久しぶりの鎌倉です。2年ぶりかな? その後、鎌倉にも新しい店が出来てまして、今日はそのうちの一店、なぎさのハンバーガーへ、いざ。![]()
オープンは昨年2024年12月。場所は鎌倉駅の西口……江ノ電の方ですね……御成通りという駅前商店街をずっと下って、由比ヶ浜大通りに出てちょっと先の「六地蔵」という交差点に面したところ。六地蔵と言うと京都が有名ですが、各地にあるようで。鎌倉の六地蔵はこちら。六体のお地蔵さんが立つ辻です。そう、交差点でなく「辻」と呼ぶべき。その六体のお地蔵さんの隣に位置する霊験あらたかなバーガー店が「なぎさ」です。角地の非常に目立つ立地。非常に目立つ2階は「なぎさ」とは別の照明屋さん。![]()
「季音(きのん)」という薪火レストランが同じ鎌倉にあります。その姉妹店が「なぎさ」です。季音はカウンター6席、夜のみ営業。常に予約でいっぱいの大人気店。オーナー村野さんはフレンチシェフです。米サンフランシスコの名店"Saison"で働き、薪火料理の極意を学んで、2019年に「季音」オープン。セゾンは"North America's 50 Best Restaurants"に"Fine dining open-hearth pioneer’s new era"と紹介されています。"open-hearth"とは、まさに薪火料理のこと(意訳)。その本家中の本家で腕を磨いた村野シェフの店が季音……「セゾン」とちょっと掛けてるのかな?![]()
「なぎさ」はその「季音」初の姉妹店です。「薪火料理をカジュアルに」がコンセプト。店内入ると非常によく見えるのが厨房奥の壁に収まる"焼き場"です。"レンガ屋"にお願いした特注。耐火レンガを組み上げた中を覗くと……。![]()
奥の暗がりで燃え盛る太い薪木は、1時間ほどで細かく砕けるようになり、その粉々に砕いた熾火(おきび)の上で調理をします。薪は産地・種類不特定。こだわりなし。木の香りが季節で変わったり、春は水分が多くて爆(は)ぜやすくなったりなど、火の付き方もその時々で"都度"変化すると。![]()
「薪火」と「炭火」の違いは……一番は「香り」。薪火で焼くと「燻製」の香りがつきますが、炭火はつかず。炭はもっと芳ばしい「コゲ」のイメージでしょうか。薪はもう少しやわらかなスモークの香りを纏う感じで。と、炭火は持続するが、薪火は持たず――。
その薪を砕いて作った熾火の上に金網を渡して、その上でパティや玉ねぎなどを調理します。「うちわ」で扇いで火を熾しつつ、3分少々で焼き上がるので、つまり、けっこうな火力ですね。![]()
パティは国産牛8:豚2の合い挽き。そう、ここでもまた合い挽き……「だるま」も「カミナリ」も「なぎさ」も合い挽き。どうもフレンチシェフは合い挽きにしたがる傾向にあるようですね。サイズ120gの挽肉のパティで、ニンニク、砂糖、塩などと混ぜ合わせて成形し、「その日のうちに使い切る」スタイルで提供。基本"寝かさない"ということですね。肉は鎌倉の名店「肉の石川」より。
ハンバーガーはチキン含む現在8品+マンスリー。最初は「クラシック」「チーズ」「テリヤキ」「ダブルダブルチーズ」の4品からスタートして、途中から生野菜なしのトライアルバーガー¥1,350(税込)が登場。風味・香りを始めとする薪火の"極意"を味わうなら、断然「生野菜なし」でしょう!![]()
バンズは鎌倉の人気店「BREAD IT BE」の全粒粉バンズ。こちらはオーブンでリベイク後、薪火の上で内側に焼き目。ヒール(下バンズ)に自家製のガーリックマヨ、その上に薪火でグリルしたオニオン、スモークケチャップ、さらにパティが来て、さらにその上にチミチュリソース――という構成。
感想……まずは弾(ひ)きのあるバンズの生地感。その下で「ぐじゅっ」とマイルドなパティの旨味。この日のパティは"Bタイプ"=やや「ぷりん」としていたが、硬くない"レア"な焼き加減で美味。![]()
オレガノがずっと香り続ける中、底のガーリックマヨが食欲を誘い、オニオンも甘味を利かせて、「肉をおいしくする視点」での味の補助線選びが実に秀逸。パティそのものにもガーリックが入っているので、スナック菓子的な芳ばし〜い味が終始堪らず。
チミチュリは風味だけでなく刻んだオニオンがジューシーで、私は好みですが、一方で「薪火の風味を消してしまうのでは」との懸念もお店の側にあり、今後どうするかは検討中と――なるほど、言われてみれば長短どちらもあるかな。サイドは小イモ、レンコン、サツマイモの自家製チップス。これは季節で変わります。
§ §
トライアルとは「お試し」の意味ですが、いや、このバーガーこそ薪火の基本にして王道でしょう。まず初めは薪火"ならでは"のところをぜひ味わって欲しいですね。ちょっと小ぶりに"縮こまって"見えるのが損してるかな。でも思い出す、あの薪の香り……また行きたいですね。
― shop data ―
所在地: 神奈川県鎌倉市由比ヶ浜1-3-10
江ノ島電鉄 和田塚駅歩3分
JR・江ノ島電鉄 鎌倉駅歩9分 地図
TEL: 0467-73-9181
アカウント: https://www.instagram.com/nagisano__hamburger/
オープン: 2024年12月4日
* 営業時間 *
月〜金・祝前・祝後: 11:30〜15:00(LO14:30), 17:30〜21:00(LO20:30)
土日祝: 11:30〜21:00(LO20:30)
定休日: なし(要確認)


