昨日記事にした最近ハマってる食べ方。そのきっかけは東京・国分寺の「Jimmy's DINER」でチーズバーガーを食べている時のことでした……。
ジミーズのバーガーは野菜を別に添えて出して来ます。積み重ねていません。そこで、いきなり全部挟まずに、まず粗みじんに刻んだオニオンだけ乗せてみると、パティとチーズの塩気にオニオンの辛味がエッジを立てて、ゴキゲンな味加減になりました。ですが、トマトとグリーンカールまで挟むと、そのイイ感じの塩気が薄まる気がして、無くていいなと。要らないなと。あとの野菜は挟まずそのまま食べちゃいますか……と思ったワケです。
と、その時……後ろに座っていた外国人3人組(たぶん米国人)の席をふと振り返ってみると、彼らも全員野菜を残しています。実はこうした光景を見るのはこれが初めてではなくて、10年、15年前の昔から、「外国人の客は野菜だけ残して食べる」「野菜を抜いて食べる」というのは行く先々の店でよく見聞きしていたことでした。この時初めて、私「も」、彼らと同じような食べ方をし、おそらく彼らと同じ心境に立てた「であろう」という……まぁ、そういうことです。ここまで辿り着くのに15年かかりました。なぜ彼ら(米国人)は野菜だけ残すのか。除けて食べるのか。その謎がようやく解けたように思いました。
つまり、「ハンバーガーはハンバーガーの味だけで食べたい」ということです。ハンバーガーの味というのは「パティとバンズをベースに、チーズ、ベーコントッピングぐらいまで」としておきましょうか。とりあえず。つまり、そこに野菜は「含まれない」ということです。ハンバーガーを楽しむ上で野菜は「絶対に必要なものではない」ということです。その野菜なしのバーガーの、その味「が」好きなんだと。その味「で」食べたいんだと。その味「こそが」一番おいしい食べ方なんだと。その時、野菜が「邪魔」になって来るワケなんです。
別に野菜が嫌いなワケじゃないんですよ。「ハンバーガーをおいしく食べる上では野菜は不要」という、つまり趣味や嗜好の問題だと思うんですが、その彼らの趣味や嗜好に苦節15年にして、ようやく私も近づけたのかな? ……というところです。
野菜を挟まず食べるのには、ジミーズのような出し方は向いています。元を辿れば、北千住「SUNNY DINER」の出し方であり、おそらく、すごくレストランっぽい、ダイナー(食堂)っぽい出し方なんだろうと思いますが、せっかくこうして全部積まずに「野菜」と「ハンバーガー」とを分けて出してくれているワケですから、このチャンスはぜひ有り難く活かしたいところです。何を挟み・何を挟まないかという「選択の自由」が客の側に与えられていると受け止めましょう。大体の店が美しくきれいにハンバーガーを積み重ねて出して来ます。そこからトマトを抜き、レタスを抜き……などすると、汚くなっちゃいますからね。手もハンバーガーも汚さずに済むという点で、この出し方は貴重です。
§ §
但し、サニーダイナーはこの出し方をやめてしまったんですよね。重ねず開いて出す店は、有名どころだと「クア・アイナ」とか。五反田「フランクリンアベニュー」、広尾の「ホームワークス」、あと横浜・本牧の「ムーンカフェ」、それから「Bigmamacafe」なんかもそうですか。昔から長くやっているお店が多いように思います。あらためて、野菜を横に添えるこの出し方は理に適っていて「いいな」と思いました。「自由」がありますね。
2021.1.29 Y.M