕でヒビ割れて凹みますよ。結構なダメージを食らいます。楽しかった筈の一日が一気に「どよ〜ん」とするぐらいの。お店も日々大変でしょうけど、客だって、そんなに神経図太くないですからね。
ですから「みんなが望むことを叶える」のが第一で、それを越える店の独自ルールって基本「ない」と思うんですね。「お客の満足と店の満足と、どっちが大事なの?」という話になっちゃいますんで。そうしたルールがあることによって「あの店は骨があるね」「気概があるね」「本物だね」「いい店だね」という評判には「まずならない」です。むしろ「不便な店だね」「使いづらいね」「偏屈だね」と思われるのが関の山で。
ま、それが鉄道模型の店とかね、書道の筆や硯を売る専門店とかなら、まだ分からんでもないですが、言っても「ハンバーガー」ですからね。それこそ「子供からお年寄りまで」な世界じゃないですか。とにかく「味」とか「中身」とかいう以前の、ずっとずーっと手前の部分で「入りづらい店」というのがあるってことです。もっとやさしく。やわらかに。初めて利用するお客さんの目線・動線に立って。その先に初めて「味」や「中身」があるワケで。そこへ到達する前に折れてしまっては、元も子もないですから。ぜひ「入りやすく」してあげて下さい。そこに気づいてないお店が案外多いというお話でした。
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最後の最後に例を挙げてみます。実例でなく、私が考えついた例です。例えば「チーズは一切置いてません」というバーガー店とか。「店主が食物アレルギーで」みたいな理由が仮にあるにせよ、まぁ面倒くさいですよね。あとは「クルマでお越しのお客様のみご利用いただけます」とか。「知らずに徒歩で来たんですが、やっぱりダメですか……」みたいな不毛な議論、イヤじゃないですか。あと、入るなり何かひとつ「注意」される店とかね。そんなヤツ。以上です。 (おわり)
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